「シュンスケニウムの原子量」の大統一バージョン
フクくんの体調悪化。

先々週辺り、愛猫のフクくんの調子が悪くなった。
彼はもともと便秘気味なのだけど、この時は排便がほとんどなくなり、旺盛だった食欲がどんどん細っていき、食べてもすぐに吐き戻してしまうような状況になってしまった。これは何らかの危険な状態に陥っているだろうと考え、何度か動物病院で診てもらうこととなった。
レントゲンや触診によれば、胃や腸内に食べ物がなく、特異な異常も見られないとのことだったけど、血液検査の結果、ある項目の数値が非常に高く、専門的な分析の結果、いわゆるネココロナと言われる病気であることが分かった。獣医の先生の話しによれば、いわゆる常在菌がストレスなどのきっかけにより、悪玉化して急性の腹膜炎を起こすこともあるという、ちょっとヤバい病気の可能性が高いとのことだった。数日の間、投薬を続け、改善が見られない場合は、本格的に治療を始めるとのことで、これは場合によっては長い闘病生活になるかもしれないと、ぼくもさきこも覚悟をしていた。
しかし、動物病院で注射した薬やエサに混ぜて食べさせた薬の効果が出たのか、数日後に実施した血液検査では、先の血液検査で異常値の出ていた項目の値が格段に下がる結果を得た。その他の項目も含め、健康状態を取り戻したようである。獣医の先生からも腹膜炎を発症する難病のおそれはなく、完全に治癒したとの言葉をいただいた。いや、予後の変化の恐れもあるので、医師が「完治した」と言うことはあまりないのだけどね。
現在のところ、フクくんの状態はこれまでの状態に戻ったように見える。食欲も旺盛だし、依然として便秘気味ではあるけど、以前のように排便をするようになった。さきこがいろいろ調べてくれて、フクくんの腸内環境を良くしようとエサに混ぜている乳酸菌の効果か、便の状態も良くなっている感じである。

 

とりあえず症状がおさまってくれて安心しているのだけど、そもそもどうして体調が悪化してしまったのだろうか?
獣医の先生によれば、「何らかのストレスが原因」になる場合があるとのことである。ストレスか・・・。
もともと兄的存在のコウくんからのプレッシャーにさらされることが多くて、例えばフクくんを単独で可愛がっていたりすると、嫉妬なのか、コウくんがニャーニャーと文句を言いたげな声を発しながら邪魔をしにきたり、食後にリラックスしているフクくんにコウくんが突然飛び掛かって激しくじゃれついたりということがあって、しかもそんなプレッシャーに対してフクくんは一貫して「受忍する」姿勢を貫いていて、こんな風に理不尽な嫉妬やじゃれつきに耐え続けていれば、そりゃストレスで心身に異常をきたすだろう。そんな中、ぼくとさきことお袋さんがこぞって旅行に行ってしまった。短期間ながらもネコの世話については、さきこの実家の支援をいただいたのだけど、いつもと異なる様子に、フクくんの中で溜まっていたストレスが体調不良として顕在化してしまったのかもしれない。そう思うにつけ、日常的なストレスにさらされるフクくんの健康は、ぼくやさきこ、お袋さんの存在によってギリギリのところで保たれているのかもしれない。
とは言え、ぼくやさきこやお袋さんがいなかったのは、ほんの2日である。いや、厳密には丸々2日ではなく、その日の朝早くに出かけ、翌日の夜に帰ってきたわけで、時間にして40時間にも満たない時間である。そんな時間もストレスに耐えられないとは、フクくんもかなり神経の細い気質である。短期間でも体調が悪化してしまうのだから、旅行に行くためにペットホテルに預けるとか難しいのかな。万が一の天災の際に、避難生活を余儀なくされたら、すぐに体調を悪くしそうである。もう少し図太い性格になって欲しいものである。
いや、寂しがり屋で甘えてくれるのは、飼い主としては大いに癒される存在なんだけどね。

| ネコネコライフ | 07:49 | comments(0) | -
夕暮れ時に起こった事件。

6月に入った。
日照時間がどんどん長くなっていて、今や19時頃まで空が明るい。帰宅する際に空が明るいと、やはりなんだか得したような気持ちになる。6月下旬に日没は19時を超え、その後徐々に短くなっていくのだけど、雨の多い梅雨の時期はもっとも長いその日照時間を体感することはあまりできなくて、梅雨入り前のこの時期に帰宅前の明るい空を見て、日が長くなったことを改めて感じ入ったりしている。
ところで、自宅にいるネコたちの晩ご飯は、主にお袋さんにお願いしているのだけど、時間としてはだいたい18時から19時頃である。ネコたちも正確な時刻を分かっているわけではないものの、18時を過ぎるとニャーニャーと鳴き始めるそうである。休日にぼくが自宅にいる時も同様である。時計が読めるわけでもないのに(いや、読める・・・のか?)、毎回同じ時間帯にご飯を欲しがるというのはスゴいなと思う。これは朝も同様である。ぼくもさきこも密かに「彼らは時計が読める」と思っている。
そしてお袋さんがネコたちに晩ご飯を与える最近の18時とか19時は、まだ空が明るい時間である。
この日、晩ご飯を食べ終わったネコたちは、庭に出して欲しいとお袋さんにせがんだ。晩というにはまだ明るかったので、お袋さんはネコたちを庭に開放した。これがその後に起こるドラマの始まりであった。

 

ドラマが始まるその予兆は少し前からあった。これにはぼくも気づいていた。
先週末の休日に庭に開放したコウくんは、どういうわけか庭の一か所にとどまり、その場を動こうとしなかったのだ。体調が悪いからではなく、どうやらそこにある何かを気にしている風だった。ネコは気になったものを凝視したりすることはあまりなく、対象に対して視線を向けず、あえて気のない振りを見せるものである。ぼくはコウくんの「あえて気のない素振りをする」仕草が少々気になっていた。この「気のない素振りを見せる何か」が今回のドラマの張本人だったのかは分からない。ドラマを引き起こした張本人とコウくんの邂逅は、前触れなど関係ないその時起こったただの偶然だったのかもしれない。
いずれにしても、コウくんは夕暮れ時の庭であるものを発見した。そしてそれを捕獲して、あろうことか部屋に持ち込んできたのだ。
それは、ヘビである。

 

この瞬間をぼくは見ていない。
帰宅中だったぼくは自宅に戻らず、その手前にある駐車場からクルマに乗って、帰宅するさきこを迎えに行っていたのだ。だから自宅にいたニンゲンはお袋さんだけであった。
コウくんによってヘビが自宅に持ち込まれたという報を、運転中にかかってきた電話でぼくは聞いた。
これはちょっとした事件である。
ぼくがすぐに帰宅できないのも問題を厄介にした。お袋さんの話しによれば、コウくんが持ち込んだヘビは、すったもんだがあってリビングから洗面室に入り込んだそうである。リビングと洗面室を仕切る引き戸の床面に隙間があって、ここから潜り込んだらしい。お袋さんはコウくんとヘビを隔絶するために引き戸を締めたそうだけど、これによってヘビが洗面室のどこに隠れたかまったく分からなくなってしまった。
とりあえず、ぼくはお袋さんに頼んで、洗面室の隙間に目張りをしてもらった。洗面室にいると思っていつの間にかリビングに隠れていたなんて展開はご免である。
お袋さんの話しによれば、ヘビの大きさは5、60センチ。これは、結構な大きさである。黒色の身体だったそうだから、おそらくアオダイショウの類だろうか。赤っぽければ毒のあるヤマカガシだし、色が薄ければ(それだけで断定できないけど)マムシだろうから、ヘビに咬まれて救急車・・・という事態はなさそうである。もしコウくんが咬まれていたとしても大丈夫だろう。それにしても5、60センチか、デカいな。かなりの大捕り物になりそうで、ぼくは少し緊張してきた。

 

帰宅して、いよいよヘビとの対決である。
お袋さんがしっかりと目張りを施してくれていたので、恐らく洗面室にいるのだろう。帰宅に時間を要してしまったので、その間に洗濯機の下とかに潜り込まれていたらちょっと厄介だな・・・などと思いつつ、キツく貼られた目張りの粘着テープを剝がしていく。
・・・ん?粘着テープの様子がおかしい。何かがくっついているようだ。
ヘビである。粘着テープにヘビがくっついていたのだ。
まだ生まれて間もない感じの幼いヘビである。身体が粘着テープに貼りついて、身動きができずにいた。
大捕り物になると思っていたヘビの捕獲作戦はあっさりと終了した。ヘビ、捕獲完了である。
よく見てみると、シマヘビである。身体が細く、頭も小さい。長さとしては30センチほどだろうか。まあ短くはないけど、ヘビの子供サイズではある。粘着テープに頭から尻尾までくっついてしまって身動きが取れず、舌をチロチロ出している様子は、ちょっと可哀そうだった。
ぼくはゆっくりと粘着テープから身体を剥がしてあげた。
このまま庭の外に放り投げても他人に迷惑がかかるだろうから、庭に逃がしてなるべく遠くに行ってもらうようホウキで追い立てた。ヘビはにょろにょろと地面を這って逃げていった。
こうしてヘビ捕獲・駆除作戦はあっさりと終結した。

 

ヘビが粘着テープに貼りついていたおかげで、大騒ぎになることなく、かなりあっさりと事件は終結した。
コウくんは別に悪びれる様子もなく、かと言って、おもちゃと取り上げられた子供のようにふてくされることもなく、普段と何ら変わることはなかった。
もしかしたら、ぼくやさきこがヘビを捕まえて対処したことで、彼の気はおさまったのかもしれない。つまり、それは彼がどうして自宅にヘビを持ち込んだのか、という疑問に対するヒントを与えてくれる。

 

ネコがヘビに限らず、ネズミや鳥、昆虫などを自宅に持ち込むことは珍しくない。
飼い主の前にネズミの死骸を置いて、すっと立ち去ったりする。これは、ネコを飼った経験がある人なら分かる話しだと思う。ぼくも以前飼っていたネコで、ネズミや鳥の死骸、昆虫などを持ってこられた経験がある。どこで見つけてきたのか、大型のカミキリムシを持ってきて、その脚の爪がネコの首輪の繊維にひっかかって、全然取れないなんてこともあったな。カミキリムシの顎の力はスゴいと聞いていたので、学生だった@ぼくはどうしてもカミキリムシに触れず、難儀したものである。
ネコがもたらす、いわゆる「お土産」はどういう行動原理なのだろうか。
いろんな学説があるそうで、いつもお世話になっている飼い主へのお礼だとか、狩りをしない飼い主に対して狩りのやり方を教えてくれているとか、単純に褒めて欲しいからという理由が考えられていて、ぼくは狩りをしないニンゲンに狩りの方法を教えてくれているという考え方が割と好きだった。映画「ジュラシック・パーク〜ロスト・ワールド」の最終版に、親のティラノサウルスが我が子に狩りの仕方を教えるために、ニンゲンの足を咬んで走れないようにしてから、子をけしかける描写があった。まさに肉食獣ではよく見られる光景である。ネコがニンゲンに対して「コイツ、全然狩りとか覚えようとしないなー。ボクが教えてあげるしかないかー」と思っていると思うとなんだか余計に愛おしくなる。
しかし、今回のヘビ持ち込み騒動は、そんな動機を裏付ける様子が見られなかった。あえて当てはめるとすれば、単純に褒めて欲しかったという説である。だから、ぼくはコウくんをいつも以上に褒めてあげることにした。よくやった、スゴい獲物を捕まえてきたなー。
彼はなんだか満足そうだった。特に庭に飛来してきた虫たちを捕まえるのが得意でない彼にとって、ヘビという大物を捕まえられたのは、とても大きな達成感、自己肯定感を得たハズである。これはちゃんと認めてあげないとと思ったわけである。
褒められたことが影響したのか、ヘビを排除した部屋の中で、持ち込んだハズのヘビを探そうとする素振りを見せていない。ヘビがいた庭に執着する素振りもない。やはり気が済んだのかな。

 

そんなわけで、ネコを取り巻く事件は無事終結した。
惜しむらくは、今回の事件に関する写真や動画を一切残していないことである。粘着テープにくっついたヘビを撮影するのは可哀そうとは言え、退屈なコウくんの生涯において、恐らく特筆すべき大事件のひとつになっただろうからね。彼がいつかその生涯を終える時に、ぼやけていく思考の中でふと今日のことを思い出すのかもね。

| ネコネコライフ | 14:42 | comments(0) | -
外界大冒険。

正月はどこかに出かけることもなく、自宅でネコと一緒にテレビで駅伝など観ながら過ごした。さきこは普段ネコたちと触れ合う時間が短いので、この機に長くネコと触れ合うことができて良かった。
コウくんはさきこの膝の上が好きなようで、リビングのソファに座ると、すかさず近寄ってきて膝の上に座らせろと要求してくる。膝の上でしゃがんだ姿勢でさきこに撫でられるのが彼の最近の癒しのようであり、同時にさきこの癒しでもある。
しかし、さきこの膝の上が好きだったのは、実はフクくんの方が先で、以前からさきこの膝の上で腰の辺りをトントンされるのを気に入っていた。それを後になってコウくんが奪ったわけである。ちなみに、ぼくの膝の上はいつも空席である。ネコたちによるさきこの膝の上の争奪戦が繰り広げられている中、ぼくはただそれを眺めるだけなのだ。

 

さて、今年の正月休みでは、ネコたちにちょっとした冒険があった。
自宅を出て、外の世界に連れ出してみたのである。普段は自宅の部屋や狭い庭だけが彼らの行動範囲だったけど、去年購入したクルマの中で過ごさせてみようという話しになったのである。
これには理由がある。今後、大災害が発生した際に、万が一自宅が住めない状態になれば、ぼくたちは避難所での生活を強いられることになる。その際にネコをどうするかが大きな問題である。たとえば避難所となっている学校の体育館にネコを連れ込むわけにはいかないし、かと言ってその辺に放置するわけにもいかない。そんな場合を想定して、去年クルマを購入したわけである。クルマが無事なら、ネコたちはその中に避難して生活することも可能かもしれないわけである。その辺も考慮して、荷室の広いクルマを購入したのだ。そうであれば、早いうちに、彼らをクルマに慣れさせる必要がある。車内で過ごすことが苦痛でなければ、災害時も安心だし、さらには彼らを連れてドライブとか行けちゃうかもしれないなんて期待もあった。
しかし、そんな期待は見事に打ち砕かれる。

 

ハーネスを装着するために彼らを追い回し、やっとのことでハーネスを装着、無理やり抱き上げて自宅玄関のドアを開ける。その瞬間からである。彼らは大きな声で鳴き始めたのだ。
今までも動物病院に連れていくのに、ケージに入れて自宅の外に連れ出したことはあって、その時も大きな声で鳴かれたものだけど、それは狭いケージに入れられた不安から来るのかと思っていた。しかし、彼らにとってそもそも外の世界自体が大きな不安だったのだ。マンションの廊下にネコたちの鳴く声が響き渡った。
それでも、駐車場までは行ってみることにした。駐車場は土が露出した砂利敷きのスペースなので、アスファルトやコンクリートよりは落ち着くかと思ったのだ。泣き叫ぶネコ2匹を抱いて、ぼくとさきこは駐車場に行き、彼らを地面に降ろしてみた。
2匹とも微塵も動かなかった。初めて見た外界の景色に大きな戸惑いと不安を抱えていた。フクくんはお腹が地面にくっつくほど姿勢を低くしていた。ネコが警戒する時の姿勢だけど、少し腰が低すぎるような気がした。もしかすると恐ろしさのあまり腰を抜かしてしまったかもしれない。フクくんはもともとビビり性で、ちょっとした環境の変化や大きな音に非常に敏感である。無理やり連れ出された外界に大きな不安を抱えるのは無理からぬことである。
一方で、コウくんはほどなくして行動を開始した。駐車場の敷地の隅にある植木の下へ隠れようとしたのである。彼はもともと野良ネコの子供だった。里親探しの身となったのは出生後どのくらい成長してからか分からないけど、長らく忘れていた野良ネコとしての行動を思い出したのかもしれない。
ネコたちの様子を見て、もはやこの時点で強く心が痛んだのだけど、せっかく連れ出したので、再び抱き上げてクルマに連れて行ってみた。車内のシートの上に降ろすと、コウくんは早速シートの下に潜り込もうと動き出した。身を隠す場所を探す行動は、一人で生き抜く上では大事である。もし災害などで家を追われても、とりあえずは身を隠して安全を確保することはできるだろう。とは言え、自力で食べ物を得たりすることはできないだろうけどね。
フクくんは降ろされたシートの上で身じろぎもしなかった。先ほどと同じように不安に陥って動けないようである。安心させようと彼の背中をさすっていて気が付いた。フクくんは震えていた。
生まれてすぐに動物病院に預けられ、保育器の中でぼくとさきこに出会ったフクくんには、自宅こそが世界のすべてだったのだ。庭のフェンスの向こうに世界が広がっているのは知っていたし、その世界を自由に動き回る野良ネコの存在も知っていたけど、身をもって体験するのは初めてである。強烈な恐怖、不安が彼に押し寄せているのだろう。そんな彼の心中を察するに、ぼくの心は強く痛み、これは早急に自宅に戻らなければということで、再び彼らを抱き上げて、急いで自宅に戻った。
自宅玄関のドアを開け、彼らを降ろすと、コウくんとフクくんはハーネスを着けたまま部屋の奥に駆け出して行った。不安にさせてしまってゴメン・・・。

※外に連れ出された2匹。不安で動けない。

 

そんなわけで、彼らには災難だったけど、ネコたちを外に連れ出してみたわけである。外界に対する彼らの反応がそれぞれ違っていたのが興味深い。フクくんはとにかく不安が大きくなる性質なので、彼の心の安寧を念頭に入れないといけないと思う。
ちなみに、外界から戻ってきた彼らは、こんな不安な思いをさせたぼくやさきこを恨む様子はほとんどなくて、自宅でしばらく距離を取るようにしたら、数時間後には「ねー、そろそろご飯ください」とすり寄ってきたりした。変なトラウマにならなくて良かったわ。
しかし、このまま外界に出さないままというのもどうかと思う。
災害の際には、否が応にも外界に投げ出されてしまうのだ。その時に避難できる見知った環境としてクルマが用意されていた方が、彼らの心の安寧に寄与できるというものである。外界やクルマに慣れさせることには、やはり意味があると思うのだ。
今後少しずつ慣れさせれば、彼らの不安は軽減するだろう。外界に連れ出された後に、ご褒美の「ちゅ〜る」などもらえると分かれば、慣れるのに時間はかからないかもしれない。
しかし、外界に慣れてしまうことによる新たなリスクもある。
今までは自宅玄関の外はオソロシイ世界であり、決して出てはいけないと認識していたものが、彼らの好奇心の対象になってしまうかもしれないのだ。そうなれば、うっかり玄関を開けた際にぱぱっと飛び出してしまうこともあるかもしれない。脱走したネコを探して夜な夜なネコの名を呼んで回るなんてこともあるかもしれない。

 

※数時間後には、元気になって、さきこにもてあそばれていた。

 

少し時間を置いてから、また外界散策に挑戦してみたいと思う。いつか不安もなく、クルマに乗られたらいいなと思う。まあそれまでは、ハーネスを手にしただけで、脱兎のごとく逃げ出したりとドタバタになるんだろうけどね。

| ネコネコライフ | 17:38 | comments(0) | -
在宅ネコネコライフ。

1月7日に緊急事態宣言が発出されて、当面2月7日までさまざまな自粛や抑制が続くわけだけど、さきこが勤める会社でも在宅勤務推奨ということで、1週間ごとに出社勤務と在宅勤務を入れ替える対応をしている。今週は在宅勤務の週なので、さきこは自宅で仕事をしている。彼女の部屋には勤務に使えるようなデスクも椅子もないので、もっぱらぼくの部屋を使って仕事をしている状況である。
思えば、ぼくが自室に椅子を購入したのは、もう20年近く前のことである。このブログのはるか昔の記事に記述があるかもしれないけど、某事務機器メーカーの営業さんにお願いして、ハーマンミュラー社のアーロンチェアを安く売っていただいたのである。さすがドイツのメーカーというべきか、これほどの年月を経ても堅牢というか、使用にいささかの支障も感じさせないのはスゴいことである。
さて、自宅にさきこがいると、いつもなら孤独にお留守番をするネコたちがなんとなくソワソワするそうな。いつもなら朝にぼくとさきこの二人で出勤してしまい、朝のバタバタから一転、強烈な静寂に包まれるという毎日を繰り返しているネコたちにとって、飼い主が自宅にいるというのは、何よりも安心感なんだろうと思う。
しかし、コウくんとフクくんでは、この安心感の表現がまったく違うようである。
ぼくの部屋に引きこもって集中して仕事に打ち込むさきこの気配を感じたコウくんは、構って欲しくて家の中をニャーニャー言って歩き回り、部屋のドアを開けてもらおうとさきこに呼びかけるのである。それでもさきこが答えないと、何とも悲痛な声を出すのだそうな。さきこ曰く、聞いている方が切なくなるような、魂の奥底から湧き出る悲痛な声だそうである。これに負けてドアを開けると「何してるのかにゃー?」などとデスクの上に乗ってきたり、マウスにじゃれついてデスクから落としたりと、傍若無人に行動し、結局部屋の外につまみ出されることになるわけである。
一方、フクくんの方ははるかに理性的な振舞いなんだそうな。
部屋に入れても、さきこが向かっているデスクには乗ってこず、部屋の片隅にちょこんと座っていたりするそうな。まるで仕事の邪魔をしないように注意しているみたいだそうな。彼にとっての安心感は、構ってほしいとかではなくて、ただそこにいて欲しいということなのかもしれない。
ちなみに、コウくんも傍若無人な態度が四六時中というわけではなく、時にシオらしくする時もある。ぼくが自室でデスクに向かって、絵なぞを描くのに物凄い集中を見せている時は、背後のイスのうえでじっと待っていたりする。コウくんの存在に気づいて、ぼくがふっと振り返ってくるのを待っているみたいで、そのイジラシさがなんとも愛らしいのだ。
いや、ホント、ネコとはどうしてこれほど愛らしい生き物なのだろうか。

 

来週からさきこが出社勤務の週になる。日中はお袋さんが相手してくれるとは言え、朝の自宅を出た後の静寂さが彼らを苛むかと思うと、なんだかイタタまれなくなるものである。ぼくも在宅で仕事ができるように、いろいろ考えてみようかな。自宅にネコがいたら、ぼくが彼らの相手をしたくなって仕事どころではなくなりそうだけどね。

※温熱マットの上でくつろいでいるところを写真に撮ってみた。

| ネコネコライフ | 12:13 | comments(0) | -
寒い冬の到来。

先週の三連休は、既に書いたとおり、サックス演奏会に向けて練習をした。延期が決まっても、中止ではない限りいつかは練習が始まるわけで、その日のために練習を継続することにしたわけである。
そんな中、日本列島は広く寒気に覆われ、日本海側では豪雪、一部では集落が孤立したり、道路で何十時間も立ち往生するなんて事態が発生している。確かに寒い。ここ数年の中では、今年は一段と寒い冬である。

 

一方で我が家のネコたちは、家のどこか暖かいのかを熟知しているようで、暖かい場所をみつけて、ぬくぬく寝転んだりしている。以前ぼくがひざ掛けとして使用していた電熱マットがリビングのソファの上に敷いてあるのだけど、コウくんは決まってそのうえで寝るようになった。ほとんど一日中、そのマットの上で過ごす。
フクくんは、暖かいところを探して転々としているが、最近はリビングのソファ上に畳んで置いてある防寒用の肩掛けの上に寝ていたりする。こちらは電気のチカラであったかくなったりはしないけど、それなりにぬくぬくしているようである。それでもどうしても寒くなると、コウくんの寝ている電熱マットの上におずおずと進出したりする。

 

あまりにも寒いと、ぼくもさきこも耐えられないので、ファンヒーターをつけて部屋を暖めようとするのだけど、そうすると、コウくんが電熱マットからむくっと起き出して、ファンヒーターの前に座るのだ。
ファンヒーターの吹き出し口の近くに座ると、やけどの恐れがあるので、ファンヒーターをつけると常にコウくんの動向を監視していないといけない。吹き出し口から少し距離をとったところに座って欲しいのだけど、ネコには分からないんだよね。
だから先日、ファンヒーターの前にガムテープで○×を描いてみた。吹き出し口から距離をとった○のエリアに座って欲しい。ネコはその習性から床に描いた小さな○印に座る傾向があるそうで、ネットなんかでも床に描いた○印に座るネコの写真を見かけることがあって、一部では「ネコ転送装置」なんて言われたりするそうな。うちのネコたちも、丸い形をしたものを好む傾向があるので、我が家に現われた床の○印にも座るかなーとか思ったのだけど、布ガムテープで作ったこれを○印とは理解していないようで、匂いを嗅いで警戒して距離をとるようになった。おかげで吹き出し口近くに座らなくなったので、結果オーライなんだけどね。コウくんに丸と認識してもらうには、六角形じゃダメなのかな。または床面とガムテープの色が似ているのがいけないのかな。

※「なんだ?これ?」な顔のコウくん。

 

またフクくんは、これは寒い時期だからなのか、また別に理由があるのか分からないのだけど、お風呂が好きである。
ぼくやさきこが浴室でシャワーを浴びていると、その前に座り、扉が開くのを待っている。風呂から出ようと扉を開けると、そそくさと入ってきて、床やバスタブにたまったお湯をペロペロ舐めるのだ。
これもネットの情報だけど、お風呂を好むネコというのもいて、あまりにも好き過ぎて、お湯に浸かったりするネコもいるそうな。
コウくんが浴室に入ってくることは稀だけど、フクくんは毎日のように浴室に入ってくるので、もしかしたらお風呂好きのネコなのかもしれない。
そう思って、ある日お風呂にお湯を入れて浸かっていた際に、浴室の扉の前にフクくんが現われたので、招き入れてみたところ、バスタブにたまったお湯に興味を示し、バスタブの縁にぴょんと飛び乗ってペロペロと舐めだしたのだ。
さすがにお湯に浸かることはなかったけど、暖かいお湯がたくさんある場所だとは認識したようである。あまりにも可愛くて写真を撮ってしまったわ。

  

※浴室で普段とは異なる暖かいお湯の世界を堪能しているフクくん。

(リラックスしてるなー)

 

ちなみに、コウくんも以前は浴室に入ってきて、溜まったお湯に興味を示したことがあったそうである。しかし、おっちょこちょいなコウくんは、バスタブの縁を歩いている時に足を踏み外して、お湯の中に足を深く突っ込んでしまい、驚いて浴室を飛び出していき、家の中を逃げ惑ったという経験がある。濡れたネコが部屋中を駆け回ると後始末が大変である。これはさきこが浴槽に浸かっていた時の話しだけど、ともかくそういう強烈な記憶でトラウマになったのか、コウくんがお湯と戯れる光景を見たことはない。

 

そんなわけで、寒い日が続く。
電熱マットに寝ていたり、お風呂に入ってきたり、ニンゲンが睡眠中は布団の中に入ってきたりと、ネコはネコなりに暖かくなる方法を日々模索しているわけである。きっとこんな日が3月初めくらいまでは続くんだろうな。
ちょっと幸せな感じ。ネコを飼っている者としては、冬もなかなかいい季節である。

| ネコネコライフ | 13:56 | comments(0) | -
近況。

ネコのコウくんとフクくんの調子が最近おかしい。
もともとコウくんはお腹の調子が良くないネコで、なかなか好転しないのだけど、最近はとみに痩せてきている感じがして、心配だった。
またフクくんの方は、ずっと元気だったのだけど、ここのところ軟便が多くなっていて、これも胃腸の調子が悪いように思われた。彼は飼い主に似て、非常に大きく肥えてしまったので、少し痩せた方がいいのだけど、体調がすぐれないのはやはり可哀想だから、週末は2匹とも病院に連れていくことにした。

2匹同時に動物病院に行くのは、たぶん初めてである。
コウくんは手をハチに刺されて大きく膨らんじゃった事件以来の病院だし、フクくんは皮膚の一部に異常が生じた時以来の病院である。
どちらのネコも、病院に行くと分かると物凄く抵抗するし、大きな声で鳴く。身体が大きい分、フクくんの声はとても大きく、誰かに何かを訴えているような大きな鳴き声は、もしかすると「誰か助けてください〜!この人に誘拐されます〜!」などと訴えているのかもしれない。
しかし、今回は2匹同時に病院に行くので、少しは安心なのか、鳴き声はそれほど大きくはなかった。いやもちろん鳴いたけどね。

 

動物病院では、便を採取して顕微鏡で確認したところ、身体にはあまりよくないバクテリアが比較的多くいたりするそうで、とりあえず抗生物質でやっつけてみることになった。処方された抗生物質はあまり身体にはよくないのだけど、用法を守って適切に投与し、長く時間を空けずに使い切れば、きっと効果は高いだろうと思う。
問題は、この抗生物質が粉薬ではなく、錠剤であることである。
しかも小さな錠剤ではなく、ちょっと大きめの錠剤である。ニンゲンにとってはふつうサイズの錠剤でも、ネコにとっては巨大な異物である。
これを飲ませるのが大変である。

 

いや、実はぼくには初体験なのである。過去に飼っていたネコにも錠剤を処方されたことはあるけど、全部お袋さんがやっていたんだよね。ネコを力ずくで押さえつけるなんて、今も昔もぼくには抵抗感があるのだ。
しかしやらねばならない。動物病院でいろいろ教えてもらって、帰宅後に実行してみた。

 

いや、大変な騒ぎだった。ネコたちにとっては、ぼくに執拗に追いかけること自体初めてだし、ましてや力ずくで押さえつけられて、口を開けさせられるとは思ってなかっただろう。コウくんの抵抗はかなり激しかった。
おかげで、ぼくの右手は傷だらけになってしまった。すぐに止血消毒したけど、これほど酷く手に切り傷を負ったのはかなり久し振りである。
ちなみにフクくんも抵抗したんだけど、彼はエサである固形飼料(通称「カリカリ」)を噛まずに飲み込んでしまうくせがあって、それはそれで良くないのだけど、今回だけはカリカリを飲み込む容量で大きな錠剤もごくんと飲んでくれた。うん、いい子。

 

そんなわけで、これから毎日のようにネコとの格闘があるわけである。ネコに嫌われるようなことをすすんでやらないといけないというのは気が重いものである。気が重すぎて、今朝は夢にまで見てしまったよ。ホント、憂鬱なことである。
しかし、今朝のネコたちは、意外にもすんなりクスリを飲み込んでくれた。抵抗はあったものの、昨日の経験で何をされるか分かったのだろう。出勤前の忙しい時間帯だったので助かった。明日もこんな感じでお願いしたい。しかし、彼らは完全にぼくの行動を警戒するようになってしまった。ぼくがどういう行動をとるのかを見張っているかのようである。強制的にクスリを飲まされたコウくんは、それでもぼくの膝に乗ってゴロゴロ言ってくれたけど、なんだか全面的に信頼されているわけではなさそうなのが、なんだか残念なのである。

 

※「もうコイツのことは信用しないにゃー」という二人。

| ネコネコライフ | 12:43 | comments(0) | -
受難続く。

フクくんの続報である。
首筋にできた傷が化膿してしまい、動物病院で処置してもらったおかげでかなりいい感じで治りかけていた。これが前回までのおさらい。
このまま跡形もなく完治するだろうと勝手に考えたぼくは、不自由そうにしていたエリザベスカラーを外してしまったのだ。これがいけなかったみたいで、治りかけの傷が痒くなっているのをどうしても我慢できないフクくんは、後ろ足で後頭部をカリカリカリカリしちゃったものだから、今度は引っかき傷が広がる状況になってしまったのである。幸い、化膿は再発していないので、この傷をどうにか早く治してあげたいと思い、先週末に動物病院に行くことにした。
獣医の先生によると、化膿していた時に飲んでいた薬をもう一度処方しようとのことだった。この薬には痒み止めも配合されているそうなので、まさに治りかけの傷には効果的な薬なんだそうな。おお、それは助かるわ。早速フクくんに飲ませてみよう。
とは言え、これで痒みが完全に収まるわけではないと思う。実際この週末に、フクくんがカリカリカリカリやってる姿を見かけることもあった。しかし、その頻度は減ってきているようにも思う。ぜひ、このまま完治して欲しいと思う。
それにしても、フクくんが痒みに耐え兼ねて、後ろ足を後頭部に回し、おずおずとカリカリする姿は可哀想である。しかもそれを見つけたぼくは「コラ」とか「ダメ」とか言って、カリカリをやめさせないといけないのだ。フクくんもカリカリがダメなことなのは理解したようで、だからこそ掻く時はおずおずと周囲を伺うような感じになるのだ。その姿はホントに不憫である。傷口に擦り込める痒み止めとかあればいいのにね。
動物病院には来週もまた連れていく予定である。ここで痒み止めのことも話してみよう。いや、その頃までに、前週と比べて明らかに分かるくらいの回復が見られたらいいのだけどね。

| ネコネコライフ | 12:23 | comments(0) | -
フクくん、受難。

去年の年末・・・と言っても2週間ほど前の話しだけど、愛猫のフクくんの後頭部の後ろ、首の付け根辺りに小さな傷ができているのに気付いた。虫刺されのようでもあり、何かの外傷のようでもある。この傷口が次第に大きくなっていき、数日後には化膿なんかも現れたので、正月早々に動物病院に行くことにした。
何らかの傷が化膿し始めちゃってたみたいで、傷薬を塗布してもらい、化膿を進行させない抗生物質の飲み薬をいただいた。

 

傷は治り始めると痒くなるので、うっかり掻いちゃわないように、いわゆるエリザベスカラーを装着することにした。カラーが傷を覆っているので、痒くて足をカリカリとしても、傷口が保護されるけど、痒くても全然スッキリしないので、フクくんはかなりストレスになったと思う。「傷を治すために我慢するのだ」とフクくんに言い聞かせ、1週間ほどカラーをつけていた。
傷の場所がかなり微妙で、カラーを装着すると、首にぐるっと回っているカラーの縁が傷に当たってしまうのだ。なるべく触れないように、たまにカラーの位置を変えたりしていた。

 

先週、傷がふさがって化膿状態もかなり良化したので、カラーを外すことにしたんだけど、リミッターが解除されたフクくんは、欲求のままに首の後ろをカリカリカリカリカリカリカリ・・・と掻き出したのだ。
そのせいで傷口辺りに再び赤いキズができてしまった。このままだと治りかけた部分も治らないと思い、再びエリザベスカラーを装着したのである。
傷の位置が後頭部という、舐められない場所というのも不運だった。通常なら治り切っていない状態でカラーを外しても、舐めていれば治る場合も多いし、そもそも舐められる場所だったら傷が化膿するということもなかっただろう。残念な位置に傷ができちゃったものである。

 

それにしても、エリザベスカラーを装着される受難を前にしても大人しく耐えているフクくんの姿を見ると、だんだん居たたまれなくなってくる。本人はそれほど気にしていないのかもしれないけど、隙間を通ろうとしてカラーが当たって後ずさったりする姿には、やはり悲哀を禁じ得ない。
そもそも痒いというのは、感覚としてはかなり特殊な類のものだと聞いたことがある。動物は痛いとか熱いなどの感覚によって、危険を回避している。これらの感覚があることで、生存確率を高めているわけである。しかし、痒いという感覚がどういう風に生存確率に寄与しているのか。しかも、熱いも痛いも、そう感じる原因が明らかであり、だいたいの場合はその原因を排除するかその影響から逃れることができれば、感覚は消失するものである。しかし、痒いのは原因が分かりにくいし、この感覚を除去する方法は唯一、自らの皮膚を引っ掻くという自傷行為だけなのだ。痒いとは不思議な感覚である。
しかも、これは本の斜め読みなので、正確な表現ではないかもだけど、掻く行為は脳神経の「報酬系」に関係しているそうで、つまり掻くことで脳みそが快楽を得るようにできているのである。痛いも暑いもこれから逃れた際に快感を得たりしない。「痒い⇒掻く⇒快感」というヘンテコな神経構造は、やはり特殊なのだ。ちなみに、ヘンテコな神経構造だからこそ、痒いのに掻けないという状況は、痛いのに痛みが引かないというのとも大きく異なることになる。掻けないのは強い欲求不満状態を引き起こすのだ。これがストレスになったりするのである。
ぼくは、今も皮膚科に通っていて、一時期のような激しい蕁麻疹はなくなったけど、夜になると皮膚の一部が赤くなり、猛烈に痒くなったりすることがある。原因を医者に聞くと「ストレス、寝不足。どっちだと思う?」なんて逆に聞かれちゃったりして、ただでさえ痒みから来る欲求不満でストレス状態なのに、こんなふざけた問答をされた日にゃ、欲求不満のあまり「どっちもじゃー!」と雄叫びをあげなから身体が巨大化してしまうわ。
そんなわけで、同じ痒みと戦う同志として、フクくんの気持ちは痛いほど、いや痒いほどよく分かるわけである。

 

そんなわけで、悲哀に耐えられなくなったぼくは、昨夜思わずエリザベスカラーを外してしまった。まあここ数日で傷口もふさがってるしな。「次にカリカリやったら、またエリザベスカラーだぞ」と言い聞かせたら、「にゃ?」とか言うので、きっと分かってくれただろう。
彼の傷が早く治ってくれることを願ってやまないとともに、そもそもこの傷はどうしてできたのだろうと考えざるを得ない。痒みに耐える同志として、ぼくとフクくんがシンパシーを通じ合わせている後ろを、ちょっとでも欲求不満があるとフクくんに背後から襲い掛かり、時に首筋や背中に噛みつくことがあるもう一匹のネコ・コウくんが、しれーっと通り過ぎるのだった。

 

ちなみに、写真はエリザベスカラーではなく、同じ役割をするネコ専用の保護カラーである。アクリル製のカラーよりもふんわりしていてカワイイので、悲哀さが軽減するかなと思ったけど、こんな大きなものを装着されて、それでも平然と振る舞っている姿は、やはり悲哀を誘うものである。

 

※カワイイけど、カワイそう。

※でも日向ぼっこは好き。

| ネコネコライフ | 12:47 | comments(0) | -
ハチ、再び。

土曜日の朝のことである。ぼくは早くに起きて、午前中はサックスの練習に行こうと準備をすすめていた。
こういう時は決まって、ネコたちが察知して、ぼくの外出を阻止しようとする。平日の朝に出勤しようと自宅を出る時もそうだけど、妙にまとわりついてきたり、文字通り猫なで声で鳴いたりする。「ねーねー、出かけないで家にいなよー」と言っているかのようである。いつもならこれを振り切って、玄関のドアを開けて出てきてしまうのだけど、今回はちょっと違った。庭に面した窓の近くでニャーニャー鳴くのだ。どうやら庭に出して欲しいようだった。
まあ、強い日差しが差す午後よりは、日陰になっている午前のうちに外で遊ばせた方がいいかもね。ぼくはそう思って、窓を開け、ネコたちを外に出した。熱い空気がむわっと室内に流れ込んでくる。この日も暑くなるだろうなーと思いつつ、ネコたちの挙動に注意する。特にフクは目を離した隙に隣家に脱走しようとしたりするので、要注意である。
しかし、フクはその黒い毛並のせいで真夏の熱射には非常に弱く、すぐに日陰に逃げ込んでぐでーっと伸びてしまった。この暑さの下では、さすがのフクも脱走する気にはなるまい。一方でコウくんは、日陰に身を隠しつつ、飛んでくるチョウを目で追っている。彼はどういうわけか、飛んでいる虫に強い興味があり、捕まえては匂いを嗅いだり、ちょっとかじってみたり、弱らせたところでわざと放してみたりと、ニンゲンの視点で見るとちょっと残酷な感じで、虫とじゃれたりする。基本的に、フクと比較して俊敏さにおいては見劣りするコウくんなので、彼につかまって残酷な戯れの生贄にされるのはまあ、ちょっと稀なことなんだけどね。
そんなネコたちをぼくは庭で見守っていた。サックス練習の時間が少なくなるけど、10分程度ならネコのために割いてもいいかなという軽い気持ちだった。

 

しかし、ここから事態は急転する。
庭に1匹のハチが迷い込んできたのだ。小さなハチである。庭の鉢植えの間を飛び回り、蜜を集めようとしているようだった。
これにコウくんが反応した。久し振りに迷い込んできた虫である。一気に気持ちが高まり、これを捕まえてやろうという気概が全身から溢れていた。彼はやる気だった。
鉢植えの間を飛び回り、時折滞空するハチの背後に忍び寄り、パッと飛びつく。両手で挟むようにしてハチを捕まえようとするのだ。しかし、ハチは寸でのところで逃れ、また隣の鉢植えの花の周りを滞空するのだ。ハチは俊敏な虫なので、おそらくコウくんに捕まることはないだろう。きっとそのうちこの庭から飛び去っていくに違いない・・・とそう思った矢先である。
「ぎゃっ!」
コウくんの叫びが聞こえた。

 

マズい!ハチに刺された!
ぼくはとっさにそう思った。コウくんはその場から逃げるようにして素早く室内に駆け込み、しきりに右手の肉球を舐めていた。彼がハチに刺されたのは、ぼくの知る限り2回目である。これは場合によっては、アナフィラキシーショックが起こるかもしれない。急いで動物病院に電話したところ、とりあえず連れてこいということだったので、急いでカーシェアを手配して、クルマを取りに行った。
狭いゲージに詰め込まれたコウくんは、いきなりの展開に動揺してニャーニャー鳴いていたけど、見たところショック症状のような感じはなかった。息遣いや目の動きから見て、まずは大丈夫のようである。
動物病院に連れていき、診察台の上に乗せると、コウくんの右手が大きく腫れあがっているのが分かった。去年も同じように右手がハチに刺され、大きく腫れちゃったことがあったけど、まさか同じ目に遭うとはね。彼も災難である・・・ってか、ハチが危険であることをそろそろ覚えてくれよ。
獣医さんは肉球周辺の腫れを確認しつつ、毛を抜きながらハチの針を取ってくれ、注射で薬を投与してくれた。ハチに刺されてから20分くらいは経っているハズなので、まずは安心だろう。いや、肝を冷やしたよ。

 

それにしても、ハチってオソロシいわ。ネコに狙われていることをちゃんと認識して、攻撃してくるんだからね。そういえばその後、ハチがどうなったか分からないけど、自宅に帰ったコウくんは、またしきりに庭に出たがり、夕方になってやっと出してもらったところ、ハチに刺された場所を入念に確認していた。「ぼくをチクッとやったヤツを探し出すにゃ!」と言ってるようだった。でも、コウくんが無事でよかったわ。

 

そんなわけで、たっぷりサックス練習ができると思っていたのに、予期せぬ展開に翻弄され、1時間半ほどを費やしてしまった。でも、サックス練習には行ったけどね。
なかなかハードな休日の始まりとなったわけである。

 

※動物病院で診察台の上に乗せられたコウくん。右手が腫れている。

※ドタバタな日を終えて、眠りこけるコウくん。口が開いてるよ。

| ネコネコライフ | 13:43 | comments(0) | trackbacks(0)
未知との遭遇〜春。

春になるといろんな生き物が動き出す。木立の中から聞こえる鳥の声は、春特有というか普段はほとんど聞かないような、まるで何かと喋ってるかのような複雑な鳴き声で、気だるい朝にちょっといい気分になったりする。
動き出すのは、鳥だけではない。
先日、自宅マンションの廊下で、ちょっと大きめのトノサマバッタを見つけた。どこかからか迷い込んだのだろうけど、食べ物のないマンションの廊下では、そのうち飢えてしまうだろうし、清掃の人に見つかれば駆除されてしまうかもしれない。ぼくは子供の頃とは違い、どういうわけか虫に対する耐性が弱くなってて、どうにも苦手なんだけど(昔はフナムシでさえ素手で捕まえたりしたものだが)、この時はなぜか助けてあげようという気持ちが芽生えて、自宅にあった小さな空き箱に恐る恐る誘い込んで自宅に戻り(その前に逃げようとしたバッタが飛び上がってぼくのシャツの袖口にとまり、「ひー!」と思いつつも意を決してこれを素手で捕まえて箱に収納するという修羅場的捕獲劇があったが)、庭に逃がしてやった。
ちょっといいことをしたかな。後日「あの時助けていただいたバッタです」とか言って100億円くらい持ってきてくれないかな。バッタを庭に逃がす時に、ぼくと一緒にネコも庭に出たので、彼らがバッタを見つけておもちゃにしちゃったら、ぼくはバッタを助けたのか、ネコの遊び道具として無残にも生贄に供しちゃったのか分からないけどね。

 

さて、先日ぼくとさきこがキャンプに出かけている時、こんなことがあった。
自宅でネコの世話をしてくれているお袋さんからメッセージが入ったのだ。
「大蛇が出タ!」
文字メッセージに続いて送られてきた写真を見ると、庭の植え込みに鉄色のヘビが写っていた。写真の端にはネコたちの姿も写っていて、初めて出会ったヘビという存在に興味津々な様子がうかがえた。
うちのネコたちがヘビに初めて出遭ったのだ。この反応はぜひ現場で見たかったわ。
哺乳類には、ヘビという「手も足もないにょろっと細長い生物」を嫌悪し忌避する生来の習性が備わっているなんて話しもあるけど、実際どうなのかネコたちの反応が気になった。
写真を見る限りでは、ヘビはアオダイショウのようである。毒はないので、放っておいても問題ないし、ネコがちょっかい出してヘビの反撃を食らっても問題あるまい。逆にヘビがどんな反撃をするのかも見てみたかったわ。
お袋さんの話しによると、ヘビはしばらくじっとして動かなかったそうで、それにネコたちが飽きてしまった隙にどこかにいなくなってしまったそうである。「ヘビに睨まれたカエル」ならぬ「ネコに睨まれたヘビ」って感じで、動けなくなっちゃったのかな。
ヘビはどこから来たのだろう。また大きく成長したら、戻ってきてほしいな。

 

春はさまざまな生き物が自宅の庭にやってくる。花が咲けばチョウチョやミツバチもやってきたりする。そういえば、ミツバチにちょっかいを出したコウくんが刺されちゃったなんて事件もあったな。
ネコたちには庭遊びが楽しくなる時期になり、フクくんがそのまま脱走したりしないか監視を強化しないといけないのだけど、それでもネコたちがいろんな生き物に出遭ったりするのは、なんだか楽しいものである。

※こんな感じのヘビが出た。まだオトナになってない感じかな。

※ヘビと興味津々のネコ。

※コウくんとフクくんで見てる。

| ネコネコライフ | 12:05 | comments(0) | trackbacks(0)
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