2015.04.24 Friday
基本的人権、歩行の自由。
今だから話せるけど・・・っていや大した話しじゃないんだけど、実はつい先日までウオノメに苦しめられていた。三浦国際市民マラソンの後からだから、もう1か月以上もずっとウオノメに苦しめられていたことになる。
ウオノメってのはタコみたいなもので、皮膚にできる固い突起のことを言うそうなのだけど、タコは皮膚の外側に突起するのに対し、ウオノメは内側に突起するんだそうな。内側に突起したウオノメは圧迫されると皮膚の内側にある神経も圧迫するので、時に痛みを生じるのだそうである。ぼくのウオノメは左足の裏側にできてしまったので、歩くたびにウオノメに体重がかかるので、物凄く痛い。足を庇いながら歩くんだけど、ヒョコヒョコ歩きで全然機敏に動けないばかりか、変な筋肉を使うようで足の筋が痛くなっちゃったりした。
そんな状態なので、ランニングなんてとてもできない。4月上旬の横浜ロードレースはこのために辞退するハメになったのである。
市販されているウオノメ治療薬もいろいろ試してみた。ジェル状の薬剤を患部に塗布するタイプやウオノメを囲むようにドーナツ状の緩衝材の付いたバンソーコーみたいなタイプなどである。これを2週間ほどずっと施していたんだけど、快復の兆しは全然見えなかった。靴が悪いのかと思って靴を変えたりしたけど、これも効果なしだった。このまま走れなくなっていくのかと絶望的な思いに囚われていた矢先である。
コロッと治っちゃったのだ。いや、ここはポロッとと言うべきか。(どっちでもいいか)
なぜか・・・。いや真相は未だにナゾなのだ。今後のためにもどうして治ったのかを知りたいところなんだけど、確かなことは分からない。
ただこの日の経緯を考えると、ヒントみたいなものを見出すことができる。
この日の朝、ぼくは出勤の支度をする中で、ウオノメに薬剤を塗布して、その上からドーナツ型の緩衝材の付いたバンソーコーを貼った。これはもうほとんど毎日のことなのだけど、ぼくは身体が硬いので足の裏側に薬剤を塗ったりバンソーコーを貼ったりするは結構大変な作業なのである。この日もこの作業を何とか終え、着替えて家を出た。しかし、家を出てみて分かったことだけど、ウオノメがいつも以上に痛いのだ。前日までは歩いててもこれほど痛くなかったのに、この日はどうしたことか?
理由は単純で、ウオノメの上に緩衝材が乗った状態になっちゃってたのだ。緩衝材でウオノメを囲うように貼らなければならないバンソーコーがズレちゃったというわけである。しかしこれは大変なことである。ウオノメの上にさらに突起があることになるので、足を踏み出すたびにモロにウオノメに当たるのである。これは痛い。こんな状態で会社まで行くことは不可能である。いっそバンソーコーなんてない方がマシである。
そう考えて、ぼくは駅に到着すると人通りを避けて物陰に隠れ、急いで靴を脱いで、靴下を脱いで、バンソーコーを剥がそうとした。しかしバンソーコーはなかなかの粘着力で、なかなか剥がれない。電車の時刻も迫っているので、ここはかなり強引にベリベリっと引っぺがした。足裏には何も貼られていない状態になり、これでとりあえず、ウオノメにプレッシャーはかからないことになった。歩いてもウオノメが痛いことはなかったので、とりあえず安心した。
しかし妙だった。痛みがなさ過ぎた。いや完全に消えたわけではないけど、でもいつもよりも痛くないような気がした。
会社に到着してからはそんなことはコロッと忘れて、仕事をしてたんだけど、夕方頃にふと思い立って、誰もいない会議室に入ってそっと靴と靴下を脱いで見てみたのである。
するとそれまで硬い皮膚で覆われていた部分がまったく消えていたのだ。その代り、赤い薄皮のような皮膚になっていた。ウオノメが皮膚ごと剥がれちゃって、その下にできていた薄皮が露わになったような感じである。どこかで皮膚が剥がれたのだろうけど、どこで剥がれたのか。靴下の中にも剥がれた皮膚は見当たらなかった。そこで思い出したのだ。朝バンソーコーをかなり強引にベリベリっと剥がしたわ。
きっとウオノメとその周辺の皮膚はその時バンソーコーと一緒に剥がれたのだろう。バンソーコーは捨てちゃったけど、もし手元にあればマジマジと見てみたいものである。
それにしても、ウオノメの下に薄皮ができていたということは、薬は効いていたということだろうか。
ともかくもこうしてぼくのウオノメはバンソーコーを剥がす時にポロッと剥がれてなくなったわけである。
いやもう治ったことがとても嬉しい。今まで苦しんでいたことから完全に開放されるのである。これでもう左折する時に気を遣わなくてもいいし、路面にある視覚障害者用の点字ブロックを不用意に踏んで、それがウオノメを直撃して悶絶するなんて心配もしなくていいのである。何の憂いもなく歩けるというのは、なんて自由な世界なんだろう。そして足の心配がなくなったので、ランニングに復帰できる。これも大きな喜びである。ちょっとサボり期間が長くなったけど、これからまた定期的に走っていきたいと思う。
さらば、ウオノメ。もう戻ってくんな!