2013.02.26 Tuesday
買い物の神様、降臨。
先週、さきこが故障した洗濯機に代わる新しい洗濯機を購入し、その週末に自宅に納品された。故障した洗濯機は10年ほど前に購入したものなんだけど、今回購入したものには機能面でさほど目新しさを感じなかったかな。洗濯機の機能は既にある程度飽和状態なのかもしれないね。
それでその翌日には、長いこと購入するのを検討していたモバイルパソコンをついに購入することにした。今流行りのタブレットPCである。購入した製品にはオプション的にキーボード(1万円ほど)が付属していたんだけど、今回タブレットPCを購入したのは、「自分の気に入ったキーボードを繋げることができるから」なので、オプションのキーボードは買わずタブレットだけ購入したのである。
結局のところ、このパソコンにはいろいろ紆余曲折があった。その紆余曲折は、場合によっては今回の購入話しが白紙になってしまったり、せっかく購入したのに「こんなことなら買わなかった!」などとなってしまう危険性があった。意気揚々と大枚叩いたにもかかわらず、その価値を1割ほども生かせない事態(それはもう購入に失敗したということなわけだけど)になるところだったのだ。
しかし、キワドイところでぼくを救ってくれたのが、さきこの頭上に降臨した「買い物の神様」であった。買い物の神様が降臨したさきこの機転によって、直面した危機が回避されたわけである。今回はその顛末である。
最初の危機は、購入手続きのごく初期のことである。
今回のタブレットPC購入は、従来使っていた通信機器をより速度の速い機器に変更するところから始まる。通信契約をするとパソコン購入費が若干安くなるという最近よくあるキャンペーンを利用しようとしたわけである。
だからまず、通信会社のブースで、従来の通信契約を止めて新たに通信契約を締結することになった。実はこうして新規契約するというのが結構曲者で、従前契約の途中解約の違約金はかなり高いし、従来の通信機器の割賦払いは残るし、結局のところ、「これってお得なの?」という状況にまでなってしまった。新しい通信機器は通信速度が速いし、使用料も安いのだけど、その契約にするためになんと多くの出費を要することか。そうであれば、もう通信契約を新規締結するのを止めて、キャンペーンを利用せずにタブレットPCを単体で購入した方が安いってことになっちゃった。しかし出費を抑えるこの選択肢は、せっかく新しい機器を購入しても通信速度が速くならないことを意味するわけで、ぼくとしては忸怩たる選択だった。
しかし、この時、さきこが言ったのだ。
「機種変更ってことではダメなの?」
従来の契約とは別に契約するから出費が出るわけで、契約を維持したままで機器を交換する形にすれば、少なくとも従来契約の解約違約金は出ない。いろいろ検討してみて、多少の出費は残るものの、「購入を諦める」というほどのものではないことが分かった。なので、機種変更という形で手続きを進めることになったのだ。
それにしても、いいタイミングで発想転換したものである。さきこの申し出がなければ、ぼくの購入意欲は二度と復活しなかったと思う。ニッチもサッチもいかないあのタイミングでさきこの発言があったからこそ、この話しはその後もテンションを維持できたのである。うん、グッジョブ、さきこ。
こうして最初の危機を乗り越えたぼくは、無事タブレットPCを購入して、帰宅した。さきこは用事があるそうで、そのまま出かけて行ってしまったので、ぼくはとりあえず自宅に戻って購入したばかりのタブレットPCのセットアップをすることにした。
そこで次の危機につながる問題に直面したのである。
自宅のブルートゥースキーボードが接続しないのである。
自宅のキーボードは、メインパソコンでもそうだけど、どうも挙動がおかしくて、たまに接続しなくなる。どういう経緯か分からないけど、とにかくキーボードが使えないのは、パソコンが存在する意味がないとさえ言える事態。何とかしなければ。そういえば、今回購入したタブレットPCは、ブルートゥースのバージョンが4.0なんだけど、3.0以下のブルートゥース機器とは互換性がないのだったわ。ブルートゥース3.0のキーボードなどは繋がりが悪くなるってネットに書いてあったような気がする。ヌカったわ!
それで、いくつかの方法を考えた。その方法をここで書くのは大変だし、文章に書いて理解していただくのは難しいし、そもそも本流から外れるので書かないでおくけど、結局、採用した方法はこうである。
このタブレットPCにはマイクロUSBが装備されているので、このマイクロUSB経由でブルートゥースのバージョン3.0のアンテナを接続する。そうすると、自宅のキーボードも市販のブルートゥースマウスも接続できるハズだというものである。(いやまあ、それにしても、ブルートゥースのバージョンによって繋がる機器があったりするのって、使う方にしてみれば非常に困る。せめて上位バージョンでは下位バージョンの危機が使えるようにしておいて欲しいものである。ここで言ってもしょうがないけど)
そういうわけで、マイクロUSB(オス)と一般のUSB(メス)の変換コネクタを購入した。量販店のこの手のパーツはあまりバラエティが豊富とはいえず、ぼくが欲しかったタイプのパーツは、見たところ商品が1種類しかなかった。商品名に「マイクロUSB(タイプA)」と表示されてて、何がタイプAなのか若干気になったし、色とかコードの長さとかコダワリたい点もあったけど、1種類しかないのでこれを購入した。
そして早速タブレットPCに接続してみようとした・・・ところ、接続する直前に新たな問題が現れたのである。なんと、変換コネクタの端子の形状が違うのである。マイクロUSBの端子の形状にいくつかのタイプがあることをこの時初めて知った。「タイプA」と書いてあったのは、端子の形状であったか、ヌカったわ!
タブレットPCに接続できるUSBがなければ、キーボードやマウスなどをぼくの考えていたような方法で接続することができなくなってしまう。つまり、キーボードなどをタブレットPCに接続するのはほとんど不可能になってしまうのである。それはマズい!
早速売り場に戻って確認してみる。マイクロUSBには確かにタイプAとタイプBがあり、タイプAの方は端子が長方形のような形で、タイプBは台形のような形である。なるほど、これは知らなかった。
とにかく、ここはタイプBで先ほど購入したような変換コネクタを探すしかない。しかしその売り場は何度か探している場所で、タイプBの変換コネクタは探せなかったのである。
そこで店員に相談した。店員さんなら商品知識があるだろうし、ぼくが探せなかった商品も探してくれるかもしれない。
しかし、店員さんに相談して得た答えは、ぼくに第二の危機が訪れたことを告げる決定打だった。
「タイプBの端子形状で通常のUSBと接続するような商品はないんですよ」
・・・こ、これは完全にお手上げである。ぼくの探しているようなものは存在しないということである。つまり、タブレットPCには何も繋げられないということである。それこそブルートゥースのアンテナはもちろん、キーボードやマウスをはじめ、DVDドライブだって接続できないわけで、これはもうほとんど外部機器と接続できないことを意味しているんじゃないかと思われるほどの状況である。そんなタブレットPCにどんな意味があるのだ。欠陥商品か、これは?!
そうである、ぼくは完全に買い物を失敗してしまったのである。
まるで深くて暗い海の中をゆっくりと沈んでいくような、まさに失意の底に向かって落ちていくような感じである。冷たい感触がぼくを包み、二度と浮上できない諦めの境地がぼくに迫ってきた。
店員さんに聞いてみると、タイプAは主に入力専用でタイプBは主に出力専用の端子なんだそうな。このタブレットPCはPC内部の情報を外に吐き出すためにUSB端子が付いていて、それはつまり出力専用なのである。だから例えこれに合致する端子があったとしてもそれは出力機器に接続するためのもので、キーボードやマウスはそもそも繋がらないんだそうな。うーん、なるほど?
USBという端子に入力とか出力とかの概念があることは知らなかったけど、店員さんの話しだとそういうことみたいである。若干「?」な話しではある。しかし、彼がないと言っているのだから、ないのだろう。ぼくはさらに深い闇に吸い込まれていく。深く、暗く、冷たい闇がぼくを完全に包み込む。完全なる諦めの境地、それはまさに「絶望」であった。
しかし、その時である。
一筋の光が差し込んでくるのをぼくは見た。それは暗い洞窟の中の小さな隙間から差し込む光のようで、決して弱々しいものではなくむしろ眩しいほどの光の筋である。希望の光明は、唐突に、しかし予定調和と言うほどドラマティックに絶大な窮地に打ちのめされる寸前のぼくに差し込んできたのである。
さきこである。さきこに再び買い物の神様が降臨した。
「これ、Bタイプのコネクタじゃない?」
見るとさきこの手には、マイクロUSBタイプB(オス)とUSB(メス)の変換コネクタがあったのだ。あれだけ探したのに、今まで見つからなかったそれが目の前にあった。不思議なことに同じ売り場の同じ棚にあったのだ。
先ほどの店員の話しからすると、存在するハズのない、見つからないハズの変換コネクタである。ぼくは動揺した。いやそれよりも店員さんの方が動揺したかもしれない。タイプBで入力用のコネクタは存在しないと自信満々に説明していたのは彼だから、である。しかし考えてみると変なのである。USBとはそもそもそういった入力とか出力とか関係なく、接続できる端子として登場したハズである。だから店員さんが出力とか入力とか言い出したのでおかしいなとは思っていた。なーんだ、つまり、分かってない店員さんだったってことか?
その後いろいろと検証した結果、この変換コネクタには通常のUSB接続の機器も動作し、しかもブルートゥースのアンテナもちゃんと機能したのである。これを介してブルートゥース接続すれば、ワイヤレスでキーボードやマウスが使えることが分かったというわけである。タブレットPCを使ってぼくが実現したかったことは、これで完全な形で実現することができたというわけである。まあ、ホントはタブレットPCに内蔵されたブルートゥース4.0を介してワイヤレス接続できれば、変換コネクタがない分、よりスリムになったと思うけど、ブルートゥース4.0対応のキーボードやマウスのラインナップが少ないうちはしょうがないかなと思っている。
そういうわけで、第二の危機もさきこのグッジョブによって、見事克服することができたというわけである。
それにしてもさきこのグッジョブっぷりはどうだろう。
第一の危機は、新規契約の危機を「機種変更する」という発想で克服し、第二の危機は、タイプBのマイクロUSBコネクタを発見して克服したのである。この二つの働きは、こうして並び書いてみると大したことではないかもしれない。しかし、この危機でぼくは、タブレットPCを想定していたレベルよりもかなり低いレベルで使わざるを得ない状況に直面したわけで、あのまま克服できなければ、今頃は無駄な買い物をしてしまったという哀しい顛末のブログを書くハメになっていたハズである(しかもそれを従前のモバイルパソコンで書いてるハズ)。しかもこれらの危機に臨んで、困り果てていたぼくのそばには、店員さんがいたことも付言すべき重要なことである。ぼくよりも、さきこよりも、はるかに商品知識の高いハズの店員さんがいて、直面した問題に思い悩む姿を見ていたのである。今となっては、この店員さんたちの対応の悪さというか、商品知識の低さというか、所詮は他人事的な誠実さの欠如というか、機転の利かなさ過ぎることに憤慨しきりだけど、これを乗り越えて問題をさらりと解決してしまったさきこには感服するばかりである。その働きっぷりは買い物の神様が憑依していたとさえ言えるだろう。
さきこに大感謝、である。
そういうわけで、ぼくのモバイル環境は今大きく変わっている。
こうしてブログを更新しているのも、名古屋出張帰りの新横浜のコーヒー屋である。今のところ非常にいい買い物をしたと思う。ブルートゥースのキーボードが少々難な感じがして、このままであればいっそ有線のキーボードにしてしまおうかとさえ思う時があるけど、ちゃんと繋がってくれる時は問題ないので、当面はこのままかな。
先週ちょっと書いたけど、会社近くの某コーヒー屋がどういうわけか、ぼくにVIPな対応をしてくれているけど、そのコーヒー屋にタブレットPCを持って行ったらどう思われるかなと、それを考えるとちょっと愉快だったりするのである。
それでその翌日には、長いこと購入するのを検討していたモバイルパソコンをついに購入することにした。今流行りのタブレットPCである。購入した製品にはオプション的にキーボード(1万円ほど)が付属していたんだけど、今回タブレットPCを購入したのは、「自分の気に入ったキーボードを繋げることができるから」なので、オプションのキーボードは買わずタブレットだけ購入したのである。
結局のところ、このパソコンにはいろいろ紆余曲折があった。その紆余曲折は、場合によっては今回の購入話しが白紙になってしまったり、せっかく購入したのに「こんなことなら買わなかった!」などとなってしまう危険性があった。意気揚々と大枚叩いたにもかかわらず、その価値を1割ほども生かせない事態(それはもう購入に失敗したということなわけだけど)になるところだったのだ。
しかし、キワドイところでぼくを救ってくれたのが、さきこの頭上に降臨した「買い物の神様」であった。買い物の神様が降臨したさきこの機転によって、直面した危機が回避されたわけである。今回はその顛末である。
最初の危機は、購入手続きのごく初期のことである。
今回のタブレットPC購入は、従来使っていた通信機器をより速度の速い機器に変更するところから始まる。通信契約をするとパソコン購入費が若干安くなるという最近よくあるキャンペーンを利用しようとしたわけである。
だからまず、通信会社のブースで、従来の通信契約を止めて新たに通信契約を締結することになった。実はこうして新規契約するというのが結構曲者で、従前契約の途中解約の違約金はかなり高いし、従来の通信機器の割賦払いは残るし、結局のところ、「これってお得なの?」という状況にまでなってしまった。新しい通信機器は通信速度が速いし、使用料も安いのだけど、その契約にするためになんと多くの出費を要することか。そうであれば、もう通信契約を新規締結するのを止めて、キャンペーンを利用せずにタブレットPCを単体で購入した方が安いってことになっちゃった。しかし出費を抑えるこの選択肢は、せっかく新しい機器を購入しても通信速度が速くならないことを意味するわけで、ぼくとしては忸怩たる選択だった。
しかし、この時、さきこが言ったのだ。
「機種変更ってことではダメなの?」
従来の契約とは別に契約するから出費が出るわけで、契約を維持したままで機器を交換する形にすれば、少なくとも従来契約の解約違約金は出ない。いろいろ検討してみて、多少の出費は残るものの、「購入を諦める」というほどのものではないことが分かった。なので、機種変更という形で手続きを進めることになったのだ。
それにしても、いいタイミングで発想転換したものである。さきこの申し出がなければ、ぼくの購入意欲は二度と復活しなかったと思う。ニッチもサッチもいかないあのタイミングでさきこの発言があったからこそ、この話しはその後もテンションを維持できたのである。うん、グッジョブ、さきこ。
こうして最初の危機を乗り越えたぼくは、無事タブレットPCを購入して、帰宅した。さきこは用事があるそうで、そのまま出かけて行ってしまったので、ぼくはとりあえず自宅に戻って購入したばかりのタブレットPCのセットアップをすることにした。
そこで次の危機につながる問題に直面したのである。
自宅のブルートゥースキーボードが接続しないのである。
自宅のキーボードは、メインパソコンでもそうだけど、どうも挙動がおかしくて、たまに接続しなくなる。どういう経緯か分からないけど、とにかくキーボードが使えないのは、パソコンが存在する意味がないとさえ言える事態。何とかしなければ。そういえば、今回購入したタブレットPCは、ブルートゥースのバージョンが4.0なんだけど、3.0以下のブルートゥース機器とは互換性がないのだったわ。ブルートゥース3.0のキーボードなどは繋がりが悪くなるってネットに書いてあったような気がする。ヌカったわ!
それで、いくつかの方法を考えた。その方法をここで書くのは大変だし、文章に書いて理解していただくのは難しいし、そもそも本流から外れるので書かないでおくけど、結局、採用した方法はこうである。
このタブレットPCにはマイクロUSBが装備されているので、このマイクロUSB経由でブルートゥースのバージョン3.0のアンテナを接続する。そうすると、自宅のキーボードも市販のブルートゥースマウスも接続できるハズだというものである。(いやまあ、それにしても、ブルートゥースのバージョンによって繋がる機器があったりするのって、使う方にしてみれば非常に困る。せめて上位バージョンでは下位バージョンの危機が使えるようにしておいて欲しいものである。ここで言ってもしょうがないけど)
そういうわけで、マイクロUSB(オス)と一般のUSB(メス)の変換コネクタを購入した。量販店のこの手のパーツはあまりバラエティが豊富とはいえず、ぼくが欲しかったタイプのパーツは、見たところ商品が1種類しかなかった。商品名に「マイクロUSB(タイプA)」と表示されてて、何がタイプAなのか若干気になったし、色とかコードの長さとかコダワリたい点もあったけど、1種類しかないのでこれを購入した。
そして早速タブレットPCに接続してみようとした・・・ところ、接続する直前に新たな問題が現れたのである。なんと、変換コネクタの端子の形状が違うのである。マイクロUSBの端子の形状にいくつかのタイプがあることをこの時初めて知った。「タイプA」と書いてあったのは、端子の形状であったか、ヌカったわ!
タブレットPCに接続できるUSBがなければ、キーボードやマウスなどをぼくの考えていたような方法で接続することができなくなってしまう。つまり、キーボードなどをタブレットPCに接続するのはほとんど不可能になってしまうのである。それはマズい!
早速売り場に戻って確認してみる。マイクロUSBには確かにタイプAとタイプBがあり、タイプAの方は端子が長方形のような形で、タイプBは台形のような形である。なるほど、これは知らなかった。
とにかく、ここはタイプBで先ほど購入したような変換コネクタを探すしかない。しかしその売り場は何度か探している場所で、タイプBの変換コネクタは探せなかったのである。
そこで店員に相談した。店員さんなら商品知識があるだろうし、ぼくが探せなかった商品も探してくれるかもしれない。
しかし、店員さんに相談して得た答えは、ぼくに第二の危機が訪れたことを告げる決定打だった。
「タイプBの端子形状で通常のUSBと接続するような商品はないんですよ」
・・・こ、これは完全にお手上げである。ぼくの探しているようなものは存在しないということである。つまり、タブレットPCには何も繋げられないということである。それこそブルートゥースのアンテナはもちろん、キーボードやマウスをはじめ、DVDドライブだって接続できないわけで、これはもうほとんど外部機器と接続できないことを意味しているんじゃないかと思われるほどの状況である。そんなタブレットPCにどんな意味があるのだ。欠陥商品か、これは?!
そうである、ぼくは完全に買い物を失敗してしまったのである。
まるで深くて暗い海の中をゆっくりと沈んでいくような、まさに失意の底に向かって落ちていくような感じである。冷たい感触がぼくを包み、二度と浮上できない諦めの境地がぼくに迫ってきた。
店員さんに聞いてみると、タイプAは主に入力専用でタイプBは主に出力専用の端子なんだそうな。このタブレットPCはPC内部の情報を外に吐き出すためにUSB端子が付いていて、それはつまり出力専用なのである。だから例えこれに合致する端子があったとしてもそれは出力機器に接続するためのもので、キーボードやマウスはそもそも繋がらないんだそうな。うーん、なるほど?
USBという端子に入力とか出力とかの概念があることは知らなかったけど、店員さんの話しだとそういうことみたいである。若干「?」な話しではある。しかし、彼がないと言っているのだから、ないのだろう。ぼくはさらに深い闇に吸い込まれていく。深く、暗く、冷たい闇がぼくを完全に包み込む。完全なる諦めの境地、それはまさに「絶望」であった。
しかし、その時である。
一筋の光が差し込んでくるのをぼくは見た。それは暗い洞窟の中の小さな隙間から差し込む光のようで、決して弱々しいものではなくむしろ眩しいほどの光の筋である。希望の光明は、唐突に、しかし予定調和と言うほどドラマティックに絶大な窮地に打ちのめされる寸前のぼくに差し込んできたのである。
さきこである。さきこに再び買い物の神様が降臨した。
「これ、Bタイプのコネクタじゃない?」
見るとさきこの手には、マイクロUSBタイプB(オス)とUSB(メス)の変換コネクタがあったのだ。あれだけ探したのに、今まで見つからなかったそれが目の前にあった。不思議なことに同じ売り場の同じ棚にあったのだ。
先ほどの店員の話しからすると、存在するハズのない、見つからないハズの変換コネクタである。ぼくは動揺した。いやそれよりも店員さんの方が動揺したかもしれない。タイプBで入力用のコネクタは存在しないと自信満々に説明していたのは彼だから、である。しかし考えてみると変なのである。USBとはそもそもそういった入力とか出力とか関係なく、接続できる端子として登場したハズである。だから店員さんが出力とか入力とか言い出したのでおかしいなとは思っていた。なーんだ、つまり、分かってない店員さんだったってことか?
その後いろいろと検証した結果、この変換コネクタには通常のUSB接続の機器も動作し、しかもブルートゥースのアンテナもちゃんと機能したのである。これを介してブルートゥース接続すれば、ワイヤレスでキーボードやマウスが使えることが分かったというわけである。タブレットPCを使ってぼくが実現したかったことは、これで完全な形で実現することができたというわけである。まあ、ホントはタブレットPCに内蔵されたブルートゥース4.0を介してワイヤレス接続できれば、変換コネクタがない分、よりスリムになったと思うけど、ブルートゥース4.0対応のキーボードやマウスのラインナップが少ないうちはしょうがないかなと思っている。
そういうわけで、第二の危機もさきこのグッジョブによって、見事克服することができたというわけである。
それにしてもさきこのグッジョブっぷりはどうだろう。
第一の危機は、新規契約の危機を「機種変更する」という発想で克服し、第二の危機は、タイプBのマイクロUSBコネクタを発見して克服したのである。この二つの働きは、こうして並び書いてみると大したことではないかもしれない。しかし、この危機でぼくは、タブレットPCを想定していたレベルよりもかなり低いレベルで使わざるを得ない状況に直面したわけで、あのまま克服できなければ、今頃は無駄な買い物をしてしまったという哀しい顛末のブログを書くハメになっていたハズである(しかもそれを従前のモバイルパソコンで書いてるハズ)。しかもこれらの危機に臨んで、困り果てていたぼくのそばには、店員さんがいたことも付言すべき重要なことである。ぼくよりも、さきこよりも、はるかに商品知識の高いハズの店員さんがいて、直面した問題に思い悩む姿を見ていたのである。今となっては、この店員さんたちの対応の悪さというか、商品知識の低さというか、所詮は他人事的な誠実さの欠如というか、機転の利かなさ過ぎることに憤慨しきりだけど、これを乗り越えて問題をさらりと解決してしまったさきこには感服するばかりである。その働きっぷりは買い物の神様が憑依していたとさえ言えるだろう。
さきこに大感謝、である。
そういうわけで、ぼくのモバイル環境は今大きく変わっている。
こうしてブログを更新しているのも、名古屋出張帰りの新横浜のコーヒー屋である。今のところ非常にいい買い物をしたと思う。ブルートゥースのキーボードが少々難な感じがして、このままであればいっそ有線のキーボードにしてしまおうかとさえ思う時があるけど、ちゃんと繋がってくれる時は問題ないので、当面はこのままかな。
先週ちょっと書いたけど、会社近くの某コーヒー屋がどういうわけか、ぼくにVIPな対応をしてくれているけど、そのコーヒー屋にタブレットPCを持って行ったらどう思われるかなと、それを考えるとちょっと愉快だったりするのである。