「シュンスケニウムの原子量」の大統一バージョン
リテイクの嵐と120羽のフラミンゴ。
入院しているさきこのお見舞いの合間に、ぼくは週末に絵なぞを描き上げることができた。1か月振りに描き上がったわ。今は描き上げた達成感に浸っているところである。
今回は某SNSの個人ページの表紙に使おうと思っていて、そのために長い画像にする必要があり、結果として2枚の絵なぞをパソコンで繋げることになった。これは初めての試みである。またモチーフにした「ウユニ塩湖」の青い空を表現するためにエアブラシで空の色を塗り、かつ湖面に映った空もエアブラシで塗るという工程を踏んだ。これによって、空と湖面を2枚分、つまり4つの部分にエアブラシをかけることになった。これも初めての試みである。しかも、2枚の画像が空と湖面でそれぞれ繋がって見えるようにするため、空と湖面をそれぞれ同じ濃度にする必要があり、かつ湖面の色は空の色よりも乳白色っぽい淡い感じにしないといけないので、エアブラシのコントロールが普段以上に求めらることになった。いやこの程度のコントロールなんてエアブラシを普通に使ってる人にとっては当たり前かもしれないけど、まだまだ初心者の域を出ないぼくにとっては、初体験の連続でなかなかの冒険だったのである。
2枚の続き絵のうち1枚には、湖面すれすれに飛翔する10羽のフラミンゴが描かれていて、これが湖面に映っている。つまり1枚の絵なぞに20羽のフラミンゴを描くわけだけど、エアブラシの調整やらフラミンゴの着彩の失敗などが原因で、何度も描き直しになった。特にフラミンゴの着彩がうまくいき、空の色もエアブラシでいい感じで塗れて、最後の工程として湖面に映った空をエアブラシで塗っている時に失敗が多かった。表現としては、空の色よりも湖面の空の方が淡い感じにしないといけないのに、同じ色かちょっと濃い感じにさえなってしまうのだ。エアブラシをかけない部分は透明なマスキングシートで覆うわけだけど、エアブラシを塗布している時はそのマスキングシートにも着彩されるわけで、空をマスキングしてもこの上からさらにエアブラシで湖面の色が重ねられるので、見た目上は湖面が塗られるに従って、空の色も濃くなっていくのである。つまり空の色よりも淡くなるように塗っているんだけど、空の色はどんどん重ねられていくわけである。こうしてぼくは、一定程度の塗布を終えてマスキングシートを剥がしてみて初めて、湖面の色を塗り過ぎたことに気づくわけである。空よりも湖面の青が濃いわけはないので、つまり失敗ということになる。
ぼくは着彩前に失敗しても最初からやり直さなくていいように、同じ画像を2枚描いておくのだけど、こんな失敗が続いちゃったので、結局3回も描き直した。1回につき予備も含めて2枚描くので、つまり合計6枚も描き直したわけである。いやよくぞそこまでモチベーションが続いたものである。しかも、湖面を飛ぶフラミンゴは既述のとおり1枚につき20羽なので、20羽×6枚ってことで結局120羽ものフラミンゴを描いたわけである。いや、よくぞ諦めなかったと思う。
今回はうまくいけばいい絵なぞになることが分かっていたので、かなり粘って描いた。描き直しって結構気持ち的に堪えるものだけど、今回は気持ちが強かったんだと思う。
こうして描き上げた絵なぞはパソコンソフト上で繋げる処理をする。ここでもちょっと手間取りがあったけど、なんとか克服して、一枚の画像に合成することができた。こうしてパソコンの画面になって初めてぼくは描こうとしていた絵なぞに対面することができたわけである。いやホント長かったなー。
それにしても、パソコンの画面の中でだけ完成した絵なぞに会えるというのはどうなんだろうね。今回は2枚の別々の絵なぞを描いて、パソコンで合成する形を取ったので、ぼくの手元には1枚の完成した絵なぞがないのである。完成したものはパソコンの画面の中にある。横に長いので、パソコンの画面で全体像を映そうとするとかなり縮小することになり、部分的に拡大したと思うと全体像はさっぱり分からなくなる。これが意外にもしっくり来なかった。物凄く違和感だった。紙に描かれたものとして手元に現物がないということもそうだけど、部分と全体が同時に認識できないというのはぼくには相当な違和感だったのである。パソコンで絵を描く人ってどんどん増えてくるし、ぼくも非常に興味があるのだけど、この違和感を思うにつけ、ぼくはパソコンでお絵描きをすることに向いていないんだなーと思った。
さて、描き上げた絵なぞは、お絵描き専門のSNSにアップした。
それから数日ほど経っているけど、反応はなかなかなものである。去年どういうわけか閲覧数や評価数、評価点、お気に入り登録数などが段違いに伸びた絵なぞがあってこれには到底及ばないけど、これに次ぐくらいの高評価である。まあウユニ塩湖の風景ってのは、定番ではあるもののまあウケるものなので、ぼくの絵なぞがどうということではなく、モチーフが良かったということだろうね。それでも、評価をいただくのは気持ちがいいものである。
こうしてぼくはまた次の絵なぞに向けて右脳で夢想する。その揺らぎの中で、何かのスイッチが入った時だけ、右脳の夢想は具現化に向けて動き出すのである。そして絵なぞが描き上がるわけだけど、その長く苦しい道のりを思いつつ、絵の具と水と筆の戯れにただ思いを傾けるのが楽しくてしょうがないのである。

※1枚の成功といろんな理由でリテイクになった120羽のフラミンゴ。

※こうして描き上がった精一杯の1枚。
| 日記 | 12:56 | comments(0) | trackbacks(0)
さきこ、予後。
先週の木曜日にさきこの子宮摘出手術が実施され、無事終了した。
17時に手術室に入っていったさきこは、それから3時間ほどで病室に戻ってきた。手術は成功し、既に麻酔から覚醒していたさきこに手術の成功を伝えてその日は帰ってきた。
手術は結果的には成功したけど、内臓の癒着がそれなりにあったようで、これを切断したりしたそうだけど、卵巣1個は子宮と一緒に摘出することになっってしまった。卵巣は2個あるから、さきこの体内には卵巣がまだ1個残っていることになる。ホルモンなどの影響はほとんどないそうなので、まあこの点はしょうがないかなと思っている。卵巣との癒着以外にも腸との癒着が子宮の裏側にも見られたそうである。前の開腹手術の際に臓器癒着を引き起こす何かがあったのかもしれないね。でもこれ以外についてはほとんど予定通りだったそうである。いやホント無事で良かったわ。
このような内容を担当の医師が説明してくれて、せっかくなのでいろいろ興味がある点を聞いてみたり、パソコンに表示された手術の状況写真なんかをカメラで撮影したりした。そういえば、以前の回復手術でも摘出した子宮筋腫をiPhoneで撮らせてもらったな。ぼくのiPhoneに内蔵の写真が保存されていると思うとなんかシュールである。
その後さきこは驚異的な回復を見せ、先ほどお見舞いしてきたけど、既に病院内をテクテク歩けるほどにまで回復しているようである。早く回復してまた遊びたいものである。
さきこは月曜日に退院してその後1週間ほど自宅療養に入る。これで問題ないようだと、6月の上旬に仕事に復帰できるそうである。さきこの一日も早い回復を願うばかりである。

ところで、話しは変わってぼくの話しだけど、金曜日は仕事的にもなかなか上手くいったことがあって、気分が良かったので、帰宅途中に焼き肉屋に行って一人で焼き肉なぞ食べた。ビールなぞ飲んで非常に気分がいいわーと思い、その様子を某SNSに書いておこうと写真を撮った。「今日は気分がいいので、一人焼き肉です」なんてコメントも添えてアップした。それ自体は別にどうということのない日常の話しだけど、後になってiPhoneに保存されている写真を見返してぎょっとしてしまった。
焼き肉の写真の前に撮られている写真が、さきこの手術風景なのである。医師の説明の際に撮らせてもらった手術部位の写真や摘出した子宮の写真で、その次に撮られているのが赤みの牛肉が焼き網の上でジュウジュウされている写真である。これを並べて見ると、まるでさきこから摘出した臓器を焼き網の上で焼いているように見えて、テレビでよくあるような「この後スタッフで美味しくいただきました」って風になってしまってたのが面白かった。

そんなわけで、ぼくとさきこはまたひとつの山を越えることができた。激励していただいた方には大大感謝である。これでまたさきこと将来の話しができそうである。
| 日記 | 15:49 | comments(0) | trackbacks(0)
さきこ手術開始。
予定よりも1時間ほど遅れてさきこが手術室に入っていった。ぼくは手術室前でさきこを見送った後、今は昨日いい景色を見たエリア(デイルームというそうな)で手術が終わるまで時間を潰している。2、3時間の手術だそうなので、終わるのは19時とか20時とかだろう。ほとんど面会時間の終了時刻なので、全身麻酔が切れたとは言えまだ頭がぼうっとしているさきこと話しをすることはできないと思う。今日のところは無事手術が終わったことを確認して帰宅する形になるだろう。
今日は面会が可能になる13時から見舞いに行った。入院2日目のさきこはベッドの上でいつものようにアッケラカンとしていて、腕に点滴を差しつつも、デイルームで談笑したり、最上階の展望室に行ったりした。睡眠剤の影響なのか眠そうにしていて、ぼくも昨夜は実はあまり眠れなかったので、さきこはベッドで、ぼくは喫茶店で少し睡眠をとったりした。場所が病院というだけで、あまり普段と変わらない感じである。
でもさすがに手術室に向かうとなると緊張するものである。いやさきこではなく、ぼくがである。さきこに何度も「頑張って」と言ったけど、「頑張るのは医者だ」なんて某あ○ち充のマンガみたいなことは言わず、テクテクと手術室に入っていった。
あとどのくらいで終わるかなー。とにかく、頑張れ、さきこ!
※さきこの手術に際して何人かの方から激励をいただいた。大感謝!である。
※入院中のさきこの写真を何枚か撮影したけど、化粧っ気のないさきこを公開するのもどうかと思うので、とりあえず窓の外の景色である。
| 日記 | 18:22 | comments(0) | trackbacks(0)
さきこ入院。
いよいよ今日からさきこの入院生活が始まった。そして明日16時より手術である。
腹腔鏡手術というもので、前回のようにばっさりとお腹を切るような手術ではないのだそう。詳しくは分からないけど、とにかく無事に手術が終わって元気になってくれることを祈っている。
今回の入院・手術は、横浜の市大病院である。ぼくにとっては物凄く地元な病院なんだけど、今まで入ったことはなく、ましてや上階の入院病棟に行ったこともない。さきこの入院に付き合って病棟まで行ったんだけど、病室の窓から見る景色は、まあスゴかった。地元ではいわゆるランドマーク的な建物だから当然だけど、ぼくの人生で過ごしてきたすべての場所が一望に見渡せるのだ。
インターネットでは地図や衛星写真、航空写真を見ることが今や簡単になったけど、こうして高い建物の窓から見渡すというのは稀有な経験である。幼少時を過ごした商店街周辺が眼下に見え、その向こうに木々に覆われた丘があり、その上には学校の校舎、この校舎からさらに反対側に坂道を下ると、今ぼくが住んでいる街である。ぼくの住んでいるマンションは丘の陰になって見えないけど、さらにその向こうには上大岡の高層マンションが見える。「ぼくの住んでいる世界はこうなっていたんだ」と思い知る強烈なインパクトがあった。うん、これはスゴいわ。面会者が一息つける場所があって、この場所の窓が西向きになってるところがさらにいい。きっと夕暮れには富士山だって見えるだろうね。さすが横浜を代表する大病院である。最上階に展望室があるらしいので、あとで見に行ってみようと思う。
ちなみにぼくが景色に感動している間、さきこは入院に際しての手続きの説明や問診や採血なんかを受けていたみたいで、ぼくがさきこを放って病院内を探検していたわけではない。
それにしても、現段階ではぼくも景色を見る程度の余裕はあるようである。明日は手術だから、ぼくもちょっとドキドキするんだと思う。実際どうなるか。事前に医師から聞いていたようなイレギュラーがあって、急きょ予定を変更して開腹手術になったり、前回の手術による臓器の癒着なんかがあって当初予定のない臓器も摘出するようなことがなければいいな。とにかくすべてが予定通り行って欲しいと思う。すべてが予定通り運び、そして予定通り退院して、さきこが早く復活して欲しいなと願うばかりである。
手術は、明日16時に始まる。
| 日記 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0)
近況。
最近は全然ブログが更新できていない。ちょっと面白そうな読書をしているからなんだけど、今回はとにかく簡潔に最近のことを書いておきたい。

ひとつ目は、映画のことである。
話題のディズニーアニメ「アナと雪の女王」を観てきた。映画の内容よりもその主題歌が話題になってる感があったんだけど、実際に観てみると、音楽はなかなかいい感じだった。とても好きになった、音楽は。ただね、ストーリーはどうかなー。分かりやすくはあるけど、単純過ぎるというか、そのくせ設定が甘かったりして、ぼくにはちょっと響かなかった。サウンドトラックだったら買ってしまうほど音楽にはホレこんだけど、DVDを買って観ようという映画ではなかったかな。

さくっと次の話し。幕張に「ニコニコ超会議」に行ってみた。
ニコニコ動画の様々なコンテンツを実際にその場に出現させようといった感じのオトナの文化祭的な催しである。ぼくはこういうイベントには非常に興味があるものの気後れしてなかなか行けないのだけど、今回は3回目の開催ということで初心者的な気後れを感じることがないので、胸を張ってさきこを伴って行ってきた。暑い中かなり並んで会場に入ったけど、目の前に戦闘用ヘリコプターや深海探査船、深海の生物ダイオウグソクムシが現れたのはちょっと感激だった。自衛隊がこういうフザケたイベントに真面目に出てくるというギャップが面白い。戦争は嫌いだけど戦争ごっこは大好きなぼくの子供心をそそられた。ちなみに、ニコニコ動画ではもはや定番ネタである「○○してみた」的なブースには全然興味がなかった。アイドルや歌手が出てきてもなんだかなーな感じ。それよりも科学ネタのコーナーで地球上最強の動物といわれる「クマムシ」の実物を見られた方が感動したかな。その辺りにはぼくと非常に話しの合いそうな兄ちゃんたちがたくさんたむろしていた。ワクワクしつつも一部なんだかなーな感じでちょっと不完全燃焼だったけど、それなりに面白かったかな。

さらに次の話し。みなとみらいで開催されたビール祭に今年も行ってきた。
高校時代の同じ吹奏楽部仲間と会っていろいろ話してきた・・・ても、えんどうさんとはその前週、ぼくの誕生日の夜にさきこと一緒に飲みに行ったので、久し振りではなかったのだけどね。11時に集合してビールを飲みながら談笑して、海を見て、コーヒー屋で談笑して、その後吉野町の某寿司屋で海鮮ちらしなぞ食べて、帰途に就いたのは21時を超えていた。いや、話しまくったわ。某寿司屋では今年高校生になったお子さんも合流して、楽しく談笑した。こういう日っていいよねーと思った。

そして、ついにゴールデンウイークに突入である。
初日にさきことクルマで高崎方面に向かった。高崎の先にある碓氷峠に鉄道文化村という施設がある。ぼくが最近鉄道に興味が出ていることと、碓氷峠はいつか行くであろうチャレンジサイクリングで通過する難所であることなど、ほとんどぼくだけの都合だけど、さきこに付き合ってもらった。しかしその道程は散々だった。50キロにも及ぼうかという大渋滞にハマってしまい、朝6時に出たのに現地に到着したのは14時を大きく過ぎていた。途中休憩とかしたけど、いやはや大変なドライブだった。
鉄道を見た後に碓氷峠を走って、文化遺産になっている信越本線の旧道を歩いてきた。特に通称メガネ橋と言われる煉瓦造りの鉄道橋にはそのスケール感に圧倒された。この橋の写真はネットなどで散々見てきたものだけど、実物はスゴかった。資料によるとこれを9か月もの短期間に作ったそうである。碓氷峠を超える線路の敷設を2年弱で成し遂げたこともそうだけど、明治初期の人の「鉄道を作る」という気合いにスゴさに圧倒される。外国に追いつこうと必死になり、富国強兵策を猛烈に推し進める当時の熱意がそのまま具現化されたような圧倒感。これはとにかくスゴい。
再び碓氷峠に来ることを誓いつつ、軽井沢に至り、アウトレットでショッピングなぞして、暗くなったので空を仰ぐと満点の星空で、そうだ、ぼくはさきこにこういう景色を見せなければいけなかったんだと思い、でも時間もなく渋滞の疲労も酷かったので、高崎に戻ることにした。やはりまた来るしかないね。
その日は高崎に泊まったのだけど、翌日は渋滞が恐ろしくてとにかく早く帰ろうということで、午前中から帰途に就いた。幸いというか案の定というか、渋滞は発生していなくて、時間を持て余してしまった。

この日以降、すっきり晴れることはなくて、自宅で悶々と過ごしてしまった。疲労なのか、風邪っぽさがあったしね。
どこにも出かけずに、ずっと家にいた。おかげで長編アニメを2本、丸ごと観ることができた。休暇の過ごし方としては最低な過ごし方だけどね。
毎年5月の連休は自転車仲間と遠征サイクリングに行くのだけど、今年はそれができなかったのでしょうがないかな。ただその仲間たちがヤビツ峠に行ったり、福島のまだ積雪の残る道をサイクリングしたりしている話しを聞くと無性に羨ましくなるのだった。
簡潔に書くつもりが結構文字数を割いてしまったかな。


| 日記 | 14:09 | comments(0) | trackbacks(0)
夢想の地平面
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