そういや来週って東京マラソンじゃないか。しゅんすけは残念ながら追加抽選にも当たらず、去年に引き続き応援する側である。参加する方はぜひ頑張って欲しいものである。
さて、今日は会社で全館停電があるというので、出社した。
去年もそうだったけど、一旦停電が始まるとやることがなくて、ホント時間を無駄にしている罪悪感というかもったいない感に苛まれる。9時前に出勤して停電の事前処理をしてしまえば、復電までの数時間はヒマなわけである。
そんな毎年の休日(休日出勤なんだけどね)を有意義に過ごすために、今年は自転車を携えて出勤した。停電の時間中は、自転車で遊ぼうというわけである。
去年の夏にも、わざわざ年休取ってチンクに自転車積んで、会社近くをくるくる回ったっけ。今年はせっかくなので、少し足を延ばして新宿辺りまで行ってみるか。新宿と言えば画材の殿堂・世○堂本店があるので、久々に右脳モードの予感がするしゅんすけとしては、いろんな刺激を受けたいわけである。
会社に到着すると、時刻は7時40分。停電まで全然時間が早いのだけど、事前処理の会社が「8時に作業始めますんで」などと一方的に作業時間を通知してきて、そのためにはしゅんすけは泣く泣く5時半起床なわけで、それから出かける支度をして、自転車を分解して、チンクに積み込んで、首都高を最高時速80キロでかっ飛ばして、でも浜崎橋ジャンクション辺りで渋滞にハマって、それでギリギリセーフかと予想していたら、実際はチンクに自転車を積載するのにそれほど時間がかからなかったことと、何より恐れていた浜崎橋がまったく渋滞していなかったという状況で、8時ギリギリ到着予定だったのに予定よりも早く到着できちゃったという次第なのである。
作業する会社も到着して、かりかりと作業をしている間、ここで一旦近くのホテルに朝食でも摂りに行こう。先日のXデーの深夜作業で、ホテルに泊まった時に貰った朝食券をまだ使用していなかったのだ。あの時は、朝ホテルをチェックアウトして、朝食食べる前に一旦会社の作業状況を見ておこうと思ったら、とんでもない状況が展開していて、朝食なぞ食ってる場合じゃなかったからな。
そんなわけで、祝日の朝にホテルで食べる優雅なひと時で、ボイルソーセージを食ったりベーコン食ったり焼き魚食ったり納豆食ったりコーヒーなぞ飲んだりしていると、近くの席で外国人のカップルが向かい合って朝食を食べていた。しゅんすけのように、納豆食ってからコーヒーを飲むような異文化混交な朝食ではなく、ちゃんとクロワッサンとかスープにつけていやホント、サマになるってのはこういうことを言うんだなと思ってたら、ちょっと違和感がした。2人の外国人は向かい合って優雅なひと時を共有しているのかと思ったら、朝食のトレーの脇にそれぞれノートパソコンが置いてあって、食べながらパソコンの画面を見ているのだ。朝食食べながら新聞ならぬパソコンを見るというのも、欧米的な朝の風景なんだろうか。それにしても、夫婦でそれぞれノートパソコンを持つというのは、スゴいな。さすが、外国は個が重視されると言われるわけである。あおき家は現在大不調中のパソコンが1台あるだけで、さきこと交代で使ったりしている。チャンネル争いならぬ、パソコン争いとまではいかないけど、「お父さーん、お風呂空いたわよー」「おおーぅ」みたいな感じでパソコンを共有していて、互いが同じ時間をパソコンに向き合うというのはなかった。けど、この外国人カップルの構図は、まさに「パーソナルなコンピュータ」というに相応しいものだった。そうだ、パソコンってパーソナルなコンピュータだったんだよな。家族で共有していたら、まさにファミリーコンピュータ、ファミコンじゃんかと思うにつけ、あおき家はまだまだファミコンレベル、外国人のようにオシャレに使いこなすような境地はまだまだ遠いのかもしれないな。
さて、そんなわけで9時。
ビルの電気が停止し建物の機能が完全に沈黙する頃、しゅんすけはチンクから自転車を取り出し、組み立てる。
まだ朝の冷たい空気が残る中、軽く地面を蹴ってこぎ出した。
いや、寒いけど、気持ちいいわ。やっぱ自転車って最高に気持ちいいな。早く春が来ないものか、などと鼻歌交じりで自転車を走らせる。
まずは新宿を目指そう。ゆっくり走っていれば、世界堂の開店する10時くらいには到着できるかな・・・9時15分、新宿着。早っ?!何?そんなに近かったんか?新宿。
こんな時間では当然店はやっていないので、時間潰しにぶらぶらしていようと走り出すも一旦代々木方面に向かったしゅんすけの愛車・こてつ号だけど、ふと思い立って、そうだ新大久保の楽器屋に行こう、楽器屋が開店するまでコーヒーでも飲んでいようと、既に代々木のどの辺にいるのかも分からない場所から、別の道に入り、「きっとこっちだろう」的に自転車をずんずん進ませているといつになっても新大久保の見慣れた界隈には到着できず、次第に街の雰囲気が住宅街へと変わっていき、ついに「高田馬場○丁目」的な表示が出たところで気がついてまた別の道に入り・・・を繰り返したけど、結局新大久保に辿り着けず、いつの間にか新宿3丁目に戻ってきたところで諦めて世界堂に入った。
う〜ん、会社から最初に世○堂まで来た距離が4キロくらいだったのに、いつの間にか20キロ近く走っちゃったよ。
さて、そこまでして目指した世○堂なんだけど・・・残念ながら琴線を弾くような出会いはなく、しばらく店内をうろうろしたんだけど、何らインスピレーションめいたひらめきがなかったので、店を後にした。いや、店内は朝だというのに中学生のマンガ研究部みたいな女の子が大量に蠢いていて、おじさんなしゅんすけとしては非常に居たたまれない感じであった。結局のところ彼女らとレベルが一緒だというわけだしなー。
さて、まだ時間はたっぷりある。このまま会社に戻って復電を待つか。どこかのコーヒー屋でイラストロジックでもやって時間を潰すか。
四ツ谷周辺まで来た時、ふと思った。そっか、来週は東京マラソンか。
だから道路上の電光掲示板に「来週8:30〜11:00通行止め」などと表示されているのか。去年さきこが東京マラソンに出場した頃が思い出されて、ちょっと飯田橋辺りまで行ってみることにした。
祝日だからなのか、午前中だからなのか、クルマの通りが少なくて、だんだん日差しが暖かくなってきたので、いよいよ楽しくなってきた。脚が何となく思い出してきたのか、さっきよりも格段にスピードが出るようになってきた。飯田橋の近くの道路標示に「白山通り」などと書いてあったので、そのまま神保町の方へ行くことに。昔の会社がある場所で、しゅんすけ的にも懐かしい場所である。また、神保町には文○堂という画材の店があり、しゅんすけ的にはまだ殿堂入りしていないけど、画材や文房具を売るだけに堕していない店で発想を促すような雑貨がたくさんあって、とても好きな画材屋なんだけど、最近はほとんど行っていなかった。ここはひとつ行ってみよう。
自転車って、こういう思いつきで動けるトコロがいいよね。クルマもそれなりに便利だけど、新宿南口から神保町まで行こうとしたら、駐車場はどの辺にあったかなとかこの交差点曲がっていいのかなとかメンドクサいことを考えにゃならず、そういう意味では自転車の取り回しの良さは、時間はあるけどドコに行こう的なこういう日にはウッテツケなのである。
懐かしい神保町界隈を自転車で流しつつ、目的の文○堂に到着。
以前と同じで、なかなかいい感じの品揃えであったが、特に琴線を弾くような画材の出会いはなく、ここもちょっと見ただけで店を後にした。
う〜ん、昔は画材を見てるだけで、わくわくしたものだけど、もう歳なのか、こういうトキメキを感じなくなってきたな。残念である反面、こうも思う。
世○堂にいた中学生のように、店内に並ぶ画材のひとつひとつが宝の山のように見えるのって、まだその道を自分のモノにしていないんだろうな。音楽にしてもそうだけど、自分のスタイルとか技術が見えてくると(たまに能力の限界も見えるけど)道具への魅力よりも今もっている道具をどこまで生かし切れるかが焦点になってきて、道具への執着が薄れるんだろうな。
昔、釣具の上○屋に行くのが大好きで、学校が終わると電車の往復の初乗り料金だけを握り締めて電車に揺られて店に行き、ルアーとかをひとつひとつ目を皿のようにして眺めていて、ただそれだけで幸せだったけど、実際に釣りに行くことが多くなったら、必要充分な釣具以外は見向きもしなくなっちゃったもんな。良く言えば、まだいろんな可能性を夢想できていた時期だからこそ、使いこなせるかもしれない道具に夢を重ねられるってことだし、悪く言えば、能力が未熟だから道具に思いを馳せられるってことだよね。うん、いずれにせよ、しゅんすけが画材にそれほど興味がなくなっちゃったのは、現段階では画材に力を借りなくても大丈夫な境地だということである、良くも悪くも、そうである、うん。
御茶ノ水に近いこともあって、楽器屋にも行こうかと思ったけど、たぶん、画材屋と同じ結果になるだけなので、辞めておいた。今は現有の道具(楽器)で何とかしないといけないわけだからな。・・・とは言いつつ、先日某ヤ○ハ製のマウスピースを借りて吹いてみたんだけど、これがとても良くて、今まで「ヤ○ハはな〜」などとバチ当たりなことを言ってたけど、考えてみれば使っている楽器はそのヤ○ハなわけで、だとすれば、難しいことをとやかく考えないで純正メーカーのマウスピースが一番上手に楽器の能力を引き出せるのは確かに道理なのである。
そろそろ復電してる時間だろうから、今日の東京散歩はこれで終了。
神保町から会社のある方へ自転車を走らせる。
その途中に皇居が現れた。外周5キロを今日もジョギングする人々・・・なんかやたら多いな。やはり東京マラソンの1週間前だからだろうか。いいよなー、しゅんすけもそういう気持ちを味わいたかった。
関係ないけど、去年某SNSに「練習しないで東京マラソンに出場する」なんてコミュニティができていて、二人くらいしか登録してなかったんだけど、その二人はホントに練習しないで東京マラソンを走り切ったのだろうか。今回も、東京マラソンをまるで他人事みたいに、何の練習もなく、今日だってコタツでゴロゴロしてる出場者がいるのだろうか。そんな人も含めて、泣いても笑っても来週が彼らのXデーなのである。
そんな彼らを見ながら会社方面へは向かわず、一度周回してから、会社に向かうしゅんすけなのだった。
※ちなみに、東京マラソンに出場できないさきこは既にその先を見据え、3月に荒川のマラソンにエントリー済なのだけど、さきこ的にはもはや40キロ程度ではモノ足りないらしく(んなわけないか)、4月に富士五湖を巡るウルトラマラソンに出場することになっているそうな。この時期なら暖かいから、しゅんすけは自転車を携えて応援に行くことにしよう。