「シュンスケニウムの原子量」の大統一バージョン
企業人としての気質の発露。
横浜マラソンは毎年11月頃にハーフマラソンと10キロランニングの2種目で開催されていた。ぼくも何度か参加したことがあるんだけど、今後は新たにフルマラソンの大会として開催されるのだそうな。地元の横浜で市民参加型のフルマラソンの大会である。これはスゴい、ぜひ参加したいと思っているんだけど、実はそのコースは正式には決まっていないようである。横浜を代表する大型イベントになるのは間違いないので、そのコースがどういうものかいろいろ夢想を広げたりしていたんだけど、先日のこと、横浜市の林市長が横浜マラソンのコース案を発表した。まだきちんとしたコース案ではないけど、これを聞いてかなり驚いた。
横浜は観光都市なので、観光名所を通るコースだろうなとは思っていた。だからパシフィコ横浜をスタート・フィニッシュとする折り返しコースであることは予想の範囲内だった。パシフィコ横浜から歴史的建造物のエリアや横浜スタジアム、山下公園などを通るってのは、ぼくでも予想ができていた。しかし、その先である。具体的には折り返した後の復路にあたるコースである。
ナント、首都高湾岸線を走ると言うのだ。
磯子区から中区にかけて高速道路を通るそうなので、恐らく磯子ICから本牧の上を通る高速道路を走り、新山下IC辺りで降りるということだろう。これはまったく想像ができなかった。ぼくもさきこも、観光名所を巡るだけでは42キロにならないのは分かっていた。観光名所では山手の道を行くか、産業道路の方へ出るかしかないと思っていた。山手の道はアップダウンが激しいだけでなく、道は狭く、生活道路でもあるので、周辺への影響が大きすぎる。また産業道路は国際マラソン大会でも使われているものの、ただまっすぐな工業用道路なので、「横浜らしさ」みたいのは全然感じられない。どうするつもりなんだろうと思っていた。
まさか高速道路を使うというぶっ飛び発想とは思わなかった。
高速道路をランニングするのは、千葉のアクアマリンマラソンで前例があるから殊更革新的なアイデアではないとは言え、ぼくはこういう考えを進められる林市長の大胆さに感動を覚えた。数あるランニングイベントの中で後発のイベントがどう差別化を図っていくかはとても重要な課題である。きっといくつかの案があったのだろう。もしかするとぼくが想定していた山手の道や産業道路の案もあったかもしれない。しかし、その中でより過激で魅力的な案として、高速道路を走るという案が採用されたわけである。
ぼくはこれに林市長の企業人としての大胆さを感じた。
林市長は苦労した人で、経済的事情で大学に進学できず、高卒で就職、自動車販売業でメキメキと頭角を現し、外資系の自動車販売会社では異例の抜擢人事で結局社長にまで到達する。今では数々の会社の取締役を歴任するビジネスマンである。その手法は、迅速だし大胆だし革新的である。前任市長の残任期中に保育所の待機児童をゼロにするという偉業を成し遂げ、新聞でも盛んに「横浜方式」などと言われたりした。そんな敏腕企業人である林市長だから、今回のマラソンコース案にも企業人としての発想を感じてしまうのだ。
つまり「常にライバルの上を行く」という発想である。
この場合の「ライバル」ってのはどういうものか分からないけど、たとえば開催時期が近い東京マラソンを仮想ライバルとすると、この世界的有名なランニングイベントを超えるには、東京マラソンにできないことをしなければならないのだ。高速道路をランニングするという非日常体験は、日本の中心である東京の主要市街地がランナーで埋め尽くされるという非日常の風景を凌駕するパワーを持つと思う。インパクト充分である。横浜マラソンのフルマラソン化に向けて、従来のハーフマラソンや10キロランニングを単にフルマラソンに延長するという程度の考えで取り組んでいないことが充分分かる。横浜は本気でフルマラソンで東京マラソンを出し抜こうとしているかもしれない。これはスゴい。
※ちなみに高速道路案の秀逸性はぼくが考える限り他にもあって、横浜は午後になると観光客が増えるから、市街道の交通規制を早く解除する必要がある。しかも広い道は限られていて、大型イベントには不向きな道も多い。東京と違い居住者も多いので生活道路の配慮も必要。一方で本牧周りの首都高の交通量は休日でもかなり少ない。当然道幅は広く、横浜横須賀道という迂回道路も確保できる。これは盲点だけど、ベストアイデアだと思うね。さっすが!

生まれ変わった横浜マラソンは来年3月開始である。
東京マラソンや三浦国際市民マラソンなどもあって、この時期にフルマラソンを新しくぼくのイベントスケジュールに入れるのはなかなか厳しいけど、ぜひ参加してみたいと思う。抽選になると思うけど、当たるといいな。
そして、何より企業人はこういう発想力と大胆さが必要である。今回のニュースはランナーとしてではなく、ビジネスマンとして非常に大事なものを教えてもらったような気がするのだ。
※ところでぼくは、「旧」横浜マラソンのハーフマラソンはまだフィニッシュしていない。1時間57分という過酷な制限時間設定のため、それなりに頑張ったとは言え(初めてハーフマラソンを全体としてマネジメントした感覚を得た)、あと数分足りなかったのだ。ぼくとしては、「旧」横浜マラソンがなくなってしまう前にハーフマラソンを完走しておきたかった。かなり残念である。ぼくの無念の思いはまだ山下ふ頭を彷徨っているかもしれない。
| 最近のニュースから | 12:41 | comments(0) | trackbacks(0)
東京マラソン後日談。
ぼくが東京マラソンを走ることは、ぼくの周囲の人たちにかなり知れ渡っていて(もちろん、ぼくが興奮気味に話したからだけど)、少なからず気にかけてくださっていた。こうして無事に東京マラソンを終えた今、この方たちにとても感謝し、そのエピソードをいくつか書いておく。

まず職場の同僚たちである。
ぼくのデスク周りの人たちは、東京マラソンに当選した8月以降、業務中でも唐突にこみ上げるドキドキワクワクを禁じ得ないウザったいぼくの相手をしてくれた方たちである。本番前には冗談を言いつつもぼくにエールを送ってくれ、当日は各関門を通過するタイムを自動ツイートするツイッターをフォローしてくれたり、実際に現地まで応援に来てくれたりした。大感謝である。ただ実際に現地では誰にも会えなかったけどね。
また、ぼくが某SNSに「頑張ります!」と直前の意気込みをアップしたのに「完走しました!」はアップしなかったので、月曜日の職場では「きっとまだ走ってるんじゃないか?」「道に迷ってるのでは?」などと言われていたそうな。なんでやねん!?

また会社絡みだけど、会社が契約している医師からその旦那さんも走ると聞いた。医師の先生は寒い中朝から応援に行くのが面倒だと言っていたけど、当日はちゃんと応援に行ったそうで、その後やり取りしたメールには、旦那さんが4時間58分でフィニッシュしたことが書かれていた。事前に話しをしていた時には相当走り込んでいる印象があったけどぼくとそれほど変わらないタイムだったね。ちょっと安心したわ。

取引先の印刷会社の方からも心配をいただいた。この会社は社長がランニングを趣味にしていて、その影響か、従業員は全員東京マラソンにエントリーすることになっているそうである。去年はたまたまぼくの会社を担当している営業マンが当選して走ったそうで、しかもハズれたぼくに気を遣って東京マラソンの後でぼくにその話しを振ってきたりしたんだけど、今回は誰も当選しなかったそうである。しかし、初めて走るぼくのことは気にかけてくれていて、1月中旬頃には新年挨拶にかこつけて社長自らがぼくに会いに来たり、東京マラソンの翌日はいつもは手渡ししないハズの納品書をわざわざ持ってきてついでにぼくの状況を伺ったりと(ぼくは休養で休んでたけどね)、感謝しつつなんだか挙動が面白いなーと思った。

ぼくの所属する部署以外の人にも心配をしてもらった。みんな善意でぼくを心配してくれてるんだろうけど、その根底には「(ぼくのような)デブがどうしてフルマラソンを走れるのか」という大きな謎があるんだと思う。あるいは人によってはぼくが虚勢を張る気質の人(つまり嘘つき気質の人)で、ランニングしてるとか東京マラソンに出るとか全部カッコつけのウソなんじゃないかと疑ってる人もいると思う。どうしてそういう思考になるかイマイチ理解しがたいけど、一般の人にとってフルマラソンを走るってのはそのくらい遠い世界なんだなと改めて思う。

そんな後日談がありつつ、そろそろ夢から覚めないといけない。
今週末には早くもランニングイベント、しかも去年制限時間にフィニッシュできず失格となった三浦国際市民マラソンがある。フルマラソンを完走して心身ともに充実している今こそ、制限時間など意に介さないほどぶっちぎりのフィニッシュを決めたいものである。
こんな風にランニングイベントが続いていき、それがきっと来年の東京マラソンに繋がっていると信じたい。

※脱線だけど、ぼくはハーフでもフルでも、フィニッシュ直前の3、4キロが非常に苦手である。今回も最後の3、4キロは息切れがするほど疲弊した。まあ40キロはまだしも、40キロ走れるのに20キロ走の最終盤でダメになっちゃうってのは、完全にメンタル的脆弱性の現われだ思うわけで、今回改めてそれが分かったので、その対策をいろいろ研究してみようと思う。最後の3、4キロでも無理して走り続けず、一旦止まって落ち着いてみるとかね。東京マラソンを次に生かすように、そしてぼくが少しずつでも速く長く走れるように。
| Be RUNNER! | 20:57 | comments(0) | trackbacks(0)
夢のような5時間。
東京マラソンをついに走ってきた。
ネットタイムで5時間00分14秒。惜しい!ほんの十数秒で4時間台を逃してしまった。でもまあ、今回は楽しむランニングということだからいいんだけどね。
初めて走った東京マラソンの感想は、一言「スゴい」に尽きる。今まで走ってきたどのランニングイベントを全ての面で大きく凌駕している。そんなスゴさも含め、とても幸せなランニングであった。これほど幸せな42キロは今まで経験したことがない。いやこれは東京マラソンでしか経験できない幸福感だろう。いや、ホントにスゴい。
これほどの幸せ感を得られた大きな要因は、何よりも仮装である。
キャップに取りつけた矢印は下向きになってちょうどぼくを指し示し、これがかなり遠くからも見えたようで、沿道から「矢印ー!頑張れー!」という声援をかなりいただいた。いや、ホント「矢印効果」はスゴかった。ほとんど100メートルに1回くらいは「矢印ー」の声援をいただいたし、「矢印」と「名指し」しないまでもぼくに声をかけてくれた人も相当いたと思う。矢印は特に幼児から小学生くらいの子供にかなりウケた。反対車線の沿道の子供まで大声で「矢印マン」に声援をくれた。当初はライオンの被り物を検討していたけど、きっとあのままライオンを被っていてもこのような声援はいただけなかっただろう。矢印は老若男女に非常に分かりやすいマークだったのだ。
ぼくも「矢印マン」に声をかけてくれた人には手を上げたり「ありがとう!」と返事をしたりした。実はこういうコミュニケーションがとても力になってくれる。「矢印マン」への声援はスタート当初からフィニッシュまで終始続いていて、これが幸せなランニングに繋がったと思う。沿道の方にはとてもとても感謝である。
さきこはまりこさんとずっと応援をしてくれた。
ぼくが勝手に「ぼくを追いかけながら応援するスケジュール」なぞこしらえたものだから、これに忠実になろうとかなり無理をして都内を移動してくれた。新宿スタート直後から飯田橋、祝田橋、泉岳寺(往復)、銀座、蔵前(往復)、佃大橋、ビッグサイト前と10か所もリクエストして、このすべてに応えてくれた。途中で駅の構造上乗り換えが厳しくて駅構内を走って乗り換えたなんてこともあったそうである。さきこの携帯している歩数計によると3万歩弱を記録していたので、ほとんどハーフマラソンと同じくらいである。風邪と貧血のために東京マラソンを辞退したのに結構走らせちゃった感じである。申し訳ないと思いつつ、応援いただいたのはとても力になった。無理を聞いてくれて大大大感謝である。
そんなわけで、東京マラソンの当選を知った8月からの夢の半年間はこれでひとまず終了である。来年もぜひ走ってみたいと思いつつ、まずは運気を上げて、ランナー抽選に当選することが大事である。さて来年の抽選はどうなるだろうか。また記録の方にも目を向けて、ちゃんと練習するようにしたいものである。
そして今回断念したさきこである。ぜひ体調不良を克服して次回は一緒に走り、一緒にフィニッシュゲートをくぐりたい。
東京マラソンを走って、さらに東京マラソンが大好きになった。夢の東京マラソンはまだまだ続くのである。
※タイムについては言い訳がある。ホントはぼくの時計では4時間58分で、何とか4時間台を達成したと思っていた。でも実はスタートから数百メートル間で時計をスタートさせてなかった時間があり、この恐らく2分分がこのタイムに影響したというわけである。


| Be RUNNER! | 13:34 | comments(0) | trackbacks(0)
決戦の日。
ついに今日、東京マラソンである。
7年越しの念願のランニング。半年間の準備の集大成である。いや、今回も準備不足ではあるけどね。でも、よほどのことがなければ無事完走ができると思う。どういう思いでフィニッシュするのか。道中はどういう展開なのか。いろいろと楽しみである。
こういうドキドキ、ワクワク感は今までに経験がないかな。楽団の本番でもそういうことはなかったかもしれないな。初めての感覚は思いの積み重ねから来るんだろうね。
さあ、本番である!


| Be RUNNER! | 05:23 | comments(0) | trackbacks(0)
エキスポ・ナイト。
昨日から東京マラソンのエキスポが東京ビッグサイトで開幕した。
以前さきこが東京マラソンを走ることになった時などに行ったことがあるけど、会場内のハイテンションっぷりはとにかく圧倒的だった。「東京マラソンを走るあなたを応援します!!!」みたいなオーラが物凄くて、スポンサーなどのブースにはランナーを応援するイベントやグッズ販売で溢れていて、通りがかっただけのぼくにさえ「あ・な・た・のために!!!」的なオーラがビンビンに放射されるので、気後れというかちょっと哀しくも空しい感じがしたのをよく覚えている。だから、今回のエキスポは楽しみにしていた。「あなたのために!」という彼らの熱烈な訴えは、まさに「ぼくのために」なんだから。今こそその熱烈ハイテンションさをこの身に受け止めるのである。
会社を定時退社して有楽町線に乗り、豊洲でゆりかもめ線に乗り換えるつもりが勘違いで乗り過ごして新木場まで行っちゃって結局りんかい線で東京ビッグサイトに向かうハメになっちゃった。さきこは意外にも会社から近いようで、既に先に会場に到着していた。
ランナーの受付をしてゼッケンを受け取り、事前配布される参加賞Tシャツなんかを受け取ると、目の前はスポンサーの煌びやかなブースが連なるエキスポ会場である。ついに当事者としてこの場に立つことができたのだ。そうである、ここはぼくのためのエキスポである。
・・・しかし、どうだろうね、どこも以前見たような趣向を凝らしたブースなんだけど、以前感じたような熱烈なハイテンションさはあまり感じられなかったかな。なんて言うかこう、誰彼構わず全方向にハイテンションを放射していた感じはなかったかな。
それでも会場内でほとんどのブースに立ち寄り、グッズを買ったり、試供品をもらったり、マラソンコースの解説イベントで映像を見たりした。ランニング用の腕時計も購入した。そういえば、今使っている時計も以前の東京マラソンエキスポで買ったものだったな。同時にオリジナルTシャツなんかも購入した。今回はこれで走ろうかなと思っている。
7時くらいに会場に到着して丸々2時間、会場内を歩き回ってエキスポを楽しんだ。以前のようなハイテンションはなくても、そもそもぼくのモチベーションはぼくが高めるものなわけで、会場が穏やかでも全然問題ないのである。熱烈さがない分、自分の中からじわじわと盛り上がってくる気分をしみじみ感じることができたかな。
しかしまあ節操もなくかなりたくさんのものを買ってしまったよ。東京マラソンのロゴバッヂならリュックサックなんかに取り付けることもできるだろうけど、巨大ポスターなんてどこに貼ろうかね。
※このポスターは東京マラソンのコースを上空から鳥瞰したイメージ画で、参加者全員の名前が細かい字で表示してある1枚もののポスターである。さきこの名前は品川辺りで発見することができたけど、ぼくは発見できなかった。どうも銀座のあたりにあるハズらしい。会社の人に「どこで貼ろうかね」などと雑談していたら「ゆっくり探せるようにトイレのドアに貼っては?」と言われた。なーるほど。

そんなわけで、たくさんの買い物をして会場を後にした。楽しみにしていたエキスポを終えると、なんか東京マラソンの半分くらいが終わってしまったかのような錯覚すらある。本当はまだ始まってもいないんだけどね。
あと3日後にもぼくは満身創痍で東京ビッグサイトを後にするんだろう。その時ぼくは何を思うのだろうか。
ちなみに今日もエキスポに行ってみようと思う。


| Be RUNNER! | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0)
雪の日の人情劇。
先週末は1週間前に続き大雪だった。いや、前回を大きく上回るほどの雪でほとんど災害と言ってもいい状況だったようである。東名高速道路で立ち往生したクルマが40キロも続くとか、山梨の精進湖に合宿に来ていた大学生が大雪でホテルに閉じ込められて自衛隊が救援に向かったとか、週が明けて次第に明らかになる状況を見ると、これは雪による初めての災害だったんだと思う。
ぼくのツイッターでフォローしている方が、精進湖のホテルに閉じ込められている大学生の様子を伝えていて、朝になって自衛隊が雪原の向こうからスキーに乗って現れる光景は、お隣りの県で起こっているとはとても思えないほど印象的だった。いやはや自然の力とは物凄いものである。

そんな中、さきこの風邪が悪化している。
先週にも会社を休んで治療に専念したのだけど、病院からもらった薬がなくなったところで病状が悪化し、咳が酷くなってしまった。元々気管支が弱い体質なので、風邪をひくと咳の症状が慢性化する傾向があるのだ。
土曜日の夜中は酷い咳が出たようで(どうもニンゲンは夜中に気管支が収縮するそうである)、その対応をしていたぼくもさきこ共々、なかなか起きれなかった。土曜日は午前の遅い時間に起床した。それでもさきこの咳がおさまっていないので、ここは近くの病院にもう一度行って薬を出してもらおうということになり、電話をしたのが正午過ぎで、病院は既に診察時間を終えていた。
しかし、病院の先生が残っていたみたいで、電話に出てくれ、咳の話しも含め切実な訴えをしたところ、「今から来なさい」ということになって、診察を受けることができた。この医者の先生はかなりの老齢なのだけど、患者のことをよく考えてくれる方で、ぼくもかなりお世話になっている。大感謝である。
とにかくさきこを連れて病院へ。診察を受けて、処方箋をいただいて、まだ営業しているであろう薬局を紹介してもらった。薬局はちょっと離れたところにあるようで、雪の中、さきことテクテク歩くハメになった。しかしこれがいけなかった。元気なぼくがスタスタと薬局に向かっていれば良かったのに、さきこの歩調に合わせて歩いたために、薬局に到着するとそのシャッターが既に閉められていたのだ。
この日に薬を入手しないと意味がないわけで、ぼくの判断ミスが悔やまれた。もっと早く先生の診察を受けていれば、薬はさきこと一緒じゃなく自分だけで行っていれば、この日薬が手に入ったハズなのである。うなだれるぼくに近くを歩いていた女性が声をかけてきた。
「薬がご入り用ですか?」
この言葉をかけてくれたのは、なんとこの薬局の方だったのだ。店を閉めて、雪の中クルマに乗って帰ろうという時にぼくとさきこが現れたのである。これぞ地獄に仏である。
事情を話すと快くシャッターを開け、店内の明かりをつけてくれた。処方箋に書かれた咳やたんを止める薬とか抗生物質とかとにかく風邪に効きそうな薬をたくさん出してくれた。医者の先生のおかげである。
こうして雪の中、病院や薬局を回って薬を得ることができた。これを飲んださきこは少しは症状が穏やかになった感じである。まだ完全治癒まで時間がかかるだろうけど、とりあえず安心した。薬局の方にも大大感謝である。
この日は暖かい人情に救われた。病院の先生や薬局の方が時間外に対応してくれなければ、こういう展開にはならなかった。大雪の日にさきこが風邪をひき、弱っていたぼくは暖かい人情に救われた。

大雪という災害を前にたくさんの人が助け合ったという話しが次第に届くようになった。こういう日にはお互いに助け合いである。ぼくもさきこもその恩恵に浴することになった。ぜひ次はぼくが誰かを助けられるようになりたいものである。
| 日記 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0)
大雪再び。
先々週の週末に続き、先週の金曜日から再び大雪になった。
ただ前回と違うのは、本格的に本降りになったのが金曜日の夕方からということで、これによって帰宅するビジネスマンの交通に大きな影響が出た。今回は先週のように軒並み電車を止めることはしなくて、その点で鉄道各社の意地のようなものを感じたけど、それでも数十分の遅れが出たし、東急東横線では元住吉で電車の衝突事故が起こるなどかなり混乱した。
またもう一つ異なるのがその量である。甲府では積雪が100センチになって120年もの観測の歴史の中で最高を更新したそうである。ぼくの地元も先週よりもかなり多く積もったように思う。
雪は深夜まで降り続き、未明から雨に変わって多少融けたようだけど、それでもかなりの積雪が残ってしまった。いやはや2週にわたって記録的な大雪ってのは大変なことである。
それにしても思うのは、週末に大雪が降るというループは今週で終わりにしていただきたいってことだ。東京マラソンはいよいよ来週で、さすがに大雪の中走るのはキツいだろう。いやたぶん中止になるね。明日開催予定だった青梅マラソンは早々に中止が決まったそうだし。いや怖い怖い。
さて、そんな降雪の金曜日の日中、ぼくはちょろっと用事があって、会社を出て半蔵門駅方面に向かって歩いていた。この日は先週購入した長靴を履いて出勤したので、雪の中でも割と平気だった。さすがに新宿通りにもクルマは少なくて、半蔵門駅辺りから皇居の建造物がちらりと見ることができた。屋根瓦に雪化粧した皇居である。きっとキレイなんだろうなと思わず皇居の方まで行って、写真なぞ撮ってきてしまった。いや雪化粧した皇居の風景はとても幻想的な風景だった。皇居を取り巻く歩道にはまったく人がおらず、車道を走るクルマの滑り止めチェーンやシャーベット状の雪をかき分ける音が聞こえるのみで、まさに非日常な世界だった。思うに大阪城とか名古屋城などはどんな感じだったのかね。
でも、これはこれでとても楽しいのだけど、土曜になった途端に各交通機関が運行停止になっちゃって、どこかに行くこともできなくなっちゃった。ホントはランニングなぞしたかったのだけど、それも無理。ちょっと不安になってきたかな。明日は晴れるそうだけど、どうやら自宅で缶詰の模様である。
| 日記 | 18:53 | comments(0) | trackbacks(0)
最後の過酷練習。
大雪でロングラン練習ができなかったので、11日は週中の祝日で翌日は会社だったけど、あえてロングラン練習に出かけてみた。さきこは体調がすぐれないので自宅で休養、ぼくだけ出かけることにした。
距離は30キロである。
自宅から30キロというと、鎌倉街道を南下して鎌倉駅辺りで折り返すとちょうど30キロほどで、過去に何度か走ったことがある。途中に坂道なんかもあって、なかなかいいコースである。しかし今回は趣向を変えて、地元を周回するコースにしてみた。詳しい地名を書いてもしょうがないけど、保土ヶ谷の権太坂から環状二号線にまわって磯子に出て、本牧を回り込んで山手、元町から中村川、大岡川沿いの道を通って戻ってくるコースである。このほとんどは個別にランニングしたことはあるけど、今回はそのすべてを一筆書きするように走ったわけである。
練習がほとんどできていないので、いきなり30キロを走るのは不安があったけど、無理な練習ができるのはこの日しかないわけで、ここは気合いを入れて走ってみることにした。ただ今回のフルマラソンはタイムはまったく考慮しないと決めているので、どんなに時間がかかっても気持ちに余裕を残しておこうと思っていた。
結果的には3時間40分程度で31キロほどを走った。後半はかなり疲れて遅くなっちゃったけど、終始走ることはできた。富士山マラソンでは前半のオーバーペースのせいで後半は失速して歩いてしまったことを考えると、ちゃんと一定ペースで走れば大丈夫だという自信を得た。しかもこの日は時折小雪が舞う天候で、気温もかなり低かった。強い風も時折吹き付けるようなコンディションだったので、よほど体調が悪かったり天候が荒れたりしない限り大丈夫のような気がしている・・・いや、分からないけどね。
ちなみに今回のコースは地元の鉄道の路線に絡む部分があって、そのすべてで走行する電車を見ることができた。権太坂前の国道1号線では東海道線、上永谷手前の歩道橋で横浜市営地下鉄、屏風ヶ浦で京浜急行線、磯子駅辺りで京浜東北線を見た。横浜スタジアム辺りで京浜東北線の高架をくぐるんだけど、ちょうど貨物列車が通過しているのを見ることもできた。鉄道に少なからず魅力を感じているぼくとしては、ちょっと嬉しい電車との出会いであった。

さて、今日は12日。本番まであと11日である。いやホント、どうなるだろうね。
スタートラインに立つには、その前日までに東京ビッグサイトのエキスポで受付を済ませないといけないのだけど、以前行ったことのあるエキスポでは、東京マラソンを走るランナー垂涎のいろんなグッズやウェアを売っていて、ぼくは何よりこれを楽しみにしている。楽しみにし過ぎるあまり卒倒しちゃわないか心配である。
この前の大雪でのはしゃぎようを冷静に思い返してみると、タカが外れると後で恥ずかしくなるくらい年甲斐もなくはしゃいでしまうことが分かり、今回はまさに7回もの落選を経て経験する初めての「自分のためのエキスポ」だから、そのはしゃぎっぷりが心配である。
時の経つのは早いもので、こうしてあと11日などと焦っている間にも、本番は着実に近づいてきて、気が付くとエキスポの帰り道、本番は明日、なんてことになる。いや、はたと気づくとスタートラインで寒風に震えている自分を発見するかもしれない。
ぼくの短いランニング人生の中で、もっとも楽しみにしているイベントがもうすぐそこまで来ているのである。
| Be RUNNER! | 12:51 | comments(0) | trackbacks(0)
カムバック!アイアンウーマン!
東京マラソンまであと2週間ほどである。
先週の大雪でロングラン練習の予定ががらがらと崩れてしまい、完走に向けてちょっと不安が出てきたけど、それ以上に不安なことが起こっている。
さきこの走力が一向に上がらないのだ。いや、上がらないどころか減退していると言ってもいい。ランニング練習で近所を10キロほど走っても、彼女はなかなかぼくに付いて来られない。激しい息遣いと足の痛みで早く走れないのだ。
一昨年の年末に子宮筋腫を摘出する手術を受け、明けて2月の神奈川マラソンでは往年の走りを彷彿とさせる復活ぶりを見せたさきこだけど、夏以降から次第に減退を始め、ついに普通にランニングすることが困難になってきたのだ。いや、それどころか自宅前の階段を上るにも苦しそうな状況である。これは何か異常である。
そこでこの前さきこが風邪をひいて会社を休んだ際についでに病院に行ってきた。超音波エコーかなんかで調べた限りだそうだけど、また子宮筋腫ができているようなのである。再発である。今度の筋腫は前回に比べてさほど大きいものではないそうだけど、できた場所があまり良くないそうで、身体への影響が大きいそうなのだ。
ショックである。
昨年お腹を開ける大きな手術をしておいて、周辺の怪しい筋腫はすべて摘出したハズなのに、この短期間で再発である。どういうことなんだと思うね。世の中にはもっと不条理な病気で苦しんでいる人がたくさんいるので、この程度でどうこうとは言わないけど、さほど大きな事件の少なかったぼくとさきこの人生の中では、前回に続き今回も大きな事件であることは間違いない。今まさにその入口に立っているのである。
もしまた手術で対応できるのであれば、さきこは今回もちゃちゃっと摘出しちゃおうと考えているそうだ。大きな手術になるのか、入院はするのか、病院はどこになるのかなどいろいろと考えてしまう。さて今回はどういう展開になるだろうか。
そして、さきこが楽しみにしていた東京マラソンはどうなるだろうか。
| 日記 | 12:22 | comments(0) | trackbacks(0)
大雪の非日常風景。
先週の土曜日は大変な大雪だった。一説には20年振りの降雪量だそうな。強い低気圧が発達しながら首都圏を通過したのが原因だそうで、天気図で見ると980ヘクトパスカルを下回るような台風並みの低気圧で驚いた。
そんな雪が土曜日の未明から土曜日一杯までずっと降り続けた。交通機関は完全にマヒしてしまい、飛行機も新幹線も在来の電車もバスもほとんどが止まってしまったようである。これが平日じゃなくてホント良かった。午前中に会社に行けたとしても、絶対に帰ってこられなかったと思う。
さて、そんな非日常な休日である。せっかくなので、その非日常っぷりを楽しむことにした。
さきこと夕方前に買い出しに行って、その帰りに寄り道なぞして帰ってきた。近所の公園は見渡す限り雪景色で、普段の風景とはまったく別世界だった。ぼくはスキーをしないので、雪が積もるってだけでも結構テンションがあがってしまう。さらにいつも見慣れた風景が一変することでかなりのハイテンションである。まあ20年振りのお雪だから20年分過去に戻ってはしゃいでも、誰もぼくを責められないのだ。
買い出しを終えて自宅に戻ると、今度はレインウェアを着て傘を持たずに外に出た。さきこは長靴のような長いブーツを履いた。
ぼくの自宅マンションに至る直前にかなり急な坂道があって、これは某サイトによると横浜市内の激坂の中でベスト10に入るほどの急坂なんだけど、こんな雪なのでクルマもバスも通れず、人もほとんど歩かないために新設が坂道にずっと続いていた。スキー場ってこんな感じなんだろうか。
そんな雪景色を前にほとんど子供に戻って走ったり、蹴ったり、倒れたりして、ホント年甲斐もなく遊んでしまった。道に人がいなくて、風の音以外は静まり返っていたために世の中に人がいなくなっちゃったかのような錯覚すらあった。この非日常っぷりに感動してはしゃいでしまった。
残念なのは、強風で吹き付けた雪粒や水滴がぼくのメガネにくっついて視界を悪くしていたことである。10分もするとぼくの視界はほとんど利かなくなっちゃって、景色に感動することもできなくなってしまった。近所の高台をぐるっと一周しただけで帰ってきた。
翌日は時折陽光が差すような日で、気温も高かったので雪はどんどん融けていった。庭から見た白い非日常の風景はどんどんいつもの風景に戻っていった。
さきこと近くまで散歩に出かけたけど、懸命に雪かきする人のおかげで、道は黒々としたアスファルトが顔をのぞかせ、道端に積み上げられた雪は泥などが混じり、チェーンを装着したクルマが往来する雪の轍はシャーベット状になっていた。以前にも経験があるけど、最近は大雪が降っても翌日に気温が上昇してあっという間に溶けてしまうこともあるようである。
こうして急速に日常が取り戻されていくと、前日にはしゃいだあの風景がまるで夢の中だったかのようだと思うのだった。だからかも知れないけど、雪が降っている時にぼくはしきりに思ったものである。「雪が降り止まなければいいのに」と。会社のことや日曜日にイベントがある人もたくさんいただろうに、年甲斐もなくそんなことを思っていたのだった。


 
| 日記 | 12:51 | comments(0) | trackbacks(0)
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