「シュンスケニウムの原子量」の大統一バージョン
オドロキ・パイレーツ
「パイレーツ・オブ・カリビアン3」を観ました。
まだ観ていない人はココから先は読まない方がいいです。

・・・と言っても、う〜ん、面白かったことは面白かったけど、どうかな、なんかエンタテイメントとしての面白さというよりも、「観ないとストーリーが完結しないから観た」的な感覚に近いのかな。前回、ジャック・スパロウが巨大イカに飲み込まれるシーンで終了しちゃったから、その続きは絶対なくちゃ納得できなかったし、死んだハズのジャックがどうして生き返るのかって納得できる説明が欲しかったわけで、まあ何とか納得できる説明が与えられた段階で、しゅんすけがこの映画を観る意味の半分くらいは満たされたわけなんだよね。

確かにプロットは練られている感じはするけど、やはり小道具が多すぎだと思う。大事なのは、心臓の入った箱なのか、何かを蘇らせる何かなのか。
誰の目的が優先されているのかもイマイチ分かりにくかったかも。いや、何回か観れば分かるんだろうケド、エリザベスの目的は何なの?と思う場面があったな。

たぶん、こういう感想を持つ人が多いことを想定していたのか、劇場に入る前に小さな紙を渡された。「もう一度観たくなる謎解き云々」と書かれていたから、表題のとおり、もう一度観たくなるためのツールなのかもしれないけど、これが観終わった後の「???」に対して理解を促すヒントを提供したかったんだろうなとも思った。大人が観て???なんだから、子供が観てもよく分からないんじゃないかな。単純にどたばたを楽しみたい子供としては、「結局大人の世界って分からない」で終わっちゃうような気がする。

それでも、1作目と2作目との関連性というか、無理なくうまく繋いだと思う。
某「スター○ォー○エピソード3」と比べるとコジツケ感は少なかった。逆にこの映画と比較するとドキドキ感も少なかったけどね。
なんつーかな、マンガでドラ○ン○ールってあるじゃない。主人公がどんどん強くなっていく話しなんだけど、強くなりすぎるとそのうち戦う相手がいなくなっちゃって、もう地球レベルを超えて、宇宙レベルとか魔界レベルとかとんでもないトコロから敵役を引っ張ってこなきゃいけなくて、しかもその敵もやっつけちゃうから、展開として宇宙で一番強いヤツになっていくわけよね。これって、単独のエピソードとしてはとても面白いんだけど、ふっと身を引いて俯瞰すると、なんかツマラナイんだよね。世界がどんどん小さくなっていって、ロマンが失われるというか。
今回の作品でも、カリブ海の海賊って話しが、フィリピンの海賊が出てきたり、中国風(日本風?)な海賊が出てきたりしていつの間にか世界規模になってて、しかも、評議会なんてネットワークが出てきて、しかも、彼らを拘束する掟なんてもんが存在して、その掟の番人がジャックの・・・っていう、1作目の底流に流れて
いた痛快感が減少してるんだよなー。この痛快さってのが、この映画の売りだと思うんだけどさ。この世界には未知の存在がある不思議さ。

今回の話しで、ツジツマは合ったけど、その裏には意外に狭い世界と意外に単純な恋愛感情があったんだと思うにつけ、万人ウケを狙うあまりに平凡なエンタテイメント性しか発揮できなくなっていくのが分かった感じです。

※関係ないけど、某マンガのように次々と強敵が現れてる展開は、例えば日本一、世界一、宇宙一と水平的な展開を見せるよりも、単に世代を経る中で当然に現れるものなんだよね。
しゅんすけはトランペットをやっているけど、大昔は学校一巧くて天狗になってたのが、他校交流会で他の学校にも同世代で巧いヤツが沢山いるコトを知り、世の中にはもっと巧いヤツがいることを知って、折れに折れた鼻は今では凹んでるくらいなんだけど、この前某吹奏楽団の合宿の合奏に参加したときには、しゅんすけよりも10以上は若く見える団員がキレイなラッパの音を奏でてたのには、いや若さには敵わないわと思ったね。強敵は水平展開ではなく世代展開でいつも現れるものである。こういう時はいつも老兵は去るのみである。
そらそうだよな。毎年毎年何人もの中学生がトランペットに初めて触れ、次々に巧くなって世の中に不断に供給されていくわけだから。

閑話休題。
ともあれ、海賊同士の会議やさらに階層化したところで、物語は袋小路へ向かうだけだと改めて認識した映画でした。
とりあえずDVDとかでもう一回観てみるかな。
| 映画鑑賞文 | 23:37 | comments(0) | -
週末は。
金曜日に「パイレーツ・オブ・カリビアン3」を観てきました。うん、なかなか面白かった。けど、感想文は書くかどうかも含めとりあえず保留。
なんせ日曜がスゴ過ぎた。

朝4時に起床して山中湖へ、まりこさんの新車マーチに乗って行ってきました。レースの方はかなりボロボロ・・・というか、満身創痍です。
でも、13キロを歩かず走り切りました。未体験の距離を制覇できたのは、やはり嬉しいものです。
ちなみに、彼女はさくっとハーフを完走。
高い標高と起伏のあるコースのせいで、タイムは奮わなかったようだけど、ラストスパートをがんがん飛ばして、ランナーをびゅんびゅん抜きまくってたのは、さすが・・・です。
帰りには、富士山須走登山口近くの日帰り温泉で身体を癒し、しばし休息し、帰宅しました。
レースの詳しい様子は、専用ページにて。
| 日記 | 00:54 | comments(0) | -
無茶物欲な宵
せっかくいい絵なぞが描けそうなのに、縮尺が合わない。こういう時近所のコンビニで縮小・拡大コピーをしたものを下絵に使ったりするんだけど、最近やっと1時間くらいのお絵描き時間を確保できるようになったしゅんすけにとって、最寄のコンビニまでの往復20分、しかも急階段昇降付きというのは、時間的になかなか辛い。昔、京急弘明寺近辺に住んでいた頃は、最寄のコンビニまで徒歩2〜3分だったから、決まって真夜中に発生するお絵描き関係の要求にある程度答えられた。でも、今のマンションは、とにかくコンビニまで遠すぎるのだ。
ホント近くにコンビニできないかなー。
※しゅんすけの家なんかまだいい方でさ、さらに坂道を登って、山の頂上の尾根伝いの住宅街なんか、ホントにコンビニないもんな。真夜中に衝動的に発生するコンビニの必要に、彼らはどう対応しているのだろう。

そんなわけで、もはや夜中の0時。
今からコピーをするためだけに家を出たくないなー・・・いや、合理的に考えれば、今少しでも時間があるなら行っちゃった方がいいに決まってるんだけど、コピーも含めしゅんすけのお絵描きってのは、盛り上がった気分に乗らないと、いい感じで描けないんだよな。まるで、いい波を待って不条理なまでに長い時間海にプカプカ浮かんでいるサーファーのような、いい波が来たらそれを逃さないように待ち伏せてるかのような。
そんな気分の波に翻弄されるもんだから、今無性にコピー機が欲しい。
縮小・拡大ができるコピー機、昔ちょっと流行ったパーソナルコピー機が欲しい。
いや、コピーを使う機会なんて、1年で数回あるかどうかなんだけど、年に数枚の絵なぞを描くことがしゅんすけの気持ちを安定させる日々には、あながち無駄遣いではないんだよな・・・でも、高いわ。
会社では何台ものコピー機を設置して、某キャ○ンの営業担当者に「じゃ、発注っちゅうことで」なんてさくっとメールしちゃうしゅんすけなのに、自分の家に簡易コピー機1台さえ買えない状況なのだ。
※・・・いっそ、パソコンに接続したスキャナで取り込んで、プリントするか・・・って、画面上で拡大比率をあーでもないこーでもないなんてやってたら、陽が暮れちゃうよ・・・ってか、陽が昇ってくるよ。

そんなしゅんすけの無茶苦茶な物欲が昂ぶる宵が更けていくのでした。

さて、今週末はスゴい。プライベートでかなり気合入ってマス!
まず金曜日は、当日公開の「パイレーツ・オブ・カリビアン3」のレイトショウを会社を定時退社して観に行き、土曜はジムで軽く走り、川崎の楽団でちょっと重要めな合奏とミーティングをして、日曜は4時起きで山中湖に向かい、山中湖ロードレースに出場します。
しゅんすけは山中湖1周、さきこは2週(=ハーフ)します。
もはやさきこの走力に追いつくことは不可能になりそうな状態で、しかもこの前なんか「富士登山競争」のチラシなんて見てうきうきしてるさきこ。富士登山競争って、富士山頂まで競争するってアレですよね・・・まさに鉄人・さきこ。
はたしてしゅんすけの山中湖1周はどうなることやら・・・。
| 物欲日記 | 00:13 | comments(0) | -
お宝発見!
実家が引っ越しするそうで、弟のとしかずもついに一戸建ての主になるんだそうな。それはめでたい。
引っ越しの準備を着々と進める中で、実家に置きっぱなしにしているしゅんすけの荷物を捨てるのか、持って帰るのかという決断に迫られ、やむを得ず今日は実家でダンボール整理なぞしてきたんだけど、中から出てきたものは、しゅんすけのかなり昔に集めていたものばかり。まさに宝の山。
しかも、無くなったと思って諦めていたモノがいくつか見つかってくれて、ちょっと嬉しかった。
(その中に、ホントに見つかって欲しいと思っている某ビデオテープはなかったのが残念でならない)

昔読了した本や、CD、ビデオ、数え切れないカセットテープ。
どれも持ってきたかったんだけど、現在の狭い家に置けるスペースはなく、やむを得ず廃棄することにした。だけど、今でも充分読むに耐える本や聞きたいと思っていたCDは持って帰ることにした。その中に、箱に入った写真がある。
しゅんすけの小学校から高校生までの写真が中心で、今ではとても想像できないような体型の少年がカメラに向かって笑っているのを見ると、この時代にタイムスリップして、おじさんになった自分を見せて、もっと食事に気をつけるよう言って聞かせたいと思ってしまう。
タイムマシンがあったらどうする?と聞かれたら、何はともあれ、20年前の自分に会いに行く。そのくらい痩せている。写真を見ていたさきこの目が、目の前のしゅんすけに移ったときの哀しげな瞳、そしてため息・・・とほほ。
また、現存するおそらく最古のしゅんすけとさきこの写真や、しゅんすけとさきこの高校時代の学生証も発掘された。写真の中のさきこに「将来フルマラソンを完走することになる」と言っても、絶対信じてくれないだろうな。

今年でまさに20年目のしゅんすけとさきこだけど、5000DAYSでやったみたく、また写真のページでも作ってみようか。
| 日記 | 21:39 | comments(0) | -
携帯電話が欲しかった。
しゅんすけの携帯電話はまだ2年程度しか使っていないのだけど、そろそろ電池がヤバくて、眠っている間に枕元で一晩中充電してても、翌日会社に行ってしばらく使っていると午後には充電具合を示す表示が減少を示す。3段階の充電表示が2つになり、午前中だけで3分の1を消費してしまったことを示す。
そのまま使っていると、午後早い段階で1つ表示になり、夕方には「電池がありません」などと表示されて、そのままコト切れてしまう。
「電池がありません」などと辞世の一句を詠んでいる場合じゃないよ、携帯。なぜにそれほどスタミナがなくなっちゃったのか。そのダイイング・メッセージを受けて、会社PCに接続した充電ケーブルに差してやる。会社の電気を個人の携帯電話の充電に使用するのは窃盗になるそうだけど、社員全員が見る社内メールに「緊急連絡はこちらまで」などと書いて、携帯電話の番号も付記しているんだから、公私共用の電話と考え、去年有楽町のビックカメラで購入したのだ。
※最近までビックカメラをビッグカメラと勘違いしてました。BIGではなくBICなのね。

さて、そんな状況のしゅんすけの携帯電話だけど、家でも会社でも充電せなイカン不便な状況とは言え、愛着のある携帯電話だったから、継続して使ってたんだよね。毎日繰り返される彼の辞世の句にも慣れたし、最悪PHSがあるので、最悪、連絡を取ることについては不便はないとの判断なのでした。

ところが先週の金曜の夜、辞世の句と共に他界した彼を充電して復活させるべく、いつものように会社PCに接続したんだよね。
ところが、復活しない。
電源ボタンをいくら長押ししても、画面が真っ黒のままになっちゃったのです。
イカン、ホントに死んじゃった!
今まで「電池がない!充電、充電してくれ。・・・でないとオレ・・・がくっ・・・」と狂言めいた訴えを続けてきたオオカミ少年な彼だったけど、今回ばかりは本気で死んだ。「ボクは疲れたよ・・・なんだかとっても眠いんだ・・・」空から天使が舞い降りて、携帯電話を持ち上げる。神々しい光に満ち、天使にいざなわれたパトラッシュの引く台車。その荷台に乗って携帯電話が天に昇っていくのが、目に浮かぶようで、目頭が熱くなりました。

・・・といわけで、しゅんすけの携帯電話が完全にダウンしてしまった今、これ以上の無駄な延命措置は止めて、ここは新しい携帯電話を買うことにしました。
このままでは、携帯電話に保存してある数々の画像が、ホントにオシャカになってしまうかも知れん。
そんなわけで、しゅんすけは新しい相棒を捜すことにしたんだけど、実はauの現在のラインナップにしゅんすけは全然魅力を感じていない。
やれワンセグだの音楽再生だのと機能がてんこ盛りになってるけど、そのどれもしゅんすけには魅力でない。ってか、しゅんすけは通勤中にテレビなぞ観たりしない。
音楽再生には多少の必要を感じるが、某ソ○ーのウォークマンやiPodがあるので、前回の音楽再生機能付き携帯電話を買った時ほど音楽再生に必要性を感じていなかったのがホントのトコロで、そうなると携帯電話を買う時に考慮していた高機能性の指標は、今回全然購入動機を形成しないことになっちゃうわけである。
それでも、前の相棒にはこれ以上の延命が期待できない以上、様々なジレンマと戦いながら携帯を選ばにゃイカンわけである。さて、どうしよう。

auショップでカタログ片手にいろいろ見てみるが、最近の携帯電話ってどれも大差がないわって感じ。以前は、メーカーがちょっと気の利いた機能をつけることで、特定の機種だけがバカ売れするということもあったけど、そういうことをなくすために各社で申し合わせているのか、どれも似たようなものばかり。
唯一デザイナー携帯と銘打って、一昔前のPHSのようなフォルムの携帯電話があって、目を引いたけど、カメラの解像度が200万画素に満たないモノだったので、早々にパス。しゅんすけは、カメラも結構使うしな。
そこで、目を付けたのが某○芝製の機種。特に目を引く機能はなかったけど、前の携帯電話とフォルムが似ていたし、解像度も高かったので、比較的良かった。
絶対コレ!というモノではなかったけど、しょうがない。
こんなワクワク感もなく、携帯電話を買うのは初めてだよ。

この機種の赤っぽいカラーリングのモノに決定し、店員にそう告げると、このカラーリングは人気機種だそうで、既に在庫がないんだそう。他の店に問い合わせても在庫はゼロだという。なんだよ、せっかく自分の伴侶を決めたというのに。
ヨドバシカメラとか代理店の方に行けばあるかと思い上大岡中を歩き回ったが結局見つからず、下がりまくるモチベーションを奮い立たせ、妥協に妥協を重ねて黒いカラーの機種に決定。
携帯電話を買うべく家を出てから数時間(うちショップで順番待ちするだけで延べ1時間以上)をかけて、しゅんすけの新しい携帯電話は我が手に入ったわけである。
データ移行に思いの外時間がかかり、しかもメールデータが全然移行されてない状況ではあったけど、これでまずは携帯電話を活用したい局面で電池切れになる事態は当分回避できそうである。

時間は既に16時を回っている。
楽団の練習に行かねばならない時間に少々遅れ気味であった。早速チンクのエンジンをかけ、出発することに。
こういう遅刻しちゃいそうで焦ってる時ほど、練習場所が遠いんだよなーと、早速購入したばかりの携帯電話でこの日の練習場所を確認すると、まだ数回しか練習したことのない場所で、まだ道を覚えてない場所。早速、携帯電話のカーナビ機能を起動させ、練習場所まで誘導してもらうことにしました。
高速を降りて細い道をぐねぐね曲がり、その度に「次を右です」とか「1キロ先を左折です」とか言われながら、進むとピーという音と共に画面が真っ黒になりました。
そして、表示された言葉は「充電してください」
・・・買ったばかりで、バッテリーの残量が少ないのは分かるけど、「お前もか・・・」と呟くしゅんすけの頬に夕陽に反射して涙が光るのでした。
| 日記 | 21:38 | comments(0) | -
彼の大人気ないゴールデンウィーク顛末。
彼が楽しみにしていた今年のゴールデンウィークの後半戦が始まった。
個人的な楽しみが多かった連休前半戦に比べて、後半戦は半分くらいは、参加している川崎の楽団に絡む時間が多かったそうで、そういう連休の過ごし方を久しくしていない彼は、ハメを外してしまい、おかげで周囲に大迷惑を掛けてしまったそうで、この機会に関係各位に謝罪したいと言っているが果たして誰がこのコメントを読むことになるのやら。

連休の初日、彼は参加している楽団の楽器運搬車のリニューアル改造作業に参加した。中古のワンボックスカーの荷台に新規に台を設置して、その上下に打楽器を中心とした楽団所有の楽器を搭載し、週ごとに変わるそれぞれの練習場所へ運搬できるようにするわけだ。
楽団のコネで、鉄材その他の加工ができる工場があって、彼も同行したそうだが、鉄や木材での製作を請け負う作業場には、多様な製作機器並んでおり、何がどんな作業を受け持つのか全然分からないながらも、必要なものが必要な位置に揃っていると感じさせるその作業場内の配置に、絵なぞを描く趣味を持っている彼は、何やら感じるものがあったようである。
最近、会社で取引のある某文具メーカーに納入させたサンプル備品を、もはや使用しないからと言ってちゃっかり自宅の机上で使っている彼には、現状の自分の作業スペースを改善して、もっとクリエイティブな環境を求める思いがあるようで、こういう作業場を見ると、自分の机上の改善に役立つのでは?と考えていたようである。はてさて、机上の環境が創造にどこまで寄与するものなのか。

そんなわけで、作業で一日を終えた彼は、帰宅後22時に就寝。
朝4時に起床し、今回の連休の中でもっとも激しく、天国と地獄が交錯するかのような一日が始まったわけである。

この日彼が朝4時に起床したのは、沼津で寿司を食うためであった。
誰に話しても信じてくれないと彼はボヤいていたが、確かに寿司を食うためだけに、4時に起床するのはイササカ行き過ぎと言わざるを得ない。普通そういうことはしない。
だけど、彼には沼津に対して、特別の思いがあるようで、美味しい寿司の他にも、巨大な防潮堤から望む駿河湾の海岸に思いを馳せているようであった。
ともかくも、彼とさきこを乗せたチンクは、5時過ぎに自宅を出発。
国道1号線から西湘バイパスを経て、熱海へ向かうのでした。
朝陽というには遅い時間ではあったが、背中に陽光を受けて進む西湘バイパスは気持ち良かったそうである。とは言え、以前早朝に西湘バイパスを通った時に見たようなエメラルドグリーンに輝く海岸線は今回も見ることができなかった。彼はいつも西湘バイパスを通る度に楽しみにしているのだが、どういうわけか、あの美しい景色はなかなか彼の前に現れてくれない。
同じ波はもう来ない、あの日の海は彼の前に二度と現れないのだろうか。
それでも、チンクで風を切って走るのは気持ち良さそうであった。
何しろこの時間に西湘バイパスを走るのは久し振りである。
(そういえば、去年の夏は深夜発だった)
時間が早かったため、心配された小田原辺りでの渋滞も回避できて、ストレスなく熱海に着くことができた。熱海で遅い朝食を済ませ、チンクは峠を越えていく。もはやお馴染みになった2速でしか登ることのできないチンクの心臓ならぬエンジン破りの坂道である。エンジンをうんうん言わせ、チンクは登っていく。眼下に青い海が見え、沼津に続く三島の市街に入った。

今回の大きな課題は、如何に渋滞を避けて戻ってくるか。
実はこの日横浜に戻った後の彼には、楽団から密命が来ていたのだ。
だから18時に横浜に戻りたかった。
そんなわけで、無事熱海の峠を抜け、三島を抜け、沼津に入った彼の胃袋には、熱海で食べた軽い朝食が残っていたが、開店したての寿司屋に入ることにした。
開店前から並んでいるくらいだから、地元でも折り紙付きの寿司屋である。
思わず○百円もする高級トロや高級ウニに舌鼓を打つ彼。
トロとかウニを食っておいてナンだが、彼が一番美味いと言っていたのは、近海もののネタだったそうである。彼が以前勤めていた会社の社員食堂では350円で極上に美味いさんま定食が食えるような街・沼津である。地魚は底抜けに美味いに違いないのである。

さて、寿司も食って、海岸線に出て伊豆から吹く海風にココロ洗われた彼は、「そういえば、前の会社への思いは今回はさほど重くなかったな」などと呟き、横浜に戻るべくチンクに乗り込むのだった。
横浜へ向かう進路を取る前に、さきこがスポーツ用品店に行きたいというので行ってみたのだが、この店は横浜にはないような品揃えで、さきこの物欲を刺激したようである。5月27日に無謀にも山中湖のロードレースに出場する予定の彼も、ランニングウェアを購入したかったようだが、なかなか琴線を弾く商品がなかったようである。

ふと時計を見ると、既に13時を回っている。
本来なら14時辺りで熱海を抜けていれば、西湘バイパスの渋滞を避けることができると踏んでいた彼だっただけに、この時間でまだ沼津にいるのは、誤算だった。
急いでクルマを走らせて、熱海へ向かう。
そうなのである。沼津で寿司を食い、海を眺めて気持ちをリフレッシュしたら、次に寿司を食いに来るまでは、もはやこの街に用はないのである。
それよりもさっさとトンズラしなければ、渋滞にハマってしまい、今日の第二のミッションが実現できないじゃないか。
焦る彼に反して、峠を越え熱海を過ぎたのは、14時を大きく回った後だった。
不安ながらも西湘バイパスに入り、70キロもの高速で爆走するチンク。
そして、それは唐突に始まった。
小さなカーブが続く道の先に、停車しているクルマのリアウインドウが陽光を反射しているのが視界に入る。その瞬間、彼は素早くウインカーを出して、バイパスを降りる車線へ変更。ナイス判断。あのまま進んでいたら、渋滞地獄にハマっていたところだった。
バイパスを走っていたら、どこかで渋滞するかもしれないと懸念していた彼は、事前に会社の後輩に国道1号線の混雑時の状況を聞いていたのだ。会社の後輩は平塚在住で、話しによると、バイパスよりも1号線の方が車線が多くて、信号で止まってしまうことを除けば、比較的走りやすいんだそうな。
西湘バイパスの渋滞が、バイパスの車線減少とさらに1車線合流するという無茶な道路設計に起因していることを考えれば、併走する国道1号線が2車線というのは大きなアドバンテージである。
1号線に乗ったチンクは、最初こそ同じことを考えてバイパスを降りたクルマたちの渋滞に巻き込まれたものの、平塚駅周辺から道が広がり、ストレスなく走り抜けることができた。相模川を渡る橋では、若干の渋滞に遭ったものの、あのままバイパスにいることを考えれば断然こっちの方が早い。ナイス後輩!
明日会社に行ったら、まず助言をくれた後輩社員に声を掛けようと思う彼なのだった。

チンクは新湘南バイパスを走り、国道1号線に合流、原宿の渋滞も例の後輩の助言もあって回避することができ、見慣れた鎌倉街道を経て自宅へ帰ってくることができたのであった。
最初こそ若干の時間の遅れがあったが、予定通りに帰宅できたわけである。

さて、ここで第二のミッションが始まるのである。
それは、川崎の楽団に絡んだミッションで、この楽団と親交の深い某楽団が金沢八景で合宿中であり、そのお見舞い(?)で合奏にもちょろっと参加させていただきつつ、その後持ち込んだお酒なぞ提供して親睦を深めようという企画なのだが、彼が楽しみにしていたのは、ちょろっと参加させていただく合奏の方であった。何しろ自宅のトランペットは埃を被ったまま眠っている状態で、久し振りに吹奏楽の合奏を楽しみたかったからであった。
だから、彼は急いでいた。
その日、朝4時からクルマを運転し続けていることを忘れて、一路金沢八景へ走った。そして、合奏終了1時間を切った頃、合宿所に到着。用意された末席で、3rdトランペットでの合奏を堪能したのであった。「なんかコルネットよりもいい音が出た」と彼は言っている。
やはり、普段吹いているブラスバンドとは全く違ったトランペットの音楽的ポジションは、どこか彼のココロにハマるものがあったようだ。

ところが問題はそこから先であった。
彼は当然自宅に帰るつもりであった。何しろ時間は22時。もう16時間連続で動いているわけである。飲み会にも興味はあったが、疲労を考慮してこの日は失礼させてもらうつもりだった・・・と、彼は合宿所の大浴場で、思い悩んでいた・・・ってか、風呂入っちゃったらもう帰れないだろ、普通。
結局、風呂上りの彼は、差し出された冷えたビールに抗うことができず、そのまま一気にグビリとやってしまい、その瞬間、クルマで来た彼は帰る術を無くしたのであった。
もはや帰ることのないエンドレスな飲み会である。
ちょっとハイになっちゃった彼は、久々に泥酔してしまった。
お世話になった方々に片っ端から絡みまくり、大変迷惑をかけた。特に、彼が筆舌に尽くしがたいお世話を長年にわたって受けてきた某団員の方にも、絡みまくってしまったそうで、後で猛烈に後悔・反省したそうだが、後の祭りである。
しかも、この日は最悪なことに、横隔膜が痙攣して惨状が展開してしまうという、およそ3○歳のおじさんとは思えない有様であった。横隔膜は、痙攣を続け、疲労困憊の彼を打ちのめし、このまま洗面所で夜が明けてしまうのではないかという頃、精根尽き果てて上半身裸のまま部屋の床にそのまま倒れこんでしまったのであった。

金沢八景の海に朝の陽光がきらきら反射する頃、激しい頭痛を伴って起床した彼は、消化器官に違和感を感じながらも、とにかく水分を取ろうと、うっかりスポーツ飲料なぞ飲んで、あろうことかタバコなんぞ吸ってしまったもんだから、さあ大変。昨日散々活躍してくれた横隔膜が再起動。地元の少年バスケットチームの子供たちが朝食の後の歯磨きをする横で、3○歳になったおじさんが醜態を晒すというもう穴があったら入りたい、というかシャベル持って来いって状況は、彼の人生でもワースト順位に食い込む思い出になったのである。

多大なる諸々の迷惑をかけて、彼の団員時代を知らないほとんどの団員に「あの人、何しに来たんだろうね」と言われかねない中、彼は帰途に就いたのであるが、この道中も大変だった。
なにせ横隔膜は再起動してしまっているわけで、クルマが揺れる度に、消化器官に残った様々なものが横隔膜を刺激し、唐突にモヨオシソウになるのを必死でこらえながら運転する彼の横顔に、昨日の同じ頃に美味い寿司に舌鼓を打っていた面影は微塵もないのであった。

這うように帰宅してそのままバタンキュー。
深い眠りに就いて再び起床すると、時間は15時30分。土曜日は楽団の練習で、彼はそのまま重い身体を起こして出かけて行ったのだった。
楽団の練習を終えて23時過ぎに帰宅するも、こうして怒涛の4連休のうち3日が過ぎ、満身創痍の彼は過ぎ去りし日々を振り返り、「もう最悪・・・」と倒れこんでそのまま眠りに就いたのであった。
| 日記 | 23:00 | comments(0) | -
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