「シュンスケニウムの原子量」の大統一バージョン
今年のチャレンジサイクリング。

4月も半ばに入り、暖かい日というよりは暑い日すらあったりする今日この頃、そろそろ今年のチャレンジサイクリングについて考えないといけない時期である。とは言え、最近はなかなかサイクリングに行けていない。毎週のように出かけていた以前と比べて月に1回乗るか乗らないかみたいな状況である。それでいっぱしのサイクリストを気取ってチャレンジサイクリングなんて言うのは、ちょっとオコガましい感じがするだけど、パソコンでネットの地図を見てサイクリングコースを考えたりして、気持ちはいつでもサイクリストである。まるで部屋に飾られたサーフボードを眺めながら、波乗りを夢想するサーファーみたいである。いや、サーフィンやったことないけどね。

 

少し脱線するけど、自宅のパソコンで日本中の地図を見ることができるというのは、思えばスゴいことである。ぼくが社会人になりたての20年くらい前には、会社にパソコン自体があまりなかったこともあるけど、それでも一人1台のパソコンが割り当てられた後でさえ、ネットで地図を見るなんてことはできなかった。当時は地図会社がデジタル化を始めていて、地図情報をCDに収めた地図ソフトがあったくらいである。ぼくの仕事ではこの地図ソフトを使った仕事はなかったのだけど、同僚の人がこれで通勤費の計算なんかをやっていた。ふと同僚の席の後ろを通った時に、パソコンの画面にに会社界隈の地図が表示されているのを見て、驚いたものである。それまで会社の書棚には、紙の地図が地域ごとに取り揃えてあったけど、今や手元のマウスを操作することで、地図を拡大縮小が自在にできる、そんな時代なんだーと感心したものである。そしてその後、グーグルマップの登場で、誰もがネットで簡単に地図を見ることができるようになったわけである。やはり時代は移ろっていくものだなー。
ぼくが社会人なりたての頃は、当然ながら高度成長期は終わっていて、いやそれどころかバブルが弾けて、経済が大きく後退した時代で、ウワサに聞く高度成長期のように生活の水準がみるみる変わっていくなんてことはなく、これから先もきっと同じような生活が続いていくんだろうなーと思ったものだけど、失われた20年なんて言われててもそれなりに進歩はしているのだなーと感じ入ってしまう。
そんなわけで、ぼくは自宅のパソコンで自由に地図を見ることができ、サイクリングコースをいろいろ検討することができるわけである。日本地図全体を表示して、その中からまだ走ったことのない場所を探して(いや、探すというよりほとんど走ったことのない場所だけど)、目星をつけた地域に向けてマウスホイールをグリグリ回してどんどん拡大していく。
さらにグーグルマップのストリートビューを使えば、パソコンの画面に路上の景色が360度で見渡せる。マウスをドラッグしながら景色を見たり、クリックして道の先を進んでいったりと視点は自由自在である。最近のストリートビューは、車道だけじゃなく歩道、特に有名な神社仏閣の境内とか遊歩道なんかも網羅している。川下りが観光名所になっている川には、川下りの舟からの景色なんかも見れたりするので、もう居ながらにして観光気分が味わえるわけである。

 

さて、ネット地図の話しはともかく、サイクリングのコースを決めないと。
チャレンジサイクリングは、今まで東京・京都の東海道、野辺山から軽井沢、八丈島周回、北海道オホーツク、東京湾一周、知床半島、伊豆半島一周と続いてきた。年に一回くらいは、本気で自分自身に向き合う機会を持ちたいというわけで、今年で8回目になる。
まだ行ったことのない場所はどこだろう。

 

いくつか候補があって、北海道にもう一度行ってみようとか。次は四国を走ってみようかとか、いやいやずっとやりたいと思っていた中山道を走ってみようか、はたまた名古屋から郡上八幡を経て北陸まで北上してみようとか、いろいろ考えている。その中で、現段階でもっとも魅力を感じているのが、紀伊半島である。ぼくにとっては完全な未踏の地である。紀伊半島の南側に南紀白浜空港があり、ここを発して紀伊半島を横断する形で反対側に出て、ここから海岸線を通って時計回りで再び南紀白浜空港に戻ってくるコースである。紀伊半島南部の横断でおよそ100キロ、翌日に紀伊半島の先端、本州最南端までおよそ100キロ、そしてそこから再び南紀白浜空港に70キロほど走って戻ってくるわけである。まあ2泊3日のサイクリングにはちょうどいい感じかな。
しかも見どころも多い。南紀地方には、熊野神社があるし、本州最南端もある。文明開化の時代に紀伊半島の沖で遭難したトルコの船・エルトゥールル号の乗組員を救助した話しが有名である。また近年、海外の動物愛護団体から批判に晒されているイルカの追い込み漁で有名な太地町も通る。そして南紀特有の風光明媚な海岸線。なかなか楽しいサイクリングができそうである。
ただこのコースにもいくつか懸念がある。初日のコースは100キロの比較的長い距離であり、また紀伊半島を横断するので、それなりの山を上ることになる。途中にいくつか集落があるものの、気軽に利用できるコンビニなどない地域である。バスは走ってるだろうけど、電車は走っていない。何かトラブルがあっても、自力で何とかしないといけないのである。2日目、3日目は紀勢本線の沿線を走るので、多少気が楽ではある。
現地に向かうための交通費、つまり航空チケット代が高いのも考えものである。前回の伊豆半島一周や東京湾周回などでは、交通費はかなり安価で済んだことを思うと、航空チケットだけで数万が吹っ飛んでしまうのは困ったものである。
さらに南紀白浜空港には、ANAが就航しておらず、J〇Lしか就航していない。この会社で自転車を運搬するには甚だ不安がある。以前、福岡出張にカコつけて自転車を持っていったその帰り、羽田空港の預け荷物の引き渡しの際に、あろうことか自転車をターンテーブルに載せてきたのである。ANAであれば、どこの空港でも係員の方が手で運んできてくれるので、この扱いには驚愕したものである。経営破たんから頑張って再生を図るこの航空会社をぼくは応援していたのだけど、その気持ちはこの件で一発で完全に冷めてしまった。飛行機を利用するなら、どこに行くにもANAを使うことを固く誓った瞬間であり、航空会社の利用客ってこういう些細なことで気持ちが離れるものなんだなー、その積み重ねが経営を悪化させる遠因になるんだろうなーと思ったものである。
J〇Lしか就航していないからと言ってチャレンジサイクリングを諦めるのも本末転倒である。とは言え懸念ではあるので、この機会によりクッション性の高い輪行バッグを購入することになるだろうな。

 

こうして懸念をひとつひとつ解消していくことで、計画がどんどん具体化していくわけである。チャレンジサイクリングの何が楽しいって、そりゃもちろんサイクリングしている時が一番楽しいのだけど、それに劣らず、こうしてどこに行こうかいろいろ考えたり、懸念を検証してどう対応しようかを考えている時もスゴく楽しいのである。
あとは天候かな。晴れるタイミングを狙いつつ、雨の神様、龍神様にお願いしないとな。

| 自転車日記 | 11:05 | comments(0) | trackbacks(0)
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