2016.03.29 Tuesday
チェンジ・フォー・ザ・オリンピック。
先ほど書いた東京マラソンのコース変更の件について、午後になって新しいコースの発表があった。ぼくが予想していた以上に大きな抜本的な変更だった。
新宿・都庁前をスタートした後、5キロ過ぎの飯田橋の先から早々に変更されたコースに入る。神田から日本橋、その後浅草に方向を変え、雷門で折り返した後、隅田川を渡り、両国、門前仲町で折り返して、銀座に戻って南下、品川手前で折り返して、日比谷から東京駅をバックに皇居に向かってフィニッシュする。いや、もうこれまでの東京マラソンをガラッと一新したというか、過去と決別した感のあるコースである。ほとんど別のマラソン大会だわ。従来のコースを折り返しの銀座までは踏襲するだろうと踏んでいたぼくの予想は完全に外れた。同時に佃大橋かそれ以上の上り坂が現われるだろうと思っていたのもハズれた。まさか、浅草からさらに東に向かうとはね。
いずれにしても、このコースがこれからの東京マラソンのコースとなる。この中で苦しくも楽しい42キロのドラマが展開するのである。いやはや、2年前とは言え、一度でも従前のコースで走れて良かったわ。
それにしてもこの変更の理由には、やはりなんだかしっくりこない。先ほどのブログでは「東京駅周辺をフィニッシュ地点にして、もっと大会を盛り上げる」のが狙いと書いたけど、その後発表された都知事の話しでは、「ベルリンマラソンのフィニッシュ地点であるブランデンブルク門のように東京を象徴するフィニッシュ地点にしたかった」みたいなことを言っていた。東京マラソンのフィニッシュ地点をよりドラマチックにするみたいな話しである。
いや、こりゃもう余計にうさん臭さがアップしたわ。
ホントにそんな理由で、伝統になりつつあった東京マラソンのコースを変えたのだろうか。フィニッシュ地点が象徴的でドラマチックであることの方が伝統よりも重要視されるのだろうか?
ぼくにはこの感覚がどうにも納得できなくて、何かヒントはないものかと今日はずっとネットで検索をしていた。そしてふと思いつくのだ。
今回の話しが、「東京マラソンのコースの変更」という言い方ではなく、「フィニッシュ地点を東京ビッグサイトから東京駅へ変更」という言い方にしていたのは何か理由があるだろうか。発表されたコースは従来のコースと大きく変わったものであり、それを踏まえていればニュースリリースの表現としては、「東京マラソンのコースの変更」とするのがごく自然である。コースが発表されたこの時点で振り返ってみると、フィニッシュ地点の変更をことさらに大きく取り上げる話しでもないような気がするのである。
もしかすると、フィニッシュ地点である東京ビッグサイトに何か原因があるのかもしれない・・・そう思ったとき、ヒラメいたのだ。東京ビッグサイトと東京オリンピックの関係である。
これは以前ぼくのブログにも書いたけど、東京ビッグサイトは2019年4月から2020年11月まで東京オリンピックのプレスセンターとして使用することになるため、ここで開催されるすべてのイベントは他の会場に移動せざるを得ないという話しがある。東京マラソンはこの期間中に1回だけ、ビッグサイトでの開催ができないことになる。この1回はどうするんだろうなーと漠然と思っていたけど、今回のコース変更がその答えなのかもしれないのだ。
つまり、コースを抜本的に見直し、フィニッシュ地点を東京駅を背に皇居方面に抜ける形にする、と。東京オリンピックの影響でコースが変更になるのはランナーからの反発も予想されるので、先行して3年くらい前からコースを変更してしまおう、と。オリンピックとは無関係なほど早期にコース変更すれば、その理由を現行のコースの問題点、たとえば佃大橋の上り坂の難所やフィニッシュ地点の交通の便、商業施設の不足などを改善することとしたり、フィニッシュ地点をよりドラマチックで象徴的にするなどと寝ぼけた理由にすることもできるわけである。
いや、これはあくまでぼくの想像であり、妄想であり、戯言だけど、でも、ぼく個人としてはこういう理由の方が実はしっくりきてしまう。「オリンピックでビッグサイトが使えないので、これをゴマかすために3年前から早めにコースを変えることにしました」うん、これだったら、なんだか納得がいく。
もちろん、そんな理由でのコース変更には1ミリも賛成できない。先ほどのブログにも書いたけど、東京マラソンのあのコースを実現するために10年以上前に担当者は、考えに考え抜き、地を這うような根回しをしたと思うのだ。それが10年の時を経て、こうして多くの人に愛されるマラソン大会に成長したのである。そのかつての担当者を思うと、一部の懐古主義、カネの亡者、流行に流されるアンポンタンたちのせいで、安易にコースが変更されるのは、まったく解せない話しである。やはり日本でオリンピックをやるのは反対だなあ。
そんなわけで、ぼくの妄想が勝手に暴走して勝手に憤っちゃってる感じになっちゃったけど、コースが変更になったのは妄想ではなく現実である。これを受け入れて、またランニングを頑張ろうと思う。そう、発表されたコースは紙の上で俯瞰してるだけでは全然魅力的じゃないけど、実際走ってみると実は非常にいいコースなのかもしれない。少なくともフィニッシュは以前よりもドラマチックになるのは確実だろうし、ね。
次回もぜひ応募して、高い倍率をくぐり抜けたいものである・・・なんて、次回の応募者が果たしてどのくらいになるか、最初の評価はここで下るんだろうな。