週末は毎年恒例の自転車の展示会、サイクルモードが幕張であった。しゅんすけがこのイベントに行くのは今年で何回目だろうね。会社を半休して夕暮れの京葉線を走るのは1年振りの懐かしい光景である。
さきこも会社を切り上げて幕張で待ち合わせをした。会社を出るタイミングがほとんど同じだったので、さきこが幕張に着いたのはしゅんすけが着いた次の電車だった。幕張で30分は待つだろうと踏んでいたので、つい気が緩んでコーヒー屋で話し込んでしまったわ。
会場では毎年のことだけど、各メーカーやらが今年の新製品なんかを紹介していた。しゅんすけは共に京都までの650キロを走破したこてつ号に大きな愛着が湧いていて、少々サイズが大きすぎることはあまり気にならなくなっていたから、新しい自転車にはあまり興味がなかったけど、やはり某ト○ックとアン○ーの最新モデルには試乗しておいた。うん、やっぱサイズがワンサイズ小さいと乗りやすいわ。とは言え、やはり自転車の最新モデルとかには興味が薄くなってる。それよりもしゅんすけが興味あったのは、自転車を取り巻く昨今の環境について、ここにいるメーカーたちがどう考えているのかである。
自転車が社会問題になり、交通事故を防止するために違法自転車の取り締まりを推進していくという、個人的にはあまりベストとは思えない方向に向いちゃってることを、業界としてはどう捉えているのか。この波に乗って自転車の地位向上をどう図っていくのか。または静観するつもりなのか。
会場をずらーっと見回しただけでは、その答えはどうやら後者の方みたいである。
自転車の取り締まりという現象自体がこのイベントの直前に起こったことで、各ブースがこの事象にどういう態度を取るか決めかねていたというよりも既に準備が進んじゃってたために方向転換できなかったのかもしれない。そのくらいこの件、自転車業界にとってはきっと追い風になってくれるであろう恐らく最後のチャンスを活かしたブースはなかった。うん、タイミングが悪かったんだね・・・ってことにしておこう。
そんなわけで、いい意味でも悪い意味でも「いつも通り」なサイクルモードを終えて、帰途に就く。お腹が空いたので電車に乗る前に何かを食べておこうということで、居酒屋チックな店でビールなぞ飲んだりした。実はしゅんすけはさきこと二人で居酒屋に来るというのは非常に少ない。お酒を飲むための店に来るというのはほとんどない珍しいことである。でもこの日はサイクルモードでの話しに結構花が咲いてしまい、ちょっと飲んでしまった。いやビールジョッキ2本だけ。空腹に任せていっぱい食べてしまったのは確かだけどね。しかし実はその後かなり酷い悪酔いに苛まれたのである。
22時を過ぎてさすがに遅くなったので、電車に乗って帰ろうとしていた時、30分ほど電車に乗ったところでいきなり気持ち悪くなってきた。体内のアルコールを処理し切れなくなった内臓からの危険信号がだんだん強くなってきて、血の気がだんだん薄れてきた。イカン、このまま電車に乗ってるわけにはいかないということで、電車から降りて駅のホームのベンチに座って落ち着こうと思った矢先、意識が飛んでしまった。気を失って倒れてしまったようだ。
気がつくと・・・「気がつくと」なんて記述、昔にヘタな創作ストーリーを書いてて、場面転換の度に主人公の意識を薄れさせ、「気がつくと、そこには〜」的に話しを繋げることが多くて、最初にこれを読んだお袋さんが「これ気絶し過ぎじゃない?」とツッコまれて、初めてそのことに気づいたという痛い過去があって、実際その時のしゅんすけは気絶した経験はなかったわけだけど、今なら自信をもって言える。
気がつくと、しゅんすけは仰向けに寝っ転がっていた。心配して呼びかけるさきこによると、「あれ?オレ、寝てる?」と言ったそうである。酔っぱらって駅のホームで倒れるという「中年オジさんの金曜22時過ぎのアリガチな光景」を見事に体現してしまった恥ずかしさに慌てて起きようとするもさきこに静止される。さきこはスポーツドリンクでも買いにその場を離れたんだけど、その後やはり恥ずかしくて座っていられなかったしゅんすけは再び倒れてしまうという醜態を晒してしまったそうな。あー酷い酔いっぷりだ。
そう言えばしゅんすけはお酒に弱いし、飲み過ぎると倒れたりする。さきこの前で倒れるのは、2回目?いや3回目くらいかな。ただこうなると身体の交感神経が優位モードで発動して、アルコールを高速で分解してくれるようになる。この交感神経と副交感神経の優劣関係が切り替わる瞬間はホント気持ち悪いんだけどね。それでも心拍数が上がり汗がどばばっと出てくれると少々安心する。しゅんすけももう若くないのだから変な飲み方には気をつけなければならない。まあこの日はイベント会場を歩き回って疲れていたのかもしれないけどね。
※そんなわけで悪酔い醜態気絶する前の在りし日のしゅんすけの試乗風景。