「シュンスケニウムの原子量」の大統一バージョン
近況。

例年7月20日辺りで梅雨明けするところだけど、今年は20日を1週間も過ぎているというのに、一向に梅雨明けする様子がない。天気図なんかを見ていても、確かに梅雨前線は勢力を弱めて途切れている感じなんだけど、太平洋上に大きな高気圧が張り出しておらず、なんだか微妙というか混沌というか変な天気図である。それでも今週末や来週くらいには梅雨明けしてくれるんだろうね。
さて、夏になると到来するのが、サイクリング旅行である。
今年は何より知床チャレンジ500キロがあるけど、その前に自転車仲間と行く出雲サイクリングがある。米子から松江、出雲の辺りは過去に何度か自転車で走ったことがあるけど、さきこを連れて行きたいと思っていたので、非常に楽しみである。
ついこの間、飛行機やサンライズ出雲の手配をしたかと思ったら、もう来週末まで迫っているというのだから、いや時間の経つのは早いものである。
出雲サイクリングまで2週間を切ったということは、その2週間後に始まる知床チャレンジは1か月を切ったということである。分かりにくい表現だけど、ともかく、構想に数か月を要して、1年も前から楽しみにしてきた北海道のサイクリングがついに1か月前を切ったわけである。いや、時間が経つのは早いなー。
ちょっと前に航空券の手配をした以降は、特に準備をしていない。まだ荷物をまとめる時期でもないし、タイヤの空気圧をチェックする時期でもない。今やるべきことがあるとすれば、体力作りかな。
1日70キロから100キロくらいを7日にわたって走るので、それに耐えられる脚力はつけておかないといけないだろう。心肺機能も高めておかないとね。実は3月の横浜マラソン以降、足を痛めたことを口実にあまり走れていないのだ。地元でも練習しないし、イベントにも出ていない。体形はあまり変化がないけど、脚力は確実に落ちているハズである。
そういう危機感もあって、先週は鎌倉を巡るサイクリングに行ってきた。湘南国際村まで行って、今回はそこから国道16号線の方に向かって走ることにした。そして横須賀辺りから北上して帰宅したわけである。走行距離は55キロほど。久し振りの割にはちょっと頑張って走った感じである。これを毎週続けて、しかも平日は軽くランニングでもすれば、あと1か月でそれなりに脚力はつくかもしれない。まあゆっくり北海道の景色を楽しむサイクリングだから、それほど頑張って体力作りしなくてもいいわけなんだけどね。その点では出雲サイクリングもいい練習になるかもしれない。


平日は相変わらずのネコネコライフである。2匹とも元気な時は非常に活発で、心優しいコウくんはたまに自分の尻尾でフクくんをジャレつかせて遊んであげているようである。ソファで寛ぐさきこの上に乗って、前足を踏み踏みしたりするのにさきこだけでなくぼくも癒されている毎日である。

| 日記 | 13:01 | comments(0) | trackbacks(0)
ネコ、カムバック。

里親探しをしているボランティアの方から2匹のネコを譲り受けてから数日、ネコたちの体調不良によりボランティアの方に一旦お返ししていたネコたちが、先日自宅に戻ってきた。先々週の金曜日にお返しして、戻ってきたのが先週金曜日だから、ほぼ1週間のネコなし生活だったわけである。いや、これは長かった。
その間、ネコたちはボランティアの方の自宅や動物病院にいて、いろいろ治療を試みたようである。結果的には風邪からくる鼻炎に近い症状だったみたいで、動物病院の医師が言うには、特にコウくんはもともと鼻が弱い個体なのではないかとの見立てだった。しばらくは薬が出ているので、これで様子をみようということになっている。とりあえずは、様子見かな。たまにくしゃみを連発したりする以外は基本的には元気に飛び回っているので、ことさら大騒ぎするほどの病状ではないと思うんだけどね。

 

さて、ネコがいない間のさきことお袋さんは、こちらが気の毒になるほど寂しそうだった。ネコが亡くなったわけでもないのに、ペットロスか思うほど寂しさに苛まれ、さきこはiPhoneで録画した動画を一日数回は見て気を紛らわせていたほどである。我が家に迎え入れてからほんの数日でこれほどの愛着が出てしまうんだから、ネコの威力とはスゴいものである。
ネコたちが戻ってきた今は、久し振りのネコライフを楽しんでいる。もともとニンゲンが2人しかいない家に、お袋さんとネコ2匹がやってきたわけである。ホント賑やかになったものである。

 

ちなみに話しが前後するけど、ネコがボランティアの方の家に戻っている間、動物病院に電話して話しを聞いたり、ネコを再びぼくの自宅に持ってくる日程などの調整をしたりしたのは、ぼくである。動物病院の方もそうだけど、特にボランティアの方の話しがどうにも要領を得ず、でも話す速度だけはマシンガンのように息つくヒマもないほどだったものだから、さきこもお袋さんもちょっと辟易しちゃったみたいである。まあこの方の要領を得ないマシンガントークとは、いわゆる本物のマシンガントークと違い、浴びせられる言葉にはあまり重みがないもので、いわばマシンガンと言っても発泡スチロールでできた弾がポコポコ発射されるイメージに近いから、こちらから少し実のある話しを同じマシンガンでぶっ放せば、徐々にこちらの話しを聞かざるを得ない状況に持っていけるんだけどね。しかし問題は、そんな痛くもないマシンガントークの端々に、「体調不良なネコの世話は大変だから、別のネコを充てようか?」という打診も含まれることで、たった数日とは言え既にかけがえのない存在になっていたコウくんとフクくんだから、失礼のないようやんわりとお断りしつつ、それでも要領の得ない話しを聞き取ってこちらの要望を聞いてもらうというのは、なんだか面白い体験だった。ネコたちの体調不良が原因で一時的に戻しているだけなのに、なぜ別のネコを充てるなどという話しになるのか。笑顔で交わされる言葉と裏腹に、ちょっとした心理戦というか、返還交渉にも似た会話が交わされたのは、意外に面白かったわ。

ちなみにさらに脱線するけど、もともとこのボランティアの方が里親として募集していたのは、別のネコだったのだ。しかし、そのネコは既に他に里親になる人が決まってしまったので、他にもいいネコがいるからと誘われたこの方の自宅でコウくんに会い、近所の動物病院でフクくんに会ったのである。つまり、既に当初の希望から「他のネコを充てられ」ていたわけである。コウくんもフクくんも、既にぼくにとってはかけがえのない存在だけど、彼らと出会うまでにこういうこともあったという意味で書き残しておく。

 

ともかくも、コウくん、フクくんは帰ってきたのである。

そんな水面下の返還交渉も知らず、今日もネコたちは激しくじゃれ合い、ネコご飯を貪り食い、昼寝をし、起きて再びじゃれ合ったかと思うと、「ご飯マダー?」などと鳴くのである。
これがこれからのぼくの家のスタンダードな風景になっていくのだろうか。
これからもよろしく頼むよ、コウくん、フクくん。

| ネコネコライフ | 12:37 | comments(0) | trackbacks(0)
アイアンさきこの激走。

先週末はさきこのランニングイベントがあった。この時期にランニングイベントというのは少し珍しい。日に日に暑くなっていく中、ランニングには少々危険な季節になってきた。北海道とか富士山とか、この時期でもまだ肌寒いところでは、性懲りもなくランニングイベントがあったりするけど、関東近辺ではほとんど開催されることはないのである。
しかし、そんな中、今回さきこが参加するランニングイベントはなかなかシビれるものだった。
横浜を出発して、国道1号線をひた走り、箱根湯本まで行こうというのである。その距離、なんと60キロ。
さすがに日中に開催するのは狂気の沙汰を超えて、ほとんど自殺行為なので、気温の落ち着いた夜に走るそうである。つまり、夕方からスタートして、比較的涼しい夜を通して走り続け、日が昇る明け方にフィニッシュする形である。いや、それにしたって、この時期に徹夜で60キロを走るのはそれだけで充分、狂気の沙汰だけどね。

 

さきこはこのイベントをどこで探してきたのか、非常に楽しみにしていた。やる気満々だった。しかし練習の方はまったくと言っていいほどできていなかった。特に本番直前は、雨が降ったりして思うように練習できなかったようである。しかも数週間前からはネコが自宅にやってくるということで、その受け入れのためにバタバタしていたし、果たしてネコがやってきた以降はネコを置いてさくっと走りに出かけちゃうこともできなくて、ただネコを撫でまわすような自堕落な生活になってしまい、つまりそんなわけで、ランニングはまったくできなかったのである。
そんな状態で10キロくらいならともかく、フルマラソン以上の距離を走って大丈夫だろうかと、ぼくはとても心配だった。ここで無理することで、小康状態の腰痛が出てきたりしないだろうか。いや、それどころか新たに他の部位を痛めることにならないだろうか。
そんな不安を持て余す中、ついに当日を迎えてしまった。梅雨の季節だったけど、とりあえず天気は悪化しないようで、ひとまず雨中ランニングだけは避けられそうだった。各地で豪雨の被害が出ている中、雨が降らないというのはちょっと嬉しい展開である。気温もさほど高くならないとの予報なので、ゆっくり無理せず走れば、もしかしたら楽しいランニングになるかもしれない。

 

ちなみに、このイベントをさきこと一緒に走ることになっていたまりこさんは、開催日を1日間違えていたみたいで、実家で寛いでいた。あまりに寛ぎ過ぎて、ぼくたちからの連絡に一切気づかず、スタート直前になっても現地にも現われないばかりか、変な想像がひとりでに増大してしまった。一人暮らしの彼女だから、自宅で何かあったのかもしれない、急に倒れて身動きができなくなってしまったとか、何か変な事件に巻き込まれてしまったんじゃないかとか。
幸い、スタート直前になって電話が通じたので、さきこは予定通り、イベントのスタートと共に走り出していったけど、あと少し連絡が取れなければ、イベントなんかに参加してる場合じゃないわけで、ここは本人の自宅まで行ってみるしかあるまいということになっていた。その場合、警察や管理会社にも連絡しないとなーとか、こりゃ長い夜になりそうだなどと、止めどなく膨らむ悪い想像を押し止めるのが大変だった。それだけでもう疲れちゃったよ。

 

※スタート地点にて。夕陽をバックに。

 

とにかく、まりこさんの無事が分かったので、ぼくは安心してさきこを見送ることができた。
ランナーが走り出していき、さきこを見送ってから、ぼくは自転車屋に行って買い物などしつつ、ふと思い立って、国道1号線を走ってみることにした。うまくすればさきこに追いつくかもしれない。一人で夕食を食べる前に、さきこを応援することにした。
道路は渋滞していたけど、スタートから40分ほど経過した辺りの権太坂で最後尾に追いつくことができ、権太坂を下ったところで早くも補給食を食べているさきこを捉えることができた。少し先のコンビニにクルマを停めて、さきこを迎えることにしたんだけど、他のランナーは早くも歩いている人なんかもいて、こんな状態で箱根湯本まで行けるのだろうかとこちらが不安になるほどだった。まあ、タイムや順位を競うレースじゃないからいいんだけどね。さきこもスタートからまだ10キロ弱の地点とは言え、無理せず歩いたり走ったりしつつ、箱根までのロングランを楽しんでいるようだった。

 

※権太坂をクルマで追いかける。既に歩いている人もいた。

 

ここでさきことはしばらくのお別れ。さきこは戸塚方面に向かって走っていき、ぼくは食事を摂って帰宅後、早めに就寝することにした。ネコもいない、さきこもいない部屋で過ごすのは何だか不思議な感じである。ぼくが和室の布団ではなく、ベッドで寝るようになって1年以上が経つけど、さきこが不在の夜を過ごしたのはたぶん初めてだったからだろう。
だから夜中3時に起きた時に隣のベッドにさきこが寝ていないことが分かった時には、「まーた夜更かししてテレビとか観てるな」と苦々しく思ったものである。すぐに思い出して、「いや、さきこは今走ってるんだ!迎えに行かなくちゃ!」と飛び起きた。
出かける準備をして4時頃にクルマに乗る。電話してみると、さきこはまりこさんと一緒に、50キロ手前辺りを走行中のようである。既に相模川を越え、大磯を超えた辺りを走っているようである。電話の声は楽しそうだった。まりこさんと無事に合流できて、楽しくお喋りでもしながら走ってるのかもしれない。断続的に歩いたり走ったりしてるのだそう。
ぼくはクルマに飛び乗って、一路箱根湯本を目指した。
まだ夜の明けない道はかなり空いていて、気持ちよく走ることができた。国道1号線から新湘南バイパスを経て、国道134号線から西湘バイパスへ。できればフィニッシュ地点前に走るさきこを捉えたいと思った。
小田原で再び電話すると、既に小田原を超えて、残り3キロほどのところを走ってるそうである。おお、何とか間に合ったか。
箱根に向かう道を走っていると、何人ものランナーを見かけた。みんな、大会事務局から配布されたリフレクター付きの黄色いタスキを肩から下げていた。このタスキをかけた人がイベント参加者なのである。そういえば、西湘バイパスに入る直前の国道134号線を走っている時にも、黄色いタスキをかけたランナーの集団を見かけたな。あれは大磯の手前だからまだ20キロ以上も残ってる場所だったハズである。さきこからかなり距離が離れているけど、あれが最後尾だったのかな。

 

ふと前を走る集団の中に、さきこを見つけた。
面白い光景である。昨日さきこと別れたぼくは夕食を食べ、自宅でまったり過ごし、就寝してぐっすり眠った後に起床して、クルマではるばる箱根まで来たのである。その間、さきこはずっと走ったり歩いたりしていたわけである。なんだか不思議な気持ちになった。さきこの隣にまりこさんがいた。あぁ、良かった。事件に巻き込まれたかもなんて変な想像を膨らませていたのが、遠い過去のようである。
ほとんどクルマの通らない道の交通の邪魔にならない場所にクルマを停めて、さきこを追いかけ、声をかけた。
さすがに疲れていたようだけど、でも楽しそうに走っていた。足も腰も痛いけど、走れないほどではないようである。まったく練習していないのに、よくここまで走れるものである。でも安心したわ。当初懸念していたように、このランニングで無理がたたって変な不調をきたすんじゃないかと思っていたからね。

 

※小田原過ぎでさきこを発見!

 

再びクルマに乗り込んで、箱根湯本のフィニッシュ地点に向かう。少し急な坂道を上り、これを超えると、小田急・箱根湯本駅特徴のあるデザインの駅舎が見えた。おお、あれがフィニッシュ地点である。横浜から延々60キロを走った先にあるフィニッシュである。それを見たランナーたちは、重い足を引きずるようにして再び走り出した。まさに満身創痍の状態で、ここまで辿り着き、ついにその終わりが見えたのである。これは応援するぼくでも感動してしまうわ。思わずクルマの中から「頑張れー!」とか「お疲れさまー!」とか言っていた。
フィニッシュ地点は、かなり簡素なものだった。いや、よくあるランニングイベントのようなフィニッシュゲートのようなものはなく、ただタイム表示の機器だけが置いてあるだけであった。事務局の人がガスコンロなんかで味噌汁を作ったり、冷えたビールを手渡していたりした。知らない人から見れば、早朝5時頃の陽の昇り切っていない時間帯に、ビールを飲む人たちってのはかなり奇異に映っただろうな。

  

※フィニッシュ目前。さきこが走ってきた!

 

こうしてさきこは60キロを走り切り、無事フィニッシュすることができた。いや、ホントまともに練習していないのに、よく走れたものである。途中合流したまりこさんもお疲れさま!
長い戦いを終えて、しばらくフィニッシュ地点の周辺でゆっくりしていたんだけど、制限時刻の6時を超えて、フィニッシュする人も少なくなってきたし、フィニッシュ後のランナーも続々と引き上げて行ったので、ぼくたちも荷物をまとめて帰ることにした。
クルマを近くまで乗りつけて、満身創痍で足を引きずるさきこを乗せて、西湘バイパスから帰途に就いた。
地元まで戻ってきていわゆるスーパー銭湯に入ったところで、ぼくも眠気に襲われて少しうたた寝をした。いや、ぼくも朝4時から頑張って走ったものである。

 

※フィニッシュ後のさきこ。お疲れさま〜〜!

 

今回のランニングイベントはタイムや順位など一切コダワらないのだけど、参考までにさきこは午前5時20分過ぎにフィニッシュした。つまり11時間20分程度でフィニッシュしたことになる。まあ、10キロを2時間弱で走ったことになる。途中で1キロ走っては1キロ歩くを繰り返したり、これを2キロ走って1キロ歩くに変えたりして、あまり気負わなかったことが完走の秘訣かもしれない。とにかく60キロを踏破することを目指し、見事達成したわけである。
ぼくもなんだか興味が湧いてきた。来年は参加してみるかな。ぼくはフルマラソン以上の距離を走ったことがなくて、さきこが過去に走ったチャレンジ富士五湖に出てみようかと考えたりもしたけど、こちらの方が少しハードルが低そうである。初めてのウルトラマラソンにはちょうどいいかもしれないね。
ともかくも、さきこはよくやった。頑張った。今はとにかくゆっくりして欲しい。
そして、ぜひ来年はぼくと一緒にフィニッシュして欲しいと思うのである。

| Be RUNNER! | 12:19 | comments(0) | trackbacks(0)
ネコなし生活。

先週、ぼくの自宅にやってきたネコたちは、ぼくとさきこ、お袋さんに多大なる癒しを与えた。まさにぼくたちの生活に新しい風を吹き込んだ。ぼくたちはネコの何気ない仕草にいちいち感動して、その度にストレスが解放されていくのを感じた。特にネコがじゃれてくる時や撫でてもらいたくて近づいてくる時には、物凄く癒しを感じたし、ネコを飼って良かったなーとつくづく思ったものである。ネコがやってきて数日で、早くもネコたちはぼくにとってかけがえのない存在になっていた。

 

しかし、今、ぼくの自宅にネコたちはいない。
ネコゲージにはその姿がなく、使われなくなったネコトイレはただそこに置いてあるだけだし、ネコ食器は洗われてキッチンに逆さにして置いたままだし、苦労して建築したネコタワーに登るものは何もない。いや確かにそこにネコはいたのだ。しかし、今や、自宅のどこを探してもネコは見えないのである。

 

実は今、ネコは2匹とも里親探しの方の自宅に引き取られている。一週間前に彼らを連れてきてくれた方である。
ネコたちがぼくの自宅にやってきた時から少々具合が悪かったのだ。コウくんには鼻炎の症状があり、一日数回はくしゃみが止まらなくなる症状があった。粘り気の強い鼻水が垂れることもあって、鼻がなんだかおかしいことを彼自身、非常に気にしていた。これが悪化しそうな気配があったのである。またフクくんの方は、もともと目の調子が良くないところに加えて、少しずつ元気がなくなっていた。慣れない環境で体調を崩してしまったようなのである。どちらも引き取り直後からその兆候はあって、ぼくたちが引き取った以降も改善する様子は見えなかったのだ。それを気にしていた里親探しの方から連絡があり、現在の状態を聞くにつけ、それなら早めに対応した方がいいということで、先方が懇意にしている動物病院に連れていくことになったというわけである。
当初は週末の休日に連れていく形だったんだけど、さきこがランニングイベントに参加することや先方の都合なんかもあって、休日を迎える前、金曜日中にネコは連れていかれることになった。その引き取りの際にはお袋さんが立ち会ってくれて、やっと慣れてきた部屋を後にするネコたちの不安そうな声を聞いて居たたまれなくなったそうである。ぼくもさきこも引き取り時には会社にいたので、しばらくのお別れの間際に立ち会うことができなかった。お袋さんや里親探しの方とは連絡を取り合っていたので、ネコたちが引き取られていったことはもちろん知っていたけど、会社から帰って帰宅して、ネコのいないリビングに少なからずショックを受けたものである。この一週間というもの、朝になると名残惜しそうに見送ってくれたネコたちと、やっと巡ってきたこの週末にゆっくり相手をしてやれると思っていたのに、なんだかお預けを食らったような感じになってしまった。
ネコと楽しい週末が来ることを楽しみに過ごしてきたさきこは、ぼく以上にショックを受けていると思う。病気を治すためだと分かってはいるけど、わずか一週間で離ればなれになるのは、それまでの癒しが大きかった分、精神的落差が大き過ぎたのである。
ちなみに、ネコのいない週末は空虚だった。先に書いたように、主のいないネコゲージ、使われないネコトイレやネコ食器、登るもののいないネコタワー、そのすべてが虚しかった。さきこと休日のリビングにいて、今まで何年もそうしてきたようにテレビを見ながらコーヒーなんかを飲んだりしているのに、異様に静かなのである。ネコがいる賑やかな生活が唐突に終わりを告げ、その抜け殻だけがそこにあるというのが、これほど空虚感をもよおすものとは思っていなかった。いや、数日の別離であることも分かっているけど、それにしたってこの虚しさは如何ともしがたい。ほんの数日のネコライフだったけど、ぼくたちにとって物凄く意味のある日々だったんだと思い知ったのである。
冗談みたいな話しだけど、ほんの数日でペットロスになっちゃったみたいな感じである。

 

さて、ネコたちのその後の病状だけど、実はあまり要領を得ない。実際、どういう状況なのか、分からないのである。里親探しの方は、動物病院に連れて行って、何らかの処置をしてくれているようだけど、ぼくが聞いていてもその話しはよく分からない。理解困難な話しをいろいろ補完して再構築してみると、ネコたちはとりあえず徐々に回復しているようである。その点は一安心といったところである。ただ時折、せっかく里親になってくれたぼくたちに、体調が万全でないネコを渡してしまったことを悔いてなのか、コウくん、フクくんに代わって他のネコを紹介してもいい的なことを言い出すのが気になる。どんな思いが裏にあるのか知らないけど、既に数日とは言え、彼らと過ごしてきたぼくたちには愛着や情もあるわけで、消耗品のように不良品と交換するという感覚にはもはやなれない。気を遣って言ってくれているのも分かるけど、ぼくたちにとってはコウくん、フクくんがもはやかけがえのない存在になっているのである。
ただ、冷静に考えると、里親探しの方が言うことも分からなくもない。常に面倒を見なければならない障害を抱えたネコを、仕事を持つぼくたちが対応することはとてもできない。お袋さんに過度に負担をかけるわけにもいかない。ネコたちが一時的な病気であればいいのだけど、そうでない場合は、いくら愛着や情があったとしても、里親探しの方が言うことに耳を傾ける必要もあるのかもしれない。今はともかく、動物病院の処置に期待するばかりである。

 

そんなわけで、せっかくの週末にネコライフを満喫することができず、癒しが大きかった分、欲求不満が増大しているぼくたちは、とにかくネコが元気になってくれることだけど祈って過ごすしかないのである。里親探しの方の話しによれば、来週には完治するだろうとの見立てなので、それに期待するしている。
早く元気になって、またもう一度ぼくの自宅に戻ってきて欲しいものである。ソファでうたた寝するネコをやさしく撫でるような生活が来るのをただ祈るばかりである。

| ネコネコライフ | 10:53 | comments(0) | trackbacks(0)
赤く咲いても、白く咲いても、宝塚的プレゼンとの出会い。

先日書いたけど、取引先からの依頼で、今日はとある展示会で講演してきた。今日はこの展示会の会期最終日で、午前と午後に1回ずつ講演するんだけど、最終日で翌日は休日ということもあり、つまり午後は特に多くの見学者が訪れるわけで、そう思うにつけ、その日が近づくにつれて緊張の度合いは増していった。前回の某大学での講演で失敗しちゃったから、これを何とか挽回しないといけないと思っていたのだ。前回の失敗とは、つまり早口である。早口で喋らないようにしないといけないそのプレッシャーは大きかった。

 

さて、どうやって早口で喋らないようにしようか。
先日はその対策として、落語を聞いて話術を会得する方法に活路を見出したけど、何かとバタバタしているうちに時間が過ぎ、とても悠長に落語なんぞ聞いている状況ではなくなってしまった。今すぐに効果のある「早口特効薬」みたいなものが必要だった。
しかし、ふいに、もう唐突に天啓ともいうべき妙案がぼくの中に降ってきたのだ。

 

今回の講演は、某大学での講演とは少し色合いが異なる。展示会の会場内で、多くの人が行き交う中で、注目を集めるために喋るのである。要するに客寄せである。話す内容を理解してもらうことよりも、キャッチーな言葉で人の足を止めること重要なのである。それは講演ではなく、プレゼンテーションに近い。いや、もはや「バナナ売り」に近いと言っていいだろう。つまりテンションが違うのである。
そうであれば、先の某大学での講演の経験は生かす必要がない。喋る内容は同じだけど、ぼくはバナナ売りの役を演じつつ喋ればいいわけである。そこで思い出されたのは、2020年のオリンピック開催都市を決める各国のプレゼンテーションの中で、今や前々都知事になっちゃった某都知事が語った恥ずかしいまでに嫌悪的なオーバーアクションである。そうだ、ぼくはあんな感じで恥ずかしいほど大仰に語ればいいのである。
そう思うと、ちょっと楽しくなってきた。ぼくは大学時代に演劇のサークルに所属して、何度か舞台を踏んでいる。あの時のように、展示ブースの小さなステージを演劇の舞台にして、ぼくは語るべき内容を大袈裟に語ればいいのである。そう、あの場で求められるのは、舞台役者なのだ。論理的に理知的に冷静に語る講義者ではない。これはいきなり光明が見えてきたぞ。

 

そんなノリで当日の喋る内容をもう一度書き起こしてみた。聴衆を引き付ける簡潔で分かりやすいキャッチフレーズを散りばめつつ、演劇のセリフのように原稿を書いていった。なんだか演劇のシナリオを書いてるような気分である。演劇の舞台で一人延々と独白を続ける主人公、大仰な役回りと言えば、そうだな、宝塚歌劇団の出演者のようなノリかな。そうだ、18世紀を舞台にした宮廷革命悲劇の主人公のような!バラは、バラは〜♪いや、ぼくは宝塚見たことないけどね。
そうして書き上げた原稿を持って、音の漏れにくい会議室にひっそり籠って少し練習してみた。大学の頃を思い出すのだ。

 

・・・スゴい、見事なほど早口ではない。しかも、キャッチーなセリフに感情が乗って、より情熱的なプレゼンに仕上がっている。某大学では用意してきたパワーポイントの画面をただ淡々と説明するに過ぎなかった内容が、どこか劇的な風味をまとった一大叙事詩のように聞こえてくるのである。まるで目の前に白亜の宮殿が見えてきそうである。バラは、バラは〜♪
ホントに早口じゃないのかを確認するために、iPhoneで録音して聞いてみた。前回の講演で録音した内容はあまりにも早口過ぎて自己嫌悪に苛まれて、とても最後まで聞けたものではなかったけど、今回の練習を録音したものは聞いていて全然嫌にならないのだ。自分の声って録音で聞くと違和感もあって少し不快なんだけど、そんな違和感もほとんど感じさせないのである。
これである。今回はシチュエーションに助けられたけど、結果的に早口にならず喋ることのできる方法を見出すことができた。宝塚歌劇団に感謝である。

 

そして本番である。
実はまったく緊張しなかった。ぼくが登壇する前にぼくのことを紹介する司会の女性が、どれだけぼくを持ち上げてくれても、照れることなくすっと壇上にあがり、マイクを握り、ゆっくりと喋り出したのである。ステージ前を横切る人が足を止めてぼくの話しを聞く。いや、素通りする人の方が多いのかもしれないけど、それでもぼくが喋っている間に20人近い人がぼくの話しを聞いてくれていた。全然緊張しなかったし、早口になることもなかった。
午後の講演では、ぼくがうっかり口を滑らせちゃったせいで、面白半分でぼくを見に来た会社の人たちにも動じることなく、いい感じで喋り終えることができた。いや、このままずっと話していてもいいと思える・・・と言うと言い過ぎだけど、でもなんだか気持ち良かったなぁ。

 

そんなわけで、ぼくの早口を巡る話しは、これでフィナーレである。ぼくがどんなに気持ち良く喋っていようが、取引先にとってぼくの講演がどこまで役に立ったかは分からない。まあシロウトにしてはそれなりにやったと思うけど、この程度なら営業マンに喋らせたって良かったかもしれないしね。だからこういうチャンスは二度と巡って来ないかもしれないけど、それでも日本全国からたくさんのビジネスマンが集まる場で、こんなことができて良かった。少し大袈裟かもしれないけど、一生モノの思い出である。
それにしても、今回ぼくを助けてくれた演劇的プレゼン話法が、今後役立つことはないと思うけど、やはりこういう喋り方はぼくに合っているかもしれないね。落語を聴きに行くよりも、宝塚のステージを観に行く方が、ぼくの人生に大きく貢献するような気もしている。
いつか行けるかな、宝塚。

| 日記 | 19:49 | comments(0) | trackbacks(0)
ヒポクラテスの子供たち。

昨日はお袋さんに付き合って、手術後の状況なんかを聞きに病院に行ってきた。
問診だけだったけど、お袋さんの症状なんかを聞いて、手術の状況なんかも話しして、今後定期的に胃の検査をしましょうって話しになった。手術時の写真なんかも見せてもらって、胃壁にあるポリープ状の病巣がキレイに剥がされているのが分かった。手術・入院後の状況は良好のようである。良かったわ。
そんなわけで、お袋さんの病気はひとまず終了ということになった。これからまた何かあればサポートしていきたいと思う。
ちなみに、この診察の時間はだいたい15分程度。聞きたいことは聞けたので、意外なほどあっさりした感じで終わった。

 

しかし、この診察時間というのが問題である。というのは、冒頭に書いた医師の診察があったのが、13時ちょっと前頃の話しなんだけど、お袋さんが病院から告げられた受診時間は、10時だったのである。ぼくたちは、10時の10分くらい前に病院に着き、再診受付の手続きをして、待合エリアでずっと座っていたんだけど、ぼくたちには一向にお呼びがかからず、ついに昼を超えてしまったわけである。別にこの後に予定があったわけでもないけど、来いと言われた時間に赴いたら3時間も待たされるって展開にぼくは非常に驚いた。いや、端的に言ってイライラがマックス、ほとんど憤っていた。
そういえば、お袋さんの手術の時もそうだった。手術の前にお袋さんをお見舞いしたいから手術の時間を確認したんだけど、「前の人が終わり次第施術します」的な回答があり、つまり正確な時間は分からないということだったんだけど、看護師が言うには「前の人が終わり次第とは言っても、この日の手術予定の2人目だから、だいたい11時くらいじゃないか」ということで、つまり9時に1人目が始まったとして、2時間もかからないだろうという予測なんだけど、ぼくはこれを信じ、さらに1人目が早めに終わっちゃってお袋さんの手術の時間が繰り上がっちゃいけないので、11時の1時間ちょっと前、9時40分くらいからお袋さんの病室で待機していたわけである。しかし、待てど暮らせどまったくお呼びがかからず、やっと声がかかったのは、陽も傾き始めた4時頃のことだった。2人目の手術で6時間ほども待つなんてどういうことか。この後に何人手術するか分からないけど、その後の人も相当待たされたハズである。
手術の日にそんな経験もあったので、この日の診察もなぜ3時間も待たなければならないのかとイライラマックス、耳から煙が出るほど憤っていた。しかし、ここで医師に向かって詰問したところで、きっと何も生まないだろうし、いやそれどころか、「嫌な患者」なんて思われて、医療行為に手を抜かれかねないなんて不安もあるから、ぼくは何とかイライラを表に出さないようにして、「なぜこの病院はここまで受診者を待たせるのか?」という命題を必死に考えていた。
一生懸命考えたんだけど、どう考えてもこれほど待つのは、病院の受診システムに何らかの構造不全があるようにしか思えないのだ。受診開始となる9時からお袋さんが受診予約した10時までに一体何人の受診者がいたか知らないけど、それぞれが懇切丁寧な医療行為によって受診時間が長引き、それによってその後の受診者の受診時間が遅れるというのなら、何らかの改善が必要なのである。完全な構造不全である。先の手術だってそうである。内視鏡手術とは言え、身体にある程度の負担をかけるような医療行為にもかかわらず、その施術時間が分からないばかりか、この日の2番目に施術を受ける人が目安時間よりも6時間も遅れるというのは、病院のシステムに何らかの問題があるのである。もし、病院の構造不全でないというのなら、なんだろう。もう単純な話し、受診者がナメられているのである。こっちはなるべく多くの受診者を診てやるから、お前らはせいぜい医者に空き時間ができないようにずっと待っとけや・・・的な、ね。いやどうかな、それはないか。

 

もちろん、この話しは医療行為の質とは無関係である。ぼくはこの病院の受診システムはイケてないと思うけど、医療行為は信頼しているし、お袋さんを快復させてくれたことに感謝もしている。
ちなみに、さきこが婦人科系の手術をしたみなとみらいの某け○ゆう病院や某○大病院でも、受診システムに何ら不満は起こらなかった。多少の誤差はあっても、予定時刻に診察があり、予定時刻に手術を受けることができた。さきこが手術室に呼ばれていった時に、お袋さんの時のように「やっとお呼びがかかったよ」なんて1ミリも思わず、ただひたすら手術の成功を祈ることができたものである。○大病院の方は、受診待ちや会計待ちの際には、ポケベルを渡されるそうで、これが鳴ったら来てくださいなんてシステムになっていた。なるほど、これはスマートだね。
受診システムが効率的な病院もあれば、そうでない病院もあるわけで、きっと病院の経営状態なんかも絡んで、非効率を改善する設備投資ができる・できないに格差があるのかもしれないね。

 

そんなことを思っていたら、ぼくの仕事関係でいくつかの会社を思い出した。医療関係に特化したコンサルティング会社である。
病院の財務体質を分析して、問題を明らかにし、これを解決して、運営をよりスムーズにするというものである。その他にも医療機器に特化したコンサル会社とか医師の適正配置や過疎地対策、介護医療などに取り組むコンサル会社なんかもあった。なぜ、これほど医療系のコンサル会社は多いのだろうと思ったものだ。コンサルタントとして輝かしい経歴がある人が、ある時ふと思い立って、医療機関を対象にしたコンサル業務を起業するケースをよく聞くから、ぼくが邪推するに、少なからず病院の非効率なシステムに触れたからではないだろうか。
医療をサービスと置き換えるなら、サービスを提供する人とこれを受ける代わりに対価を払う人という単純構造の中で、たとえば受診までの待ち時間が長過ぎるという非効率があり、そんな不当な扱いの割に、医師は偉そうに上から目線でものを言い、医療費は決して安くないのである。これではサービスを与える者と受ける者がまったく対等ではないじゃないか。そんな対等関係が崩れ、非効率が増大した体制は、ちょっと改善してやるだけで物凄くスムーズになるんじゃないか。水の通りが悪くなった配管の一部をちょっとイジってやるだけで、配管全体が非常に効率よく機能するようになるのである。コンサル会社って、改善の余地が大きくて改善の期待効果が大きい案件を好む傾向があるから、こうした病院のシステム不全はまさに大好物だし、きっとそんな風に考えたんじゃないかな。病院の体制が効率的になり、収益も増えて、受診者や患者の満足度が上がるんだから、もう言うことなしである。
しかし、ぼくが昨日体験したとおり、それなりに大きな病院でさえ、そんな非効率に甘んじている状況である。もしかしたら、こうした医療系コンサル会社が施す改善策を阻害する大きな障害があるのかもしれない。病院のためにもなり、患者のためにもなるような改善策が進まない理由は、もしかしたら医療行政にかかわる利権なんかが原因かもしれない。何らかの利権を守るために、現状の非効率さを維持しないといけないなんて、ホントにアホな話しである。いや、実際のところは分からないけどね。でもそう考えるとなんだか筋が通ってる感じもして、多くの優秀なコンサルタントが崇高な目的のために医療体制の改善に挑み、巨大な利権構造に打ち破れ、その屍が重なっていく様子が目に浮かんじゃうのである。
いずれにしても、目の前の看護師やお袋さんを治療してくれた医師にイライラをぶつけるのは筋違いである。いや、分かってるんだけどね。それにしたって、3時間ほども待って、15分の診察であっさり終わってしまったら、ぼくだってさすがにモヤモヤするのである。


こんな医療体制の不全状態は、いつか解消されるのだろうか。ぼくがお袋さんくらいの年齢になって、病院通いになる時も、「この病院はしょうがないんだよ」なんて諦め顔で延々と自分の受診が回ってくるのを待つしかないのだろうか。
そんなわけで、せっかく会社から休みをいただいたのに、帰宅してから出かけることもできず、ネコたちと戯れつつ、ほとんど悶々と無為に過ごしてしまった日であった。

| 日記 | 13:23 | comments(0) | trackbacks(0)
ネコタワー建設。

ぼくの自宅にネコがやってきて3日が経過した。十数年振りのネコライフだけど、今はもう毎日が発見の連続である。心優しく寂しがり屋で嫉妬心も強いコウくんと大食漢で元気いっぱい、でも甘えん坊なフクくんが、これからどういう風に成長していくか楽しみである。過去にネコを飼っていた経験があると言っても、ネコはそれぞれ性格が違うわけだから、日々発見と驚きの連続であるのは当然かもしれないね。
しかし、そんな驚きの連続は、実はぼくよりもさきこの方が多く感じているかもしれない。さきこの実家も過去にネコを飼っていて、さきこが実家に遊びにいく度にネコと対面していたんだけど、そのネコがいわゆる「ツンデレ」な性格だったのだ。ほとんど鳴かないし、すり寄ってきたりもしない。お腹が空いた時でも、ネコ用食器の前でじとっと見つめているだけだったそうだし、一方で冬の日に寒さで冷たくなったさきこの足先にいつの間にか寄り添って暖めていたり、人語を介するのではないかと思うほど利口な一面もあったりして、ぼくから言わせれば「それは本当にネコだったのか?」と思うようなエピソードに事欠かないのだけど、そんなネコの経験しかないさきこには、お腹が空いてもニャーニャー、寂しくてもニャーニャー鳴くネコは初めてだろうし、寂しくてすり寄ってくるネコも初めてだろう。抱き上げるだけでゴロゴロ言うネコも初めてだろう。そうである、さきこには経験がないかもしれないが、ネコはこうしてニンゲンを骨抜きにするのである。いやオソロシイ生き物である。

 

そんなネコたちのために遊び場を作ってやろうと、ネコタワーの建設を進めていた。先週の休日にホームセンターで木材を買ってきて、ちょうどぼくの自室にある壁面棚を作る要領で、ネコが登って遊べる階段状のステップを壁面に作ったのである。現段階ではその第一フェーズが完成したに過ぎず、今後は部屋の上部はすべてネコの通り道になるような感じでネコ専用の通路を作ってみようと思っている。できれば、ネコ自身がこのネコタワーを発見して、その楽しさを自ら開拓するようにしたい。「おっ、こんなところにネコタワーが?!」と驚きつつ、恐る恐るステップを上がっていくネコの様子を観察したいものである。

 

ちなみに壁面棚みたいな雰囲気でネコタワーを作る人はたくさんいて、ぼくもネットでの情報を参考にしているけど、他の同様のネコタワーと比較して、結果的にちょっと雰囲気が違う感じになっちゃったな。ステップごとのピッチに差があるのか、ステップの板の大きさが小さ過ぎるのか。でも、この程度のステップならネコは難なく上っていくだろう。慣れてしまえば最上ステップで寛ぐネコから見下ろされる日もそう遠くないと思っている。
早く上って遊んだりしないかなー。

※ネコタワー建設予定地。ステップをガムテでバミってある。

※2×4材を床と天井で突っ張って柱を立てる。

※柱にステップを付けた。棚板レールを使わなかったので、水平を取ったり、ステップごとの高さを揃えたりするのが大変だった。第二弾フェーズでは、もっと作りやすく工夫しよう。

ちなみに柱に荒縄を巻いて、爪とぎができるようにした。

| ネコネコライフ | 12:31 | comments(0) | trackbacks(0)
ネコ・リズム。

先週土曜日、ついに自宅にネコが来た。
キジトラ柄(オス)と白黒ツートンカラーのハチワレ柄(オス)の2匹である。
名前はさきこが命名した。キジトラ柄が「コウ」くん、ハチワレ柄が「フク」くんである。まあベタながら2匹で「幸福」というわけである。
これまで多くのネコを里親に紹介してきた方が、ぼくたちにこの2匹を引き合わせてくれた。コウくんはこの方が群馬県横川辺りで保護してきたネコで、だから出生日などは分からず、おそらく生後4か月くらいとの話しである。フクくんは、動物病院で里親を待っていて、生後4週間程度だそうである。

 

里親としてぼくたちにこの2匹を紹介してくれた方は、西鎌倉に住んでいて、先月一度ご自宅を訪問している。今までに900匹以上の里親にネコを紹介してきたそうである。この日は雨の中、クルマでぼくの自宅まで来てくれた。
2個のキャリーバッグに別々に入れられたネコは、自宅に入ったところでキャリーバッグから出されて、初めて相対することになった。ぼくはこの瞬間を見ていなかったんだけど、今まで動物病院の狭いゲージ生活だったフクくんはにわかに広い世界を目の当たりにしてかなり不安そうだったけど、年上のコウくんがすぐに気遣う素振りをみせたそうな。その後、室内をぐるっと探検して、すぐにリラックスして毛づくろいを始めたみたいで、他のネコを気遣ったり、新しい環境にも適応が早かったりと、コウくんは早くもその大物っぷりを見せてくれた。
一方フクくんは、かなり不安そうだった。本来ならまだ親ネコの庇護の下にいてもおかしくないくらいだから無理もない。しかしコウくんの親切に触れて徐々に慣れていったようで、その日のうちにお互いにジャレ合うようにまでなった。当初は別々の環境にいた2匹が仲良くなるだろうかと不安だったけど、問題なさそうである。

 

ちなみに、コウくんもフクくんも少し具合が悪い。コウくんは風邪なのかくしゃみを連発することが多くて、薬を飲んでいる。フクくんは目に涙が溜まることが多くて、どうも目に不具合を抱えているようである。紹介してくれた方が言うには、どちらもほとんど治りつつあるそうだけど、今後は注意が必要かもしれないね。動物病院でちゃんと診断した結果を聞きたいものである。

動物であるがゆえに、上下関係を決めるための行動は既に始まっている。ジャレれているようで、実は力を誇示するためにコウくんがフクをねじ伏せて、マウンティングするのを既に見かけている。年上で今のところ体格も大きいコウくんが上位であることを確認するための儀式みたいなものである。しかし優しく人懐っこい性格もあってか、マウンティングした状態でたまにこちらをチラッと見るので、「ぼくの方が上だよね、そうだよね?ちゃんと見ててね」なんて言ってるようで、これがかなりカワイイわ。

 

雑然とした自宅は片付けられ、大きなネコ用のゲージが置かれ、ネコトイレなんかも設置済である。廊下のドアは常に閉じられるようにして、ネコがうっかり外に出ちゃわないように注意をしている。そしてぼくが自作するキャットタワーも第一弾が近々完成予定である。ぼくの自宅は早くも完全にネコ中心になってしまったわけである。自室で優雅に音楽なぞ聴いたり、絵なぞを描いたり、パソコンをカチャカチャやったりする時間は、少なくともこの週末には一度もなかった。だからなのか、ぼくもさきこも非常に疲れた。週末は夜更かししちゃうこともあるけど、0時近くになると早くも瞼が重くなる。週末の2日ともそうだった。子供がいないぼくの家は、自分ペースの時間がゆったりしていたのかもしれない。そこにパワフルな仔ネコが2匹も入ってきたので、いきなりネコリズムになっちゃったわけである。いや、疲れるわ。そんな日がこれからずっと続くのである。
ネコでさえこんなテンテコマイで疲労しちゃうんだから、ニンゲンの子供が生まれてたらどうなってたのかと思うわ。ネコ以上に子供中心の生活になっていたと思うし、ネコ以上に疲れるだろうな。そんな子供とのかかわりが20年近く続くのである。いやはや、ぼくには無理だわ。ネコで精いっぱいだわ。

 

そんなわけで、ネコネコライフの始まりである。ぼくの生活がネコの到来によってどう変わるか、ぼく自身も楽しみである。このブログが、今までと同じようなテイストで続くのか、よくある独りよがりの愛猫紹介サイトみたいな雰囲気になっちゃうか。どうなるだろうね。
今からネコの待ってる自宅に帰るのが待ち遠しいものである。

 

※(左)コウくん、(右)フクくん

※今日の朝イチの2匹。一緒に寝てたのかな?

※ソファがお気に入りの2匹。

| ネコネコライフ | 12:42 | comments(0) | trackbacks(0)
早口ラプソディ、再び。

先月のことだけど、ぼくが仕事でお付き合いしている会社の計らいで、この会社が主催するセミナーの中でぼくが関わった仕事について講演をするという機会をいただいた。非常にありがたい機会で、いい経験ができたのだけど、後になって録音した内容を聞き直してみたら、これが壊滅的に早口で、こんな早口の講演をセミナーに来た人たちはちゃんと聞き取れたんだろうか、いや聞き取れるわけがないと、結構深刻に自己嫌悪に陥ってしまった。ぼくの早口のせいで、ぼくの講演ばかりか、セミナー全体をぶち壊しにしてしまったんじゃないかとさえ思った。そういえば、セミナーを主催した企業から、翌日になってもお礼のメールが送られて来なかったから、実はこの会社の中ではぼくの早口講演が大問題に発展してるんじゃないかと被害妄想が暴走しちゃって、これは冗談抜きでやっちまったと思ったものである。長い付き合いだったけど、この会社とも縁が切れちゃったなーってね。
しかし、先日連絡があって、遅ればせながらこのセミナーでの講演のお礼があり、このセミナーの話しがあった当初から少し話しをいただいていた某所での講演について、正式な依頼があった。
良かった、ぼくが思っていたほど、先方は壊滅的な講演だと思ってなかったようである。そして、当初から企画していた案件も、キャストを変更することなく、進めていてくれていたのである。

 

7月に東京ビッグサイトで大きな展示会があり、この会社も自社サービスをアピールするため出展するのだけど、ぼくが当初から依頼されていた案件というのが、この出展ブース内に設けられたステージで、ぼくが講演をするというものなのである。
これは先のセミナーでの講演よりもスゴいことである。
この展示会には情報収集のためにぼくも毎年行っているんだけど、全国から何万人もの関係者が集まり、情報収集、情報交換、実際の取引なんかがおこなわれるのである。会場には物凄くおカネをかけた大きなものから小さなものまで数百の出展ブースが立ち並び、通路はビジネスマンでごった返すのである。ぼくはほとんどすべてのブースを見て回るけど、それでも3時間もいれば、頭も身体もくたくたになってしまうほどである。そのくらい大規模で大勢のビジネスマンが行き交う展示会で、この会社がブースを出展し、そこでぼくがマイクを握って喋るのである。うん、改めて書いてみると、やっぱりこれはスゴいことだわ。

 

ついこの間まで被害妄想が爆走していたから、この話しはとっくに「なし」になっているんだろうなーと思ってて、しかもそのココロの傷もとっくに癒えていたから、電話なんかでさらっと「いや〜、ちょっと企画の変更がありまして〜、今回はなしってことで〜」なんて体よく断られても動揺しない自信があったんだけど、そんな被害妄想ストーリーとは真逆な展開になったので(いや、これが本来のストーリーなんだけど)、ちょっと動揺してしまったわ。
しかし、頼まれたことなので、今さら尻込みするわけにもいくまい。ここはひとつ、前回の反省点を踏まえ、華麗に汚名返上、素敵に名誉挽回といきたいものである。そう、とにかくゆっくり、ゆっくり喋るのだ。なんだかドキドキしてきたわ。
ちなみに、展示企画のスケジュール上、講演の時間は2回、時間は20分程度である。まあ多少長くなっても構わないとのことなので、とにかくコンパクトに分かりやすく伝わるように話しをしたいものである。
ちなみに、この展示会には、ぼくの会社も出展することになっている。ということは、つまり会社の人が会場内のどこかにいるわけで、既にぼくが講演することは漏れ伝わってるらしいから、きっと物見遊山で同僚がぼくの目の前で聞いていたりするんだろうな。他の部署ならまだしも、近くの部署の同僚とかだったら、それはかなり緊張するわ。緊張すると早口になっちゃうかもな。それだけはなんとか避けないと。
ステージに立つことでこんなに緊張するのは、音楽を辞めて以降物凄く久し振りである。さて、どうなるものか。

| 日記 | 12:38 | comments(0) | trackbacks(0)
銀河鉄道でオリエント急行な旅。

自転車仲間と行く遠征サイクリングが島根県に決定し、どうせ行くなら寝台特急・サンライズ出雲で行こうという話しになり、いや、鉄道業界でも屈指のプラチナチケットを人数分、しかも雑魚寝的なシートではなく、個室も含めてゲットできるわけないだろうと思っていたけど、東京発の往路ではなく、復路なら可能性が高いかもしれないと期待しつつ、旅行会社に手配をお願いしたところ、見事にチケットをゲットできた。先ほど旅行会社から連絡があった。出雲市発、東京行きの寝台列車のチケットをゲットできた!いや、これはなんていうか、マンガ「銀河鉄道999」で無期限パスを手に入れた鉄郎のような気分だわ・・・って言うと言い過ぎか。本来なら東京発、出雲市行きのチケットを狙っていたからな。やはり、行きではなく、帰りってところがなんだか残念な感じである。
しかし、サンライズ出雲に乗れるというのは、かなり大きなイベントである。楽しみが旅行の最後に来るってのもいいよね。
さて、チケットがゲットできたことで、これまで計画の詳細が詰められず悶々としていた思いが解消され、思う存分サイクリングの計画ができるというものである。出張にカコつけて2回ほどサイクリングしたことのあるところだけど、きれいな景色をさきこにも見せられるというのは嬉しいものである。願わくば晴れてくれることを祈るばかりである。

 

※今ぼくの頭の中には、スパーク作曲「オリエント急行」が流れている。テンション上がるわー!

| 日記 | 12:20 | comments(0) | trackbacks(0)
夢想の地平面
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